2019年2月号

View Point

川上  馨(かわかみ かおる)

長野税務署長

 

昭昭和33年生まれ、大町市出身。大町高校(現大町岳陽高校)卒業後、関東信越国税局に採用され、税務大学校での研修後、川口税務署に配属。国税局調査査察部次長などを経て、平成30年7月長野税務署長に就任。

確定申告について、消費税について、
 広報・相談活動に努め
  適正かつ公平な課税を実現してまいります

 確定申告の時期が迫っていますが、e-Taxをはじめ、ICTを活用した申告・納税がより便利に使いやすくなりました。是非、ご活用ください。また、この秋には消費税率引き上げも予定されています。税務署では、さまざまな民間団体の皆さまのご協力を賜りながら、広報・相談活動に努めています。ご不明な点はどうぞお気軽にお問合せください。

長野の皆さまと
お会いできたご縁を大切に

── 長野税務署長に就任されてのご感想をお聞かせください。

川上
 自然豊かで人情深く、歴史ある長野の地で勤務できることを大変光栄に思っています。また、私は大町市出身ですが、関東信越国税局に採用されてから41年目にして、初めて長野県勤務となりました。本当に嬉しく思っているところです。
 長野税務署は、2市3町2村(長野市、須坂市、小布施町、信濃町、飯綱町、高山村、小川村)を管轄しております。着任時の挨拶などで各市町村を回らせていただきましたが、どちらも皆さまお人柄がよく、温かく迎えていただきありがたかったです。
 また、管内には、善光寺をはじめ戸隠神社、川中島古戦場、松代の真田邸、小布施の北斎館など多くの名所や史跡があり、外国人のお客さまも多くお見えです。食べ物も豊富で美味しい上、地酒やワインもたくさんあり、観光地としても今後の発展性を感じています。
 昨年11月の長野えびす講煙火大会も盛大に開催され、私も近くの堤防の上から見させていただきました。寒くはありましたが、それにも増して目の前に大きく広がる花火、特に花火と音楽の共演「ミュージックスターマイン」にはとても感動しました。
 これまでの経歴を申し上げますと、国税の職場での40年のうち、約半分は国税査察官、いわゆる「マルサ」として勤務していました。悪質な脱税者に対して捜索令状などに基づき強制調査を行い、検察庁に告発を行うことが仕事でした。また、預金保険機構にも3年ほど出向し、住宅金融専門会社(住専)から借りた借金を返済できなくなった不動産関係会社などの財産調査を行いました。
 また、愛知県の岡崎税務署の副署長として出向した時には、中日ドラゴンズが53年ぶりに日本一に輝き、群馬県の富岡税務署時代には、富岡製糸場が世界遺産に登録されるなど、地元の皆さまと一緒に喜んだことが印象に残っています。
 人と巡り会うのは何かのご縁があってのことと私は常々思っています。一期一会の言葉どおり、長野の皆さまにお会いできたご縁を大切にしてまいります。もう1つ、私には好きな言葉があります。それは、平成8年から預金保険機構に出向していた時、当時の松田昇理事長(元東京地検特捜部長、現読売巨人軍オーナー代行)に教えていただいた「おごらず、気負わず、そしてひるまず」という言葉です。この3つの言葉をいつも胸に刻み、長野税務署においても職務を全うしてまいりたいと思っています。
 長野税務署は、県下10署の税務署のまとめ役でもありますので、管内のことに加え、長野県全体のことを考えなくてはなりません。とはいえ、税に関しては、税務署だけでは力の及ばないことがたくさんあります。今後、さまざまな民間団体の皆さまのお力をお借りしながら、適正かつ公平な課税を実現してまいります。

長野県の税収の伸び率は
関東信越で1番

── 今の長野県経済を税収という面から見ると、どのようなことが言えますでしょうか。

川上
 景況を判断する一助として、関東信越国税局(埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県の北関東4県と新潟県、長野県の信越2県を管轄)が昨年8月に発表した租税収納状況についてお話しいたします。平成29年度租税収納状況は、関東信越国税局全体で収納済額が4兆7、000億円で前年度比102%でした。5年連続で収納済額が増加し、4年連続で4兆円を超える結果となりました。なかでも、源泉所得税、申告所得税、法人税、消費税及び地方消費税に伸びが見られました。
 長野県では、収納済額が5、400億円で前年度比106%となりました。この増加率は関東信越国税局管轄の6県で1番良い数字です。税収から見ると、長野県経済は伸びていることが分かります。これに大きく貢献したのは、源泉所得税(前年度比109%)と法人税(同111%)です。どちらも6県でトップの伸び率で、特に法人税の伸びが全体を牽引しているといえ、これは特筆すべき事項だと思います。
 もう1つ、同じく8月に発表された租税滞納状況についてお話しいたします。平成29年度の関東信越国税局における滞納残高は740億円となり、平成12年度以降18年連続で減少しています。ピーク時だった平成11年度3、300億円の22%となりました。また、新規発生滞納額も、過去最も多かった平成4年度2、200億円の30%と引き続き低水準となっています。
 ただし、良いことばかりではなく、消費税の滞納が少し増えてきている傾向があります。滞納残高においても、新規発生滞納額においても、消費税が占める割合が相対的に大きくなっています。

e-Taxでの申告が
より便利になりました

── 消費税については今年の10月に引き上げが予定されています。

川上
 消費税率引き上げ後、皆さまがお困りにならないよう、税務署では関係民間団体の皆さまと協力しながら、軽減税率制度のご説明など、広報・相談活動に努めてまいります。消費税は、ほとんどすべての方に関係する税ですので、経理の扱い、レジの入れ替えやその補助金について、そのほかお分かりにならないことがあれば、お気軽に税務署にご相談ください。国税庁ホームページでもご案内しています。
 この機会に確定申告についてもお話しさせてください。国税庁と税務署では、ICTを活用した申告の推進に取り組んでおり、今年1月からはe-Taxの手続きが簡便化されました。
 従来からのマイナンバーカード方式に加え、マイナンバーカードやICカードリーダライタをお持ちでない方は、税務署で本人確認後に発行される、IDとパスワードを使用した、いわゆるID・パスワード方式により、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxによる申告書の送信ができます。贈与税もe-Taxで申告できますので、是非、ご利用ください。この「確定申告書等作成コーナー」をご利用いただくと、計算間違いなどがなく便利です。
 また、「いつでもどこでもスマホで申告」ということで、年末調整済みの給与所得者の方で、医療費控除や寄付金控除を適用して申告する方は、ID・パスワード方式によりスマートフォンでも確定申告書の作成・申告ができるようになりました。なお、このID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定措置ですので、マイナンバーカードの早めの取得をお願いします。
 納税については、従来からの口座振替による振替納税に加え、お手持ちのパソコン、スマートフォン、タブレット端末を使って、お名前や税額などを入力の上、作成されるQRコードを使用し、お近くのローソン、ファミリーマートなどで納付することも可能になりました。是非、ご活用ください。
 申告会場は、土日を除く2月 18日㈪から3月 15日㈮まで、若里市民文化ホールに設置します。なお、2月24日と3月3日の日曜日に限っては開場します。確定申告会場は、例年かなり混み合います。是非、ICTを活用した申告・納税をお願いします。

 

川上  馨さんの横顔
中学、高校、そして社会人になっても各年代のサッカーチームに所属した。ほかにも、テニス、スキー、ゴルフも楽しむスポーツマン。観戦も好きで、AC長野パルセイロのホームスタジアムへも何度か足を運び応援している。


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