2021年6月号

人きらっとひかる

後世にカタチとして残る仕事に
やりがいを感じて

 

株式会社鎌倉材木店 本店 建築部

山﨑 美春さん

 

  当会議所建設関連部会が実施する「建設職人塾」を経て、昨年、鎌倉材木店本店に入社した山﨑美春さんは、ただ今、大工の見習い中。現場監督や先輩の職人さんに交じって〝何でも吸収してやろう〟と、若くはつらつな力を発揮しています。大工として迎えられ、育てられ、将来は棟梁として期待される若きエースの山﨑さんにお話をうかがいました。

建設現場で働く父親の姿に
「カッコいいな」と感動

初めての作業にドキドキ…。 建設職人塾で大工仕事の楽しさを知った山﨑さん

 当会議所建設関連部会が実施する「建設職人塾」では、実業系高校の高校生を対象に、建設業の受け入れ事業所で3日間の職人体験を行っています。この体験を経て昨年、鎌倉材木店に入社した山﨑美春さんは、この6月で20歳を迎えます。
 「お仕事は、楽しいですか?」と訊くと、すぐに「はい、楽しいです!」との返事が。言葉にも日々の充実感があふれます。
 実は、山﨑さんのお父さんも建築関係の仕事をしており、小さい時には遊び気分で興味がてらに施工現場に行かせてもらったことがあったとか。その時に、真剣に仕事に打ち込むお父さんの姿を見て、「カッコいいな」と思ったのが、今の仕事を志すきっかけになりました。日頃からご家族とはよく話し合う仲ということで、就職にあたって相談した時も、「やりたいと思ったことは、なんでもやってみろ」と、後押ししてくれるお父さんの言葉が大きな支えになったといいます。

自転車で通った「建設職人塾」

 「建設職人塾」の存在を知ったのは、高校1年生の時でした。その頃からすでに、将来は大工になりたいと決めていた山﨑さんは、十数社ある受け入れ先の中から自宅に近い鎌倉材木店を選択。高校1年生から2年生に進学する春休みを利用して、職業体験を行いました。
 会社に近いといっても、当時は運転免許のない状態。家族にも頼らず、30分以上かかる道を必死に自転車を漕いで通う山﨑さんの姿に、「根性のある女の子だなぁ」と、会社の皆さんは感心しつつ温かく見守っていたそうです。
 そんな職場環境の中、体験では建築部材の周囲を押さえ留める「押縁」を製作。初めて手に持つノミやのこぎり、げんのうの使い方に四苦八苦しながらも、木材を組み合わせて一つひとつ形にしていく製作工程の楽しさを身をもって知りました。
 「参加者は私一人だけでしたが、手取り足取り丁寧に教えていただけて。将来大工として働く自分の姿がはっきり想像できたことも大きく、塾に参加して良かったと思いました」

大工として会社に新規採用

社会人2年目。大工道具の扱いもだいぶ板についてきた

 鎌倉材木店は、「建設職人塾」の開講当初から積極的にご参加いただいている事業所です。それまで大工は社内に置かずに請負契約を続けていましたが、建設職人塾での山﨑さんの情熱や働きぶりを見て、大工見習いとして採用を決めました。
 「私の学校には当社からの求人票は来ていなかったのですが、先生に直接、採用選考に臨めるようにお願いしました」と、山﨑さん。
 現在は、物件ごとに替わる棟梁や職人さんのもとで修業を重ねる毎日を送っています。最初こそ男性が多い職場で不安なこともあったといいますが、「女性だとか男性だとか関係なく、皆さん分け隔てなく平等に接してくださいます。最近では段々とプライベートな話もできるようになりました」と、笑顔を見せます。町並みを形成する身近な家々や医院などの建物としてカタチとなり、後世まで残る仕事に携われるのが一番のやりがいといいます。
 木材や工具など重いものを持つことも多く、高校生の頃と比べてだいぶ筋肉もついてきたとか。社会人になって運転免許の資格も取り、今ではマイカー通勤をしています。仕事柄、軽トラックに乗る機会もあるので、マニュアル車の運転も上達しました。
 「お施主さんに、山﨑さんに建ててもらって良かった、と言っていただくのが目標です。早く一人前になって、会社にも職人を目指す女性がたくさん入ってきてほしいですね」

 

 

 

 

 

 

企 業 名 株式会社鎌倉材木店
設  立 1946年
業務内容 林業からスタートし、「材木屋が造る、本物の木の家」をテーマに、材木屋ならではの真摯な姿勢で高品質な木の家づくりに取り組んでいる。
所 在 地 本店/長野市南長池39-5 TEL 026-221-5375
      支店/長野市鬼無里日影6745  TEL 026-256-2100
URL http://www.kama-kura.com
長野市出身。長野工業高等学校卒。小さな頃から〝ものづくり〟に興味を抱き、高校1年生の時に長野商工会議所が主催する「建設職人塾」に参加。高校卒業後、鎌倉材木店の社員に大工職として入社。将来は、会社を背負って立つ棟梁として活躍が期待される。

 
 

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