2017年4月号

View Point

宮下 満栄(みやした みつえ)

長野商工会議所篠ノ井支部長
株式会社第一包装企画代表取締役社長

昭和20年2月長野市生まれ。長野工業高校電気科卒業。サラリーマンを経て38歳で会社を設立、現在に至る。平成23年~24年ライオンズクラブ国際協会334-E地区(長野県)地区ガバナーに就任。現在長野県アイバンク・臓器移植推進協会副理事長。

篠ノ井の街の活性化のため、住民自治協議会、
商店会連合会、当会議所篠ノ井支部による
3団体交流会を結成しました

 長野商工会議所篠ノ井支部長として取り組むべきは、何をおいても街の活性化です。商店を元気にし、街に活気を取り戻すため、住民自治協議会、商店会連合会、当会議所篠ノ井支部による3団体交流会を昨年末に結成しました。今後協議を重ねながら、篠ノ井駅の東口、西口が共に発展するような具体策を探るとともに、同交流会の輪が多くの人を巻き込んで広がることを期待しています。

街の活性化に向け、
3団体による交流会を結成

── 宮下社長は、長野商工会議所篠ノ井支部長に就任されました。抱負をお聞かせください。

宮下
 思わぬ大役を仰せつかりましたが、前任の中嶋君忠支部長のもと、3年間副支部長として務めておりましたので、順番が回ってきたのかな、との思いでお引き受けすることといたしました。  まず大枠の話として、北村会頭が長野、松代、篠ノ井の一体感ある活動を目指すと話されていることについて、私も賛成です。それぞれの地域と支部の歴史や先輩たちの想いを尊重しながら、徐々に進んでいければいいと考えています。
 さて当支部のなかで、いちばん力を入れるべきは、篠ノ井の街の活性化です。副支部長をやっていた頃から、駅前通りを中心に街が閑散としていることに危機感を感じてきました。工業関係はともかく、商業に元気がありません。昔、ジャスコがあった当時はまだよかったのですが。
 長野市と合併した1966年に、篠ノ井の人口は3万人あったかどうかです。それが今4万2千人います。篠ノ井まつり恵比寿講や夏祭りには、駅前に2万から2万5千人の人出があります。ところが、普段の街に人影はまばらです。現在、篠ノ井の人口は西口側の方が多くなっていますし、今後イオンが更埴や長野東インターの近くに出店するという話もあります。このままでは篠ノ井の街が終わってしまうかもしれません。この状況をなんとか打開したい、そう強く思っています。  しかし、当会議所篠ノ井支部だけで街の活性化ができるとは私には思えません。そこで、住民自治協議会、商店会連合会、当会議所篠ノ井支部による篠ノ井地区3団体交流会を昨年 12月29日に結成しました。それぞれの団体の正副会長や事務局長などがメンバーとなり、会長には住民自治協議会の会長が就き、商店会連合会会長と私が副会長、栁澤常務理事が事務局長を務めます。また、相談役に渡邉一正さん、中嶋君忠さんをお迎えしました。すでに3月14日に第2回目の会合をもちました。
 街の活性化に本腰を入れるには、このくらい思い切ったことをしなくてはいけなかったのです。一方、長野市中心市街地ほど大きくなく、篠ノ井の規模だからこうした会が結成できたのだと思います。3団体交流会ができたことで、長野市などへ陳情する際も、説得力に違いが出るでしょう。実際、この取り組みについては、加藤市長や北村会頭、あるいは金融機関からもエールを送っていただいています。

 

駅の東口、西口が
ともに発展する具体策を

── その交流会では今後、どんな活動をされていくのですか。

宮下
 具体的にはこれからです。3団体のなかで協議を重ねながら決めていきます。ですから、これからお話しするのは、あくまで構想段階のものとしてお聞きください。
 篠ノ井駅は、かつて貨物ターミナルとして発展しましたが、その機能が北長野駅に移って以降、何本かの線路が使われずにいます。西口に隣接するその土地と、付近にある長野市の土地を全部合わせると8から9千坪になるのですが、これらの扱いについて、市とJRとの間で話し合いを進めてほしいと考えています。もし、この話し合いが整い、西口の開発に着手できれば、駅の東西両方を合わせた活性化策を企画することもできます。
 たとえば、この先篠ノ井市民会館は取り壊しますが、その際駐車場がこれまで不足していた図書館を西口に持っていくというアイデアもあります。狙いはあくまで、東口と西口の両方をさらに発展させることです。そのためには、東西連絡通路も必要になるでしょう。また、東口については、次の手を打つために、都市計画道路川中島幹線の整備状況を見極めることも重要になってきます。
 先ほども申し上げましたが、篠ノ井の工業関係はさほど苦しい状況にはないのかなと思われます。これは篠ノ井に限った問題ではありませんが、街の活性化にはやはり商店を盛り上げることが鍵になります。3年という短い任期で、支部長としてできることは限られますから、まずは今お話ししたように、商業の活性化に力を入れます。3団体で始めた交流会が、今後工業界との連携も創り出し、またJCや女性の団体、そのほかの皆さんも協力していただきながら活気づけばと願っています。一方で商工問わず、またどんな業種においても、経営には常に次のステップを考え行動することが求められます。個々の事業者の皆さんの奮起にも大いに期待しています。

 

お客様の課題解決につながる
提案力を磨く

── 宮下社長は、一人の経営者として何を旨に事業に取り組まれていますか。

宮下
 お客様が何に困り、何を望んでいるかを掴み、これに対する解決策を提案することです。
 当社は、段ボールメーカーをお客様に、段ボールへ印刷するためのデザイン、製版をする会社です。1984年に設立し、製版設備のある長野市の本社以外に、新潟、群馬、松本、関東の4営業所を置き、広く関東甲信越で事業を展開しています。
 都市部にある大手製版ならともかく、地方に本拠を構えながら、大手との取引が85%を占めるのは珍しいと言われます。これには、私が大手段ボールメーカーで長年営業職にいた経験が活きています。段ボールメーカーが何で困っているかわかっていたから、印刷デザインと製版、抜型(現在、抜型は外部委託)を一括で受けられる体制を整えたり、お客様のすぐ近くで仕事ができるように拠点整備に努めたりしてきました。
 また、印刷デザインだけでなく、高い包装設計力を活かしたサンプル提案力も当社の強みとなっています。版デザインを受注した際、普通は段ボールのデザインを実物で提示することはありません。しかし、実のところお客様は、平面のサンプルではなく、完成された箱の状態で印刷されたデザインを検討したいとお考えです。しかも、それが複数案あればなお好都合です。そこで当社は、より実際に近い高レベルなサンプル提案を短納期で実現することで、お客様から信頼をいただいてきました。こうした提案力のさらなる拡充のため、インクジェットプリンタを更新するとともに、昨年9月からは、旭化成が開発した最新の液状感光性樹脂を先行してテスト採用するなど、新技術の導入にも意欲的に取り組んでいます。
 当社のような地方メーカーは、お客様から仕事が来るのを当たり前と考え、それを待っていたのではダメになります。今お客様が何を求めているか推し量って、これを先回りしてこちらから提案することで他社と差別化でき、生き残っていけるのです。当社にとって、そのやり方は間違いでなかったですし、今後もお客様への提案力にさらに磨きをかけていきます。

宮下 満栄さんの横顔
趣味はゴルフで、40年近いキャリアを持つ。ハンディは10。今年、南長野ゴルフクラブの常任理事となった。


ページ: 1 2 3