CCI

   2012年 2月号 No.763

世界を知って培った経験を
長野でさらに育んでいけたら


内田 まゆみさん
シンクロナイズドスイミング
日本代表チームコーチ






 今年7月に開催されるロンドンオリンピックへの出場に向け、シンクロ競技全日本チームのコーチを務める内田まゆみさんは、実は当商工会議所の職員。仕事をしながら、終業後や休日のほとんどを費やして取り組んできたコーチの実力が高く評価され、今では全日本チームを支える要となって選手の指導にあたっています。

選手として活躍した
ふるさとでコーチに

 世界を舞台に活躍するアスリートたちを、大勢の人々が影になり日なたになり支えているのを忘れることはできません。内田まゆみさんもそのひとり。水泳種目のひとつであるシンクロナイズドスイミング競技の全日本代表チームのコーチとして、現在、東京に在住し、今年7月のロンドン五輪への出場をめざし、予選突破への準備に余念がありません。
 内田さんは20年近くにわたり当商工会議所の職員を務めるかたわら、自分が高校まで選手として育ち、活躍した長野シンクロクラブでコーチを務めてきました。学生時代に身につけた技術や最先端の指導ノウハウを、ふるさとの後輩たちに伝え、成長に役立てたいとの思いから、地元で指導者となる道を選んだのです。

急に近くなった「世界」


▲全日本チームの選手・コーチが誕生したことで、長野のクラブの活動も一段と盛り上がりを見せている。この日はコーチの訪問にみんな大感激

 オリンピック種目の中でも比較的新しいシンクロは、ルールや評価の方法などにおいて変化・進化が著しい競技種目。その草創時代から世界のトップクラスを維持してきた日本では、優れた選手や指導者を全国から発掘し、より強いチームを育てる活動を積極的に進めています。
 そうした中、内田さんは2000年代前半から全国選抜のコーチのひとりとして、長野で育ててきた選手とともに強化合宿や海外遠征に臨んできました。長野シンクロクラブの箱山愛香選手・横山愛実選手がジュニアナショナルチームの10名に選ばれるのと同時に内田さんもナショナルコーチとなり、国際的な活動がメインとなっていきます。
 「全国から集まってくる優秀な選手やコーチたちと力を合わせ、国際大会でトップをめざす……それは、とても刺激的で、やりがいのあることでした。その一方で、指導法や選手への接し方の違いに戸惑いや迷いを感じることも多かったですね。選手たちが国際大会を経験して、自らの器を大きくしていくように、私自身も、喜びや苦しみの経験一つひとつを糧にして、成長させてもらった気がします」



ロンドン五輪をめざして


▲帰省の合間に顔を出した長野シンクロクラブで、チームの皆さんと一緒に見慣れた山を見て、身近な季節感を感じるのが、何よりの気分転換と語る
 ロンドン五輪のシンクロ競技に出場できるのは、「デュエット」24、「チーム」8の国です。特に5大陸の代表がすでに決まっている「チーム」では、残る3枠の争奪に世界の強豪がしのぎを削っています。五輪出場枠を決定する4月の最終予選に向け、全日本チームを支えるひとりとして、内田さんも大きな役割を担っているのです。
 「結果を残さなくてはいけないというプレッシャーの大きさは、言葉にはできないほど。けれど、やるしかありません。
 一人ひとりの選手が自分の力を最大限に発揮できるように、そして、優美でインパクトのある演技で日本が世界を魅了できるように、今はひたすら集中し、コーチとして全力を尽くすのみです」
 この経験も、やがて再び長野の選手たちの成長に生かしていけたらと、笑顔を見せる内田さん。静かな語り口にも、シンクロへの熱い思いがほとばしります。


事業所名:
長野商工会議所職員
財団法人日本水泳連盟・シンクロ委員
所在地:長野市七瀬中町276
TEL 026-227-2428

小学校4年生から長野シンクロクラブに所属し、高校まで長野を代表する選手として活躍。東京での学生生活を経て帰省後、長野商工会議所に勤務しながら長野のシンクロクラブでコーチ。指導選手のジュニアナショナルチーム入りをきっかけに、同チームコーチを経て全日本チームのコーチに就任。




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