2015年5月号

View Point

堀江 三定氏

堀江 三定氏(ほりえ みつさだ)

株式会社長野パルセイロ・アスレチッククラブ代表取締役社長
松田・南信株式会社代表取締役会長

昭和33年長野市生まれ。日本大学理工学部卒業後、日立プラント建設を経て、昭和61年に松田産業㈱(平成19年合併により松田・南信㈱に社名変更)入社。平成6年代表取締役副社長、9年より代表取締役社長。25年より現職。平成19年㈱長野パルセイロ・アスレチッククラブ取締役、平成24年同マーケティングアドバイザーを経て、平成27年より現職。(一社)長野県サッカー協会副会長、長野市サッカー協会会長

市民や地元企業の皆様から
愛されるクラブを目指し
サッカーで地域を元気にします

 皆様から多大なご支援をいただいた長野南の新スタジアムを核とし、AC長野パルセイロは市民や地元企業の皆様と信頼関係を築き、この地域にスポーツ文化を醸成していきます。今年は、トップチーム、レディースとも上位リーグへの昇格が期待されます。これからたくさんの皆様にスタジアムに足を運んでいただきながら、サッカーで地域を盛り上げていけたらと願っています。

長野にスポーツ文化を醸成できれば

── AC長野パルセイロの代表取締役社長に新任されての抱負をお聞かせください。

堀江  このクラブには支援団体設立当初から、また法人化後もさまざまな立場で関わってきました。途中チームから離れ、サッカー協会の立場から側面的な支援を中心にしてきましたが、今回新スタジアムも完成し、J2昇格の勝負となる年に、突然のご指名をいただいた次第です。
 私もサッカーをやってきた身として、何か地域に恩返しをしたいと思ってきました。Jリーグでは、地域におけるサッカーを核としたスポーツ文化の確立を目指す「Jリーグ百年構想」を提唱しており、長野市でも現在スポーツを軸としたまちづくりに取り組まれています。もとより長野市はオリンピックの開催経験もあり、スポーツ振興のポテンシャルを備えています。この重責に就いたのを機に、サッカーという競技を通じ、長野地域にひとつの文化を醸成できればと願っています。
 その核となるべき長野南運動公園の新スタジアムは、ヨーロッパスタイルの専用球技場で、とても素晴らしい空間です。選手とサポーターの距離が近いため、迫力あるプレーを臨場感たっぷりに観戦できます。また、4面に屋根があるのも日本では珍しく、雨に濡れることなく観戦いただけます。そして、いちばん重要なピッチの芝については、芝の管理者の要望を聞いていただき、良い状態を保つため日当たりや風通しに配慮した設計や工夫が施されています。さらに、日本サッカー協会やJリーグの要望も取り入れていますので、国際試合も招致できる運営環境にあります。
 先日のホーム初戦にもたくさんのサポーターにお起しいただき、1階席がすべて埋まるのを見て、信じられない思いとともに、長野もここまで来たのかと感激いたしました。今後さらにサッカーをする文化、見る文化、楽しむ文化等が入り交じり、いろいろな方がいろいろな立場で参加できるスタジアム環境になれば最高だと思います。

 

