伝えよう、信州の食 達人が語る郷土食の魅力 あんず

東条あんず祭り実行委員長 Higashi-jo Anzu Apricot Festival Committee, Chairperson/小野益一さん(長野市松代町東条地区あんず農家)Masuichi Ono( Anzu apricot farmer, Higashi-jo zone, Matsushiro-machi, Nagano city)

松代藩から広がったあんず栽培

松代あんず狩り
収穫の最盛期を迎える7月(予定)に
おこなわれる「松代あんず狩りとあんず
加工体験」より、 あんず狩りの様子

 あんずが松代町にもたらされたのは江戸時代初期といわれています。一説では延宝元年に、三代目松代藩主・真田幸道のもとに15歳でお輿入れした伊予宇和島藩主・伊達宗利の娘・豊姫が持参したのが始まりだとか。当時「唐桃」と呼ばれ宇和島で栽培されていたあんずを領内に植え、遠く離れた郷里を偲んだといわれています。これがきっかけで各村にあんずの苗木が植え付けられ、松代にあんず栽培が広がっていきました。

松代でのあんず栽培の盛衰

 あんずの果実は酸味が強いため生食には向かず、杏干(あんずぼし)という加工食品として生産されたり、ぜんそくの咳止めの医薬品として杏仁が珍重されました。明治維新ころから養蚕が盛んになると、あんずの木はほとんど切られ、桑畑が広がるようになりました。実際に私の畑もかつては桑畑でした。しかし養蚕業が衰退するにつれ桑を育てる必要がなくなり、再びあんず栽培が見直されるようになったのです。その理由は、収穫時期が早いため果実を管理する時間が短い、生産量や価格が安定している、栽培農家が少ないため競争相手が少ないなどでした。
 

栽培に適した風土

 私の畑がある東条地区は標高500mほどの傾斜地にあります。この地区はあんずの生育に大敵とされる霜の被害が少ないことや、日当たりが良く降水量も少ないといった栽培に適した土地条件から、あんず農家が増えていきました。現在では加工食品用の品種だけでなく甘みが強い生食用品種も誕生し、私も7、8種類を栽培しています。
 

話題の新商品、新名所も誕生

あんずジャム
加工体験
加工体験では
あんずジャム、またはシロップを作る。
体験に関する問い合わせは
エコール・ド・まつしろ倶楽部
(電話:026-278-0550)へ
 より多くの人にあんずの美味しさを味わってもらうには、今までにないあんずを使った商品が必要だと考えて「あんずドレッシング」(220ml・420円)を考案しました。これには「新潟大実」という品種を使い、特有のさわやかな酸味とほど良い甘みが評判となっています。現在は松代町内の商店やサービスエリアで販売されています。平成21年からは4月上旬に「東条あんず祭り」を開催しています。6000本近くある花はピンクが濃く、北アルプスとのコントラストが見事だと楽しんでもらえてうれしい限りです。また平成10年に「松代の杏を広める会」を立ち上げ、松代地区に残る一番きれいな在来種を松代小学校に植樹するなど、古来からの品種の保存にも励んでいます。今後はこの東条をあんずの地としてもっと有名にすること。そしてあんずを使った商品の販売、生食用の販路拡大、農業体験として収穫や加工体験などを通じて農業に関心を持ってもらうきっかけを作っていきたいです。
 
松代特産「あんずドレッシング」

松代特産「あんずドレッシング」について

松代地区住民自治協議会
TEL:026-278-1885
 
東条あんず祭り

東条あんず祭りについて

東条あんず祭り実行委員会
TEL:026-278-2011(JAグリーン長野松代東支所)
 

Togakushi and Soba noodles have an inseparable historical bond. Togakushi, situated in Northwestern Nagano city, used to be very popular for those who worship the mountain and also a Mecca for Shu-gen-ja or buddhist priests who trained themselves by enduring ascetic practices by not eating any grain. Soba played a very significant role to support them nutritiously because it didn't need heat to cook. Just water and kneading would do.
What's so different between Togakushi soba noodle and others? Well, it's our specialty, called "Botchi-mori", to put soba noodles on a bamboo woven plate in bite-size chunks like a horseshoe shape. It's woven with a local bamboo called Ne-magarida-ke, which literally means a bamboo with twisted roots. Its fresh and elastic texture can only be made from the natural water of Togakushi.
It was the day after Mr. Yukiyoshi Yokokawa, the owner of "Ni-oh-mon-ya" Togakushi soba restaurant, was born in 1963 that a new motorway called the "Bird Line" was built between Nagano city and Togakushi. Then, a ski resort opened so that more and more tourists could visit Togakushi throughout the year. In the mid-60s, his mother and her friends opened "Ni-oh-mon-ya", but there were few soba restaurants.
Every autumn, Mr. Yokokawa plays an important role in the "Togakushi Soba Noodle Festival Committee" as the chairperson. He's anticipating loads of Togakushi soba lovers this year also. His challenge will be what moves he should make for visitors to enjoy eating soba as well as its tradition and history.

伝えよう、信州の食 インタビュー

 
ページの先頭に戻る