2018年8月号

View Point

塚田 篤雄(つかだ あつお)

長野商店会連合会会長
有限会社日野岩代表取締役

昭和31年生まれ、長野市出身。長野商業高校卒業後、㈱新潟葬祭に入社。平成10年有限会社日野岩取締役専務から、代表取締役に就任。ソフトテニスで国体出場。

商店会連合会が一体感をもって
  長野市内の商業全般を盛り上げるために
    歩んでいきたいと思います。

 商店会連合会会長に就任した機会にぜひ取り組みたいのが、長野市内全域の商店会の皆さんとの連携です。現在バラバラにやっているイベントなどを一緒に盛り上げるなど、長野市全体を盛り上げていきたいと思います。
 また、市街地活性化については、まず住む人ありきで考え街に住んでくれる人を増やす工夫が、結果として店の売上にもつながっていくと信じます。

現在当会に加盟していない
商店会との連携が課題

── 商店会連合会会長に就任されての抱負をお聞かせください。

塚田
 昨年、宮島前会長の後任として、長野商店会連合会9代目会長に就任しました。歴代の会長さんは皆素晴らしい方々で、会社の知名度も高くていらっしゃいますが、私のことはご存じない方が多いと思います。宮島さんが会長の時に副会長を経験させていただいたものの、副会長と会長とでは全く違います。長野商工会議所や長野市などから30ほどお役職をいただいており、今回の就任については本当に大変なことになったと思いました。
 ただ、会議に出させていただくと自分の知らないことばかりでとても勉強になりますし、いろいろな方にお目にかかれるので、良い経験になっています。また、各単会の行事・総会・新年会などに出席させていただくと、役員の方々のご苦労が身に染みて分かります。微力ではありますが、少しでも会員の皆様のお役に立てるよう努めてまいります。
 任期中に取り組みたいことの1つに、現在当会に加盟されていない商店会の皆さんとの連携があります。例えばですが、今年4月、トイーゴから駅前までの道路が県道から市道になり善光寺から駅前までがすべて市道になりましたが、ゴールデンウィーク中の中央通り沿いのイベントは、善光寺花回廊、表参道芸術音楽祭、NAGANO善光寺よさこい、ながの獅子舞フェスティバルなど、それぞれの実行委員会が独自に催しをされている状況です。今回の市道一本化を機に、中央通り沿いの皆様が一つになって連携を取り一緒にイベントができるよう、長野商店会連合会会長として未加盟商店会の皆様との話し合いの機会をもうけ、長野市の発展につながるようがんばりたいと思います。
 その連携の第一にまずは、駅前周辺商店会の皆さんと同じテーブルにつき、一緒に何ができるか話し合いたいと思います。そして、その一歩から市内全域へと広げ、長野市内全域の商店会が、また同じ目標のもとに活動できるよう連合会の役員の再編成も見据えながらこれからのことを考えていきます。
 未加盟商店会の皆様と次第に距離を縮め最後はまとまることで、きっと中心市街地活性化に向けた大きな力になることでしょう。加藤市長、北村会頭も商店街活性化についてはご心配されていますので、長野市や長野商工会議所のご協力もいただきながら、ぜひとも道筋をつけたいと考えています。

住む人の目線で
市街地の活性化を考える

── 現在の長野市の経済状況、中小企業が抱える問題についてどうお考えですか。

塚田
 日銀などの発表とは異なり、長野市の経済状況は良い状況にあるとは思えません。商店会でもいろいろな業種の方にお話を聞くのですが、なかなか景気の良い話は聞こえてこないのです。
 観光振興という面からみますと、長野市は多くの素晴らしい観光資源に恵まれています。いかに観光客を取り込むか、とりわけインバウンド需要をどのように取り込むかが1番の課題だと思います。ただ、頭では分かっていても行動に移すのは易しくないようです。例えば、外国語表記のメニューがないために、外国の方に品物・値段を分かってもらえないお店が善光寺周辺から中央通りの間にもあります。英語が話せないために相手の話を聞けず、メニューの説明もできないので、だんだん引っ込み思案になってしまい、外国のお客様がいらっしゃると店の奥へ引っ込んでしまう様子も目にします。
 長野市にも外国人観光客が数多く訪れるようになって、宿泊施設も次第にできてきました。街へ出て食事やお酒を楽しみたいと思う人も増えています。こうした方々を取り込まないのはもったいない話です。そこで今、(公財)ながの観光コンベンションビューローさんにお願いして、各店舗のメニューを外国語にしていただくように交渉中です。また、タブレットを使って会話ができるサービスを提供している企業とも、試験的に区域限定で利用ができるよう話を進めているところです。
 中小企業が抱える課題としては、やはり後継者問題が大きいと感じています。古くから商売をする人も、子どもに継がせることを諦め、廃業して店舗をほかの方に貸し出すことで、建物だけでも残そうとお考えの方もいます。どのような形でも良いのですが、とにかく空き店舗を増やさないことが1番大事です。この街をシャッター通りだらけにしてはなりません。
 では、中心市街地の活性化をどうするのか。長野市に限らず中心市街地は1番税金をいただける地域ですので、全国の行政も活性化には前向きです。私はこの問題を進める際、店ありきではなく人の暮らしありきで考えるべきだと思うのです。都会で商売が成り立つのは人がいるからです。同じことを長野で真似てもだめでしょう。まずは住んでくれる人を増やすこと。人が増えれば、店の売上げは自然についてきます。
 「住む人が毎日の暮らしで使えるか」という視点で街を見てみましょう。長野県立大学の後町キャンパス象山寮ができて、権堂アーケード通りでは1日に200台の自転車が通るようになったそうです。あの通りが、東京下町の商店街のように夕飯の買い物に便利な街になったら、ずいぶん活気に溢れそうです。学生は寮を出た後も近くに暮らしてくれるかもしれないし、ほかにも住んでくれる人が増えるかもしれない。そうしたことをきっかけに中心市街地が活性化すれば、周りの地域も必ず良くなると思うのです。

人生の節目を大切にする
日本人の心をつないで

── 話題を変えまして、地域における貴社の役割について想いをお聞かせください。

塚田
 弊社は、明治18(1885)年に創業しました。地域の皆様に支えられ、かれこれ133年歩んでまいりました。日本の高齢化の状況をみると、葬儀業界はこの後20数年は仕事があると思います。ただ、近年の経済状況や価値観の多様化により、葬儀の簡素化が進んでいるのが気掛かりです。
 日本人の良いところは、人生の節目を大切にして、その折々に儀式を行って心の区切りをつけ、より良く生きようと努めてきたところです。これを簡単に切り捨ててしまうと、文化的にも経済的にも日本という国の終焉につながってしまうのではないか。私はそう危惧しています。
 お葬式の意義は、故人の生き様を確認することにあります。故人が家庭で見せる顔しか知らなかったご遺族は、最後のお別れに友人や知人、仕事関係、ご近所の皆様など幅広い方々がたくさんお見えになると、そうした皆様との間にも故人の人生は刻まれていたと改めて気づき驚かれます。そして、故人がその生を生きた参列者の皆様とともに故人をお送りすることができて、本当によかったとおっしゃいます。そうした心に残る儀式を一つひとつ大切にお手伝いしながら、日本の習慣と心をつないでいくことが、私たちに与えられた役目だと考えます。

 

塚田 篤雄さんの横顔
自他ともに認める大の祭り好き。祭りの次に好きなのがお酒で、ほぼ毎日のようにさまざまな会合で、あるいは気が置けない仲間と盃を酌み交わす。


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