2021年6月号

View Point

加藤 久美子(かとう くみこ)

株式会社長野パルセイロ・アスレチッククラブ
取締役レディース本部長
ホテル国際21営業本部長

長野市生まれ。大学卒業後、株式会社アミューズに入社、数多くの俳優マネジメントを経験し、2015年株式会社本久に入社、同年長野青年会議所入会。2017年ホテル国際21に転籍、2019年第49回長野びんずる事務局長、2021年㈱長野パルセイロ・アスレチッククラブ取締役レディース本部長に就任。

女子サッカー・スポーツを通じて
 地域の人と人をつなぐ役目を果たし
  まちの活性化に貢献してまいります

 サポーターの皆様はじめ地域の皆様のご支援ご声援のおかげで、AC長野パルセイロ・レディースはWEリーグへの参入が決まりました。これを機に地域でのファン形成に一層努め、地域の人と人をつなぐ役割をパルセイロ・レディースが果たしながら、まちの活性化と、夢と生き方の多様性にあふれ一人ひとりが輝く社会の実現に貢献してまいります。

エンターテインメントは
まちのパワーになる

── AC長野パルセイロ・レディースのWEリーグ参入が決まり、加藤さんは今回取締役レディース本部長に就任されました。

加藤
 WEリーグ参入については、まずは日頃ご支援ご声援いただいているサポーターの皆様、株主・パートナーの皆様、選手を雇用いただいている企業の皆様、ホームタウン16市町村の地域の皆様方や関係団体の皆様に心より感謝申し上げます。
 WEリーグ参入をきっかけにAC長野パルセイロに関わることになった私は、最初はサッカーのことを何も知らないまま、現堀江相談役、町田社長とともに参入に向けた面談に臨みました。無事参入が決定した昨年10月15日には、プロリーグ準備室長としてお二方と一緒に記者会見をさせていただきました。この度も大役を仰せつかりとても光栄ですし、あらためて責任の重さを痛感しています。
 そもそも私は、2015年まで芸能事務所でマネジメントの仕事をしていました。長野に戻って5年目の昨年夏、堀江さんから「サッカーも芸能と同じエンターテインメントだから、一人でも多くのファンをつくり、リーグ目標の観客動員5千人以上を達成するため力を貸して欲しい」と、熱心にお誘いいただきました。あの日堀江さんのお話を伺いながら、すごくワクワクしたのを覚えています。次いで、これまでスポーツに関わったことのない私が、サッカー選手の活躍を後押しできること、自分の経験を活かして地域のために何かできるかもしれないことに夢が膨らみました。
 思い返せば、東京から長野に帰ってから長野青年会議所に入り、卒業の年には長野びんずるの事務局長を務めました。その折、お祭りというイベントに向けて、皆のエネルギーが一つになっていく過程そのものがまちの活性化になることを私は感じました。だから、堀江さんのお話を伺ううちに、サッカーというエンターテインメントもまちにとってお祭りと同じではないかと思ったんです
 人は日常を普通に暮らしていると、激しい感情を表に出す機会はなかなかありません。コロナ禍でいろんな楽しみが奪われている昨今は特にそうです。でも、そんなことが続くと人の心は病んでしまう。だからこそエンターテインメントはなくなってはならないのです。音楽のライブもサッカーのゲームも、生で体感することは人のパワーになり、まちのパワーにもなると思います。

多様性にあふれ、
一人ひとりが輝く社会を

── 9月にはいよいよ開幕するWEリーグに向け、どんな準備を進めていかれますか。

加藤
 何より地域の皆様に愛されるチームになるため、選手とチームをどう見せるかがテーマです。4月18日には、レディースチームの公式ツイッターとインスタグラムを立ち上げました。インスタグラムでは選手の笑顔を中心に、職場などサッカー以外の素顔も発信するなど、各々の人となりをみていただくことで、チームをより身近に感じていただくよう心掛けています。
 また、AC長野パルセイロはクラブとして人間形成を大切にしていますので、社会に出ても通用する人材の輩出を考えながら、選手の教育に関わっていきます。選手たちは幼少からサッカーに専念してきましたので、芸能人が芸能界のことしか知らないように、社会に疎いところが少なからずあります。現役時代はそれで良いとしても、彼女たちが次の人生を歩み始めたとき、一人の人間として一人の女性として尊敬してもらえるよう、このクラブにいる間に成長して欲しいと願っています。
 人との出会いで人生は大いに変わります。私はAC長野パルセイロの選手たちとこうして出会い、つながりを持てたことを新たな契機に、選手の成長と一緒に私自身も成長したいと思っています。これから、私が選手のことをどんどん好きになり、その輪がチーム内に、さらにチームの外にも広がって、地域の皆様にも伝播したら嬉しいです。
 対外的な活動としては、AC長野パルセイロを代表してWEリーグのリモート会議に出席し、リーグ理念の「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」を実現すべく何ができるか話し合っています。例えば、今回参入したのが11チームですので、1節に必ず試合のないチームが1つあり、そのチームが理念を推進するイベントを何か実施することになっているのですが、そのアイデアを各チーム代表で出し合っています。
 私たちが目指す社会の実現には、何より今を生きる子どもたちに、多様性の意義、個性が輝くことの尊さに触れてもらう機会をつくることが大切になると考えます。AC長野パルセイロでは今後、行政等各方面にもご協力いただきながら、試合内外でチームと地域の子どもたちが様々な形で交流する場をつくっていきたいと思います。

スタジアムで選手の長野愛を
感じてください

── 読者へメッセージをいただけますか。

加藤
 AC長野パルセイロの強みは、地域の皆様がトップチームもレディースも等しく応援してくださるところにあります。また、選手のAC長野パルセイロ愛=長野愛が強く、長野出身者でなくても「長野のために勝ちたい」と言ってくれるのも、地域との絆という点で私たちの強みです。彼女たちが長野を背負って戦っている姿は、きっと長野の子どもたちの憧れになると思います。選手の活躍に刺激され、サッカーに興味を持ったり、スポーツの素晴らしさを知ったり、あるいは長野という地域に関心を持ってくれたらと願っています。
 長野Uスタジアムの存在も大きな魅力です。選手とサポーターの距離が近く、皆さん我が子のように選手の写真を撮ってくださいます。こんなに素晴らしいスタジアムを長野市が作ってくださったご恩をこれから少しずつお返しして、また他のホームタウンの皆様との交流も一層深めながら、まちの活性化に貢献していきます。
 地域の皆様には、これからもぜひスタジアムへ足を運んでいただきたいです。試合を観戦するだけでなく、スタジアムに行けば何か楽しいことがあるからと、家族揃って来ていただけるよう、美味しくて可愛いらしいスイーツをご用意するなど、色々な工夫を今から考えています。スタジアムに行くことが家族の趣味になり、生活のサイクルに試合が張り合いとなり、家族同士、仲間同士で会話も弾み、さらに交流が拡がっていく。AC長野パルセイロがそんなふうに、地域の人と人をつなげられたら素敵です。
 長野商工会議所の会員の皆様にお願いがあります。長野のまちを、オレンジのAC長野パルセイロ色に染めたいと思っています。ぜひ皆様の会社にポスターを貼っていただき、何よりスタジアムに来ていただいて、AC長野パルセイロを好きになってください。

 

 

加藤 久美子さんの横顔
平日は本業、週末は夏はゴルフ、冬はスキーの生活から、週末はサッカーという新しい人生のスタイルができたことが嬉しい。前髪を伸ばして大人の女性を演出中だが、家族に不評。


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