2015年4月号

View Point

宮島 章郎氏宮島 章郎氏(みやじま あきろう)

長野商店会連合会会長
有限会社凮月堂代表取締役

昭和29年長野市生まれ。長野吉田高校卒業後、鎌倉市の菓子店にて修業。昭和50年に凮月堂に入社し、現在に至る。
長野商店会連合会では、昭和55年に「会報タウン57」編集委員、平成13年より専務理事、平成17年より副会長を歴任し、平成23年に会長に就任。

善光寺御開帳や北陸新幹線延伸を追い風に
長野の商店会全体がひとつになって
ワンステップ上へ登る年に

 善光寺御開帳や北陸新幹線延伸に向け、長野商店会連合会では、記念大判を作製し販売するなど、加盟する商店会全体が関わってまちを盛り上げ、自分たちの商売も盛り上げていこうと取り組んでいます。商店会の減少や各商店会での会員の減少等さまざまな課題もありますが、商店街が地域コミュニティの核として機能することが期待される今、ワンステップ上へ登る年にしたいと思います。

善光寺御開帳記念大判を限定発売

── 善光寺御開帳や北陸新幹線延伸に向けた長野商店会連合会の取り組みについて教えてください。

宮島
 善光寺御開帳に向けては、「善光寺御開帳記念大判」を限定発売します。前回の善光寺御開帳の折、連合会で記念小判をつくり、好評をいただきましたので、今回はひとまわり大きな大判にしました。
 善光寺さんご本堂でのご祈祷もいただき、3月1日より販売しています(税込2,000円)。善光寺御開帳にお見えになったたくさんのお客様にご購入いただき、ご自宅のお仏壇等に飾っていただけたらと思っています。
 記念大判の取り扱いは長野市中心部の土産店等だけでなく、業種も地域も限らず、商店会連合会に加盟するおよそ1,600の会員すべてにお願いしました。長野市全体の商店会が関わって、善光寺御開帳を盛り上げ、各々の商店街自体も善光寺御開帳を契機に盛り上がっていくのが狙いです。
 商店会の中には、善光寺御開帳で潤うのは善光寺周辺や長野市中心部の商店ばかりで、自分たちには関係ないと考えるところもあるかもしれません。そうではなくて、長野市全体の商店街が、善光寺御開帳に向け頑張っている姿を見せ、活気にあふれることを期待します。
 なお、この記念大判は、昨年オープンした銀座NAGANOでも販売しています。善光寺御開帳関連では他に、商店会連合会も加わっている奉賛会で作製した卓上のミニチュア幟旗を、各商店に飾っていただいています。
 北陸新幹線延伸については、ちょうど善光寺御開帳とタイミングが合ったこともあり、長野市全体が、おもてなしの向上やにぎわいづくり、観光地としての魅力の向上、誘客活動に取り組んでいます。商店会連合会としても、おもてなしの空間を演出しようと、中央通り等へのバナー掲出に協賛しています。
 また、長野駅もリニューアルされ、今後商業の核となっていくと予想されます。周辺の商店さんにとって、良い面も悪い面もあるでしょうが、人の流れが大きくなることを味方につけて、活発な活動をしていただければと思います。
 北陸新幹線延伸で期待することは、北陸からのお客様の増加です。これまで3時間ほど掛かっていた金沢からは、1時間少しで来られます。富山については、松本より時間的距離が近くなります。善光寺御開帳と同様、商店会連合会としても、各商店会も、北陸新幹線延伸という機会に積極的に関わって、北陸からのお客様を取り込んでいきたいと考えています。
 連合会では、2年ほど前から金沢への視察研修を行ってきました。また、金沢TMO(金沢商業活性化センター)の方をお呼びし、講演会を開催しました。他にも、これは連合会の主催ではありませんでしたが、先日、金沢でまちづくりをしているグループを招いて、長野市東町界隈の方々との懇談会も行われました。こうした交流も増え、北陸からの誘客の機運も高まっています。
 善光寺御開帳の後も5月の花フェスタや秋の大道芸フェスティバルなど、善光寺表参道だけでもさまざまなイベントがあります。それぞれの商店会で催されるこうしたイベントを、県外のお客様にも大勢いらしていただけるものに育てつつ、またPRしていくことも大切かと思います。
 そして、どんなイベントをするにしても、長野商工会議所でも力を注ぐおもてなしが基本になります。連合会は、以前から長野商工会議所の商業部門のような存在として現場で動いてきた経緯もあり、おもてなし向上についても、各商店会、商店さんで前向きに取り組んでもらっています。

 

商店街が地域コミュニティの核としての役割を

── 長野市の商店街活性化に向けた課題についてお聞かせください。

宮島
 加盟商店会の減少が、まずもって問題です。昭和50年代に夏目幸一郎さんが連合会会長をお務めの頃、長野商店会連合会には57の商店会があり、長野商工会議所ともタイアップして、まちづくり全般に関わっていました。現在、加盟商店会は31になっています。新規加盟の商店会を増やすことが、連合会として最優先課題です。
 各々の商店会が知恵を絞りイベントをすることに意義はあるものの、単会でできることには限りがあります。一方、商店会がまとまって取り組めば、規模の大きなイベントも可能です。加盟商店会が多ければなおさらです。
 連合会では、毎年「長野門前寄席」と銘打ったイベントを各商店会で開催しています。商店会からは2万円だけご負担いただき、あとの経費は連合会が賄います。寄席当日の木戸銭はそのまま商店会の収入になる仕組みです。昨年は9月から12月にかけて16商店会で実施されました。たとえば毎年参加いただく芹田商店会では、100〜150人のお客様を集める盛況ぶりです。
 また、えびす講煙火大会では、子どもに人気のヒーローなどが各商店街を巡る「キャラクター大行進」を連合会で実施しています。連合会の役割は、各商店街の発展を後押しすることにあり、加盟商店会が増えれば、これまで以上にそのお手伝いができるはずです。
 商店街活性化に向けた課題について、各商店会に加盟する会員数の減少も気がかりです。事業主の高齢化や後継者不在などを理由に商売をやめ、商店会からも抜けていく方がいらっしゃいます。こうした動きに歯止めを掛けるべく、連合会では新規加入の会員のあった商店会には助成金を出す取り組みもしてきました。この5年間に新規加入会員が10近く増えた商店会もあります。
 ところで、平成23年11月には、長野商工会議所にもご協力いただき、長野市商店街の活性化に関する条例が施行されました。商店会、事業者、経済団体および市の責務を明らかにして、商店街の活性化を図り、市民生活の向上に寄与することを目的としています。これも積極的に活用して、会員増加に取り組みたいと考えます。
 この条例にも記されているように、商店街は個々の商店の商売の場でありながら、地域コミュニティの核としての機能も有します。商店会組織が弱くなると、こうした機能も低下するわけで、市民生活への影響も心配されます。昨今、全国的に買い物弱者問題に注目が集まっていますし、商業における商店や商店街のあり方は、ますます重要になってくるはずです。これから、行政や他の経済団体とも手を取り合って、よりよいまちづくりができればと思っています。
 景気の回復も待ち望まれますが、今年の長野市は、善光寺御開帳や北陸新幹線延伸、AC長野パルセイロ効果といった追い風を受けています。ぜひともワンステップ上へ登る年にしたいですね。

 

宮島 章郎氏 宮島 章郎さんの横顔
事業の継続のために、後継者問題とは別に、技術の着実な継承、日頃からの現場内でのコミュニケーション、お客様への丁寧な応対が大切な問題だと語る。


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