2021年3月号

View Point

百瀬 衛(ももせ まもる)

公益社団法人長野青年会議所2021年度理事長
有限会社アール・イー・コーポレーション代表取締役

1981年5月8日生まれ。平成16年 ㈲アール・イー・コーポレーション入社、平成30年代表取締役就任。平成24年長野青年会議所入会、平成27年地域力育成委員会委員長、平成28年副理事長、令和3年理事長就任。

現代の責任世代であり、未来を生きる若者が
 より良き未来とより良き地域づくりのため
  自ら考え、自ら行動を起こすべきとき

 長野青年会議所の2021年度スローガンは、「挑越 能動者よ、今ふたたび未来への起点となれ」です。少子高齢化など諸課題が山積し、さらにコロナ禍で社会が混迷するなか、この地域のより良い未来を築くには、現代の責任世代であり、その未来を生きる若者が、確固たる意志を持って未来を一つひとつ作っていくべきです。今年度の長野青年会議所は、その行動の起点となります。

未来への意志を持ち
社会課題に挑み越えていく

── 長野青年会議所(以下長野JC)の今年度のスローガンと、理事長に就任されての抱負をお聞かせください。

百瀬
 今年度スローガンは「挑越」という2文字をメインに、「能動者よ、今ふたたび未来への起点となれ」というサブスローガンをつけました。
 「超越」はあえて「挑越」です。少子高齢化など課題が山積するなか、昨年から続くコロナ禍で世の中はさらに困難な状況になり、未来へ希望を見出しにくい時代になっています。我々青年は社会が抱える問題に果敢に挑戦して、越えていこう、そんな気概をこの2文字に込めました。
 青年会議所には、常に先の時代を見据えこの地域をつくってきた諸先輩方の歴史があります。特に長野市においては、かつて長野JCで活動し、現在は長野商工会議所でより深く広く地域に関わる先輩が数多くいらっしゃいます。その足跡には未来志向でまちを良くしていくという強い意志がありました。我々も現代の責任世代として、また未来を生きる者として、未来への確固たる意志を持ち、この長野市の課題解決のため、自ら行動の起点となります。サブスローガンにはその覚悟を込めました。
 私は2012年に長野JCに入会して、まさか自分が理事長を務めることになるとは思ってもみませんでした。青年会議所での最終年である40歳での理事長として、私自身が一番強い意志を持って、この長野JCという団体を牽引していく所存です。誰よりも先頭に立って、すべてにおいて最善を尽くしたいと思っています。

 

コロナ禍を、長野を活性化し
売り込むチャンスに

── 長野JCでは今年度はどんな事業を計画されていますか。

百瀬
 まず今なお続くコロナ禍において、計画した事業をいかに実施していくかという課題があります。新型コロナウイルスについてある程度解明されてきた今、この脅威への距離の取り方に価値観の違いが表れています。長野JCにおいても、イベントは引き続き自粛すべきという意見もあれば、やるべきだという意見もあります。私としては、リスクをとっても実施する価値のある事業を創り上げたうえで、感染警戒レベルに応じた対応を常に考え、安全・安心な環境整備に万全を尽くしながら、一つひとつ丁寧にやっていきたいと思っています。
 個々の事業について説明します。今年、長野市は政治イヤーです。市長選、羽田参議院議員の逝去に伴う補選、そして衆議院議員選挙もあるでしょう。こうした選挙で1票を投じる権利を行使することで、自分の未来に、そして自分が暮らす地域づくりに積極的に関わろうとする若者を、長野JCはこの地域の中で増やします。例えば、今後有権者になる中高生を対象に、長野市の未来を自ら描くマニフェストコンテストを実施します。そして各種選挙において公開討論会を行い、候補者が揚げる政策を広く周知し有権者の選挙への関心を高めることを考えています。
 地域経済の活性化も大きなテーマです。コロナ禍の影響でコンパクトな経済に注目が集まるなか、足元の資源を改めて発掘します。例えば、地域の観光、食べ物、文化等にもう一度スポットを当て、集約して、イベント等で発信しながら、地産地消による地域内の経済循環を促します。
 コロナ禍はまた、地方への回帰を促しました。まさに今が、長野市の売り時です。長野市は身近に大自然が広がり、かつ都市型の生活もできるハイブリッドな環境にあり、都市部からのアクセスにおいても他地域に比べ圧倒的に有利です。首都圏から企業を誘致し、また移住者を迎え入れる好機ではないでしょうか。YouTubeなどSNSを有効に活用しながら、長野市の魅力を発信していきます。一方、犀川にビーチやバーベキューサイトをつくるなど、子育て世代が週末に遊べる場所づくりを提案していくことも考えています。

 

会員拡大をはかり、
よりインパクトのある事業を

── 長野にとってコロナ禍はチャンスにもなり得るということですね。

百瀬
 はい。一方、コロナをきっかけに様々な差別や中傷が起きていることも事実です。世界とまちの共栄室では、LGBTQの方々も暮らしやすいまちづくりのため、2月に性的マイノリティの方々を招いて交流会を実施し、皆さんが何にお困りなのか把握したうえで、共生のあり方等について行政へ提言を行います。
 また青少年育成では、コロナ禍で休校が続くなど、成長期に重要な体験ができなかった子どもたちに、自己肯定感を高め自信をつける機会を提供します。そのプログラムの中には、ニューノーマルを生き抜くために欠かせないITスキルの体験も含めました。
 お祭りに関してですが、今年も長野商工会議所との連携を通じて、まずは2つの祭りをしっかり成功させ、長野市にとっての「ハレの日」をお届けします。まず灯明まつりは、人が密集しない方策を取りながら、ライトアップの設置等をやっていきます。長野びんずるは4月の総会で実施の可否を判断いたしますが、それまでに安全・安心な開催方法について十分検討して、長野でいちばん熱く楽しい一日を入念に準備します。
 会員拡大は、青年会議所運動の一丁目一番地です。地域づくりでは、人数が多ければ多いほどよりインパクトのある事業を実施できます。また、未来に向かって能動的な意志を持ち他者に影響を与える人材を今後も長野市で輩出するうえでも、1人でも多くの会員を招き入れ、共に切磋琢磨していくことが重要です。今年度から入会いただくタイミングを前・後期の2回に増やしました。JCに入れば、多様なメンバーに触れることでいろんな知見に触れられ、必ずや自分の考えや行動をアップデートできます。それはきっと自身の仕事にもフィードバックできる財産となるでしょう。より多くの仲間を迎えられるよう、本年度は広報活動でも、若者がより共感を生む形のタイムリーな情報発信に心掛けます。
 最後に、若い皆さんへメッセージがあります。この先は、今までに増して大変な時代が待ち受けることでしょう。かといって、ただ悲観しても仕方ありません。自分たちの未来は自分たちでつくるという意志を持ち、毎日の生活にも、仕事にも関わっていくべきです。他力本願でもだめ、うまくいかない状況を他人のせいにする暇もありません。一人ひとりが自分の未来を、一つひとつ意志を持ってつくっていく、その過程でより建設的な競争が生まれ、結果として社会が健全でより良きものになっていく、その当事者はあなたです。皆さん、自分たちの未来は自分たちで考え、自分たちで行動を起こしましょう。そう強くお伝えしたいです。併せて、若者を見守るお立場の年代の方々には、未来を背負う気概を持った若者の声にも耳を傾けていただくようお願い申し上げます(笑)。

 

百瀬 衛さんの横顔
趣味はゴルフ、食べ歩き、そして料理。料理は手早くできるという理由から、特に中華やパスタが得意だとか。


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