2019年6月号

View Point

山浦 悦子(やまうら えつこ)

長野県商工会議所女性会連合会会長
長野商工会議所女性会会長
ハイブリッド・ジャパン株式会社代表取締役

1942年長野市生まれ。80年ハイブリッド・ジャパン株式会社を設立、代表取締役に就任し、現在に至る。長野県公安委員会委員長、長野市子育て支援事業所連絡協議会会長。

地域に根ざした活動の実践を通じて
 活力あるまちづくりに貢献し
  「女性会ここにあり」と誇れる存在に

 長野商工会議所女性会は、これまでの支部制を廃止し、今年4月より一つの組織となりました。女性の活躍が期待される今、私たち女性会は、その豊かな感性と発想、ネットワークを活かし、地域に根ざした活動の実践を通じて、活力あるまちづくりに貢献してまいります。今年は特に、その土台となる石垣の一番下の段を築く年と位置づけ、会員の学びの場を数多く設けたいと考えています。

今年は女性会の石垣の
一番下の段を築く年

── 今年4月より、長野商工会議所女性会が統合されました。抱負をお聞かせください。

山浦
 女性会はこれまでの支部制を廃止し、長野、篠ノ井、松代が一つの組織になりました。新生女性会は総勢約150名で、委員会組織も新たにし、総務委員会・事業委員会・広報委員会・社会貢献委員会を設けました。これまで以上に地域に根ざした活動をしていきたいというのが会員全員の思いです。
 平成28年4月に女性活躍推進法が施行されたことで、日本における女性の社会参加が進み、女性の活躍への期待がいっそう高まっています。5月には元号も新しくなりました。私たち長野商工会議所女性会も気持ちを新たに、団結してより有意義で中身の濃い活動をしていきます。
 統合を機に、女性が自ら外へ足を運び、学ぶ場を色々なところにつくろうと思います。自分たちの会社の中や、お家の中だけでは見えないことがたくさんあるからです。外に出て、実際に自分で体験してみると、地域のために自分たちに何ができるか、そのヒントがきっと見つかります。
 長野市に住んでいても、県庁や県警、市消防局、清掃センターなどを訪れたことがない人が多いものです。それらはどんな組織で具体的に何をしているのか、実は知らずに私たちは日々を過ごしています。でもそれを知ることで、社会への窓が開き、問題意識が芽生え、社会の課題にどう向き合い、あるいは自分たちの暮らしをどう見直すべきか考えるようになります。だからまず、どんどん外へ出掛けていきます。そして体験や学びを通して成長していこうと思います。
 せっかく一つの組織になったので、「女性会ここにあり」と誇れる存在になれたらいいですね。それには、まず足元をしっかり固めること。この先女性会や長野の女性たちが地域から期待され、その期待に応えていけるように、今年は土台となる石垣の一番下の段を築きます。

 

ほぼ1年に 10回におよぶ
丁寧な協議を経て統合

── 統合の経緯について教えてください。

山浦
  はじめに、今回の合併に先立ち各地区に置かれた女性会についてお話しします。長野商工会議所女性会は、平成11年9月に女性経営者の相互交流・経営能力向上などを目的に設立されました。篠ノ井商工会議所女性会は、平成元年12月に設立され、お祭りを中心に活動してきました。松代では、昭和61年に松代商工会議所婦人部として設立され、その後女性会に名称変更し、真田まつりを中心に活動してきました。
 平成18年10月に、まず長野、篠ノ井、松代の3商工会議所が合併します。女性会も長野商工会議所女性会として形式上一つになりますが、日々の活動は長野支部、篠ノ井支部、松代支部として従来通りやっていました。ただ、平成21年9月にエムウェーブで開催した第41回全国商工会議所女性会連合会長野全国大会は、支部の枠を越え女性会全体として取り組みました。
 統合に向けた動きは平成30年から本格化し、昨年4月に各支部から委員を選出して統合検討委員会を組織し、今年2月まで計10回にわたり協議を重ねてきました。同委員会では、新しい会則や会費の金額、体制や役員の人事に至るまで、非常にたくさんの重要事項について話し合いました。これまで支部毎に活動していたとはいえ、3支部間の交流はずっとありましたので、協議は思った以上にスムーズに進んだと思います。11名の委員の皆様には、お忙しい中ご協力くださったことにあらためて感謝申し上げます。
 そして今年4月、支部制を廃止し、名実ともに長野商工会議所女性会として活動することになりました。先ほども申し上げましたが、せっかく一つの組織になったので、これから地域のなかで私たちが活躍する姿を見ていただき、「私も入りたい」と思ってもらえる女性会になりたいです。

 

豊かな感性と発想、
ネットワークを活かして

── 今年はどんな事業に力を入れていきますか。

山浦
 たとえば、夏恒例の善光寺での打ち水があります。これは環境問題について自分たちにできることはないかと支部制時代に始めた活動です。昨年はあまりの猛暑にお休みしましたが、今年は開催します。
 クイーンズコネクションやフラワーアレンジメント教室など、会員の資質向上と交流のための事業も、今年から女性会全体事業として行います。また、篠ノ井の大獅子、松代の真田まつりなど各地区で催されるお祭りでは、それぞれの女性会が果たしてきた地域貢献のあり方を尊重しつつ、互いにお手伝いできることがあれば、一緒になって参画したいと考えています。
 6月には、市民芸術館にて防災に関するセミナーを行います。近年日本では、東日本大震災など大災害に見舞われていますが、いざ自分たちの地域で大災害が発生したら、どう対処してよいか分からないというのが現状ではないでしょうか。人工呼吸の仕方や炊き出しの段取りも、まずやってみなければ実際の災害で役に立ちません。
 このセミナーでは、信州大学の先生にお話を伺うほか、来場者に避難所で使用する簡易トイレを組み立ててもらうなど、実際に体験してもらうことを大切にします。地域の皆様の役に立つ情報をお伝えする場を設けることで、防災に対する意識を高めるきっかけになればと考えています。一般の方もご参加いただけますので、ぜひ皆様お越しください。
 フードドライブ活動もこれまでに二度行いましたが、台所を預かる女性だからこそできる取り組みですので、今年もぜひ続けていきます。子ども食堂を運営するNPOの方のお話では、子どもたちがお菓子を欲しがっているとの声もあります。そうしたニーズを細やかに掴みながら、女性会の会議の日に各家庭から食品を持ち寄るなど、会員に無理のない形で食品ロスの削減と支援が必要なご家庭や団体のお役に立てたらと思います。
 子どもたちのために私たちができることはほかにもあります。きちんとした挨拶を身につけてもらうこと、ゲーム以外にもっと楽しいことがあると教えること、色々な世代が集まり、遊んだり学んだりする場をあちこちにつくること、お母さんが心置きなく仕事をしたり、プライベートを過ごしたりする際に安心して子どもを預けられる場所をまちじゅうに増やすこと、色々考えられます。今後も未来を担う子どもたちのための活動には特に力を入れたいと考えています。
 私たち長野商工会議所女性会は、これからも女性の豊かな感性と発想、ネットワークを活かし、地域に根ざした活動を実践して、活力あるまちをつくってまいります。

 

山浦 悦子さんの横顔
本を読んで感銘を受けた言葉や日々の思いを、毎日毛筆で特厚の上製本ノートに記す。また料理も趣味で、どんなに遅く帰宅しても台所に立たれるとか。


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