トップ、レディースともに昇格が目標

── トップチーム、レディース、ユースそれぞれの目標や取り組みについて教えてください。

堀江  トップチームはJ2昇格、レディースはなでしこリーグ1部昇格が目標です。育成に関しては、トップチームまで視野に入れた段階的な育成が課題です。
 トップチームはここ4年間で、JFL2位、2位、優勝、昨年J3で2位と、いつJ2に昇格してもおかしくない成績を収めています。昨年は入れ替え戦で敗れ昇格を逃しましたから、今年は必ずや優勝し、J2への自動昇格を果たします。そのための準備として、初めて1ヶ月間の合宿を大阪と九州で張り、昨年までの弱かった部分の補強に努めてきました。今年も優勝争いに絡むことは間違いないと思っていますし、他を寄せ付けない強さを見せて昇格したいです。
 レディースチームは、本田監督のもと1年ごとにステップアップし、昨年はチャレンジリーグ4位という成績を収め、現在なでしこリーグの2部に所属しています。今年の目標は、やはり1部昇格です。日本代表にも選ばれた横山選手を中心に、爆発的な得点力が魅力のチームですが、昨年はまだ詰めの甘さも見られました。3年目となる本田監督も今年は1部昇格を念頭に置いた強化に努め、1部リーグ経験者も加入するなど、2部優勝を狙える戦力が整ってきました。リーグ戦が始まるのが今から楽しみです。
 先のアルガルベカップでは、なでしこジャパンの一員として当クラブの横山久美選手が出場し、得点を挙げました。5月28日には、ワールドカップを前に壮行試合が南長野スタジアムで開催される予定です。彼女が選出され出場すれば、レディースチームの認知度も上がり、地元の方からの応援もより多くいただけるものと期待しています。
 ユースについては、市立長野高校との連携も始め、ジュニアユースは全国大会に出場できるレベルまで上がってきました。今後は、全国の舞台で勝てるチームづくりを進めていきます。新井光君が全日本の年代別代表に選出されたように、素質があって将来が楽しみな選手も出てきましたので、ジュニアユース、ユースともしっかりと育成をし、トップチームに選手を送り込んでいきます。やはり地元出身の選手がトップチームで活躍すると、サポーターの応援も地元も盛り上がりますから、今後も段階的な育成体制を整えていきます。

 

地域とクラブが互いにリスペクトする関係に

── 長野市民や地元企業へ向けてメッセージをいただけますか。

堀江  もとよりAC長野パルセイロは、市民の皆様、企業の皆様に支えられて成り立っています。サポーターやスポンサーと一緒になって、このチームを成長させていきたいと思います。まだまだ発展途上のクラブですから、皆様からご注文ご意見をお寄せいただきながら少しずつ成長し、地域に愛されるクラブを目指していきます。これからも変わらぬご支援をお願いします。
 市民や企業の皆様はじめ、この地域を我々がリスペクトし、我々も地域からリスペクトされる存在になることが理想です。一つひとつの試合やイベントを通して、互いの間に信頼関係が築かれ、協力・協調体制がつくっていけたらと考えます。
 まずはクラブを理解していただくためにも、皆様にスタジアムへ足を運んでいただくことがいちばんです。より多くの方に、新スタジアムの素晴らしい雰囲気を体験していただき、地元のチームを応援するという熱気を感じていただきたいです。その積み重ねが、「おらがまちのチーム」を応援する機運を高め、まちの熱気や活気も盛り上げ、ひいてはまちづくりにもつながっていくと期待しています。
 また、都市部のみならず地方でもコミュニケーションが薄れてきていると言われる昨今、サッカーの試合やスタジアムを、地域コミュニティの場として有効に利用していただけたらうれしく思います。サッカーやクラブの存在が、普段から市民の楽しみとなり、会話の種となり、地域を元気づけ、ひいては地域経済にも貢献できるとしたら、これに勝る喜びはありません。
 長野市は、先ほども申し上げました通り、スポーツへの理解や熱気をもったまちです。そのポテンシャルは、きっとサッカーにも広がるはずです。先にJ1へと昇格した松本山雅へ我々も早く追いつき、南長野スタジアムで信州ダービーを果たしたいですね。両チームとも熱心なサポーターに支えられ、きっと全国有数のゲームとなることでしょう。この願いが叶ったとき、地元の盛り上がりもより一層高まると期待します。

 

堀江 三定氏 堀江 三定さんの横顔
平日は本業、週末はサッカーの仕事という生活が長く続く。ここ数年、海外のスタジアムへ本場の環境を学びに行ったのが、素晴らしい経験だったと語る。


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