CCI

   2012年1月号 No.762




加藤 久雄
長野県商工会議所連合会会長
(株)本久ホールディングス代表取締役会長

昭和17年長野市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部卒業。昭和42年株式会社本久に入社、60年5月同社代表取締役社長に就任。平成21年6月に株式会社本久ホールディングスを設立し同社代表取締役会長に就任、現在に至る。長野商工会議所会頭就任は2期目。
  

  


観光都市・長野は、市民みんなの
「おもてなし」で勝つ!
2012年は、長野の価値を高める一年に


 長野市は、2015年の善光寺御開帳や、長野新幹線の金沢への延伸を控え、今後総合的なまちづくりを考えて、ハード面の整備と相まって市民あげて「おもてなしの向上」に取り組むことが重要です。2012年の今年、長野商工会議所は長野市発展のために自らが起爆剤となり、行政と市民が一体となった観光都市・長野の価値を高めていきたいと思います。

長野の魅力を高める
「核」を形成していく


― えびす講煙火大会は今年、過去最大の39万人を集客し大盛況でした。

加藤 本当に、厳しい経済状況が続く中でしたが、たくさんの企業の皆様から多大なご寄付を頂き、また個人協賛についても388件も頂きました。お陰様で、過去最高の打ち上げを行うことができました。と申しますのも、長野市の皆様が“何を置いても「えびす講煙火大会」だけは、ケチらないで景気よく花火を打ち上げたい”と言う様に、ドカンドカンと景気よく上がる花火の打ち上げと、長野市の経済の上昇とを、軌を一つとして考えている長野市民の心意気を感じました。
 加えて日本が誇る長野県の煙火師「信州煙火工業」と「紅屋青木煙火店」とが、お互いが持てる技術の限りを尽くしてあげる花火の競演が、澄んだ秋の夜空に一段と映え、見る人を感動させていると思うのです。お陰様で、夏の諏訪湖の花火大会と並んで、「日本でもいちばん美しい晩秋の花火」として日本を代表する花火大会となって来ました。とりわけ大震災のあった昨年は、
長野から全国へ「元気」を発信することができました。また今回は、今までのINCの中継放送に加え、SBCによるテレビ中継もありましたが、お茶の間でテレビを初めて見られた方から、“来年は本物を見に、必ず現地に行きたい”と言うお話が数多く寄せられ大変好評でした。今後は全国放送も視野に入れるなど、県外に向けたPRも積極的に進めていきます。
 私は、この「長野えびす講煙火大会」を、上山田から湯田中まで花火の見物客で一杯にする長野の一大観光イベントに育てていきたいと考えています。それには、現在長野商工会議所と長野商店会連合会が主体となって開催していますが、いずれ長野市や商工会にも主催者として加わって頂き、全市的な組織を作る必要があります。
 この「長野えびす講煙火大会」そして「長野びんずる祭り」や冬の「ながの灯明まつり」もまた、
長野の魅力を高めていく「核」として、長野のまちの発展のために重要です。また、弥栄神社のご祭礼ですが、今は善光寺御開帳の折しか見られませんが、かつては、京都や高山と並ぶ三大祇園祭と称された全市的な行事でした。今後、市民、行政、実行委員会が気持ちを一つにして、復活の機運を醸成していけば、必ずこうした「核」に育つと思います。

会議所の提言活動を
長野発展の起爆剤に


― ところで、次回の善光寺御開帳は、長野新幹線が金沢まで延伸する平成27年ですね。

加藤 
はい。そこへ向けて、まちづくりも含めた長野の観光振興を総合的に進めていく必要があります。今お話しした弥栄神社の屋台巡行の毎年開催もその一つです。
 善光寺御開帳に関しては、今からどんな形のものにするか、今後、善光寺さんとご相談してまいりますが、前回の経験やノウハウを生かしながら、人が変わっても立派に運営できますよう、準備を進めていきたいと思います。前回は広報連絡協議会を設けて、善光寺、商工会議所、長野市、長野県など各組織間の情報の共有ができました。また、松本商工会議所や松本市と連携できたことも大きな価値です。次回も、
より広域的な連携を進め、善光寺御開帳が県全体の観光振興となるよう、準備を進めていきたいものです。
 新幹線延伸対策としては、長野商工会議所「長野新幹線延伸対策特別委員会」が中心となって、今日まで予想される様々な課題を8つの委員会で分担して対応を協議して来ました。たとえば、長野駅や駅前周辺整備、二次交通拡充、観光客への情報提供、まちなか標識整備、トイレ・喫煙所設置などがありますが、これら各委員会の活動をまちづくりのチャンスに繋げたいと思います。昨年は金沢視察を実施して、金沢商工会議所との懇談会も開催することができました。金沢と長野、それぞれお互いの「良さ」を認め、連携して上越新幹線や、東北新幹線など他の新幹線地域に対抗できるような連携を築いていく必要があると考えています。
 また、車で来られたお客様に参道を歩いて善光寺に詣でて頂けるよう駐車場を整備する、セントラルスクゥエアの活用方法の検討、長野駅東口の整備など、課題が数多くあります。こうした課題について、
商工会議所では部会活動等を一層活発化させ、議論から生まれた意見を会議所として集約し、行政などへ今まで以上に積極的な提言、要望活動を行います。また、これを起爆剤とした波が長野市発展の大きなうねりとなることを期待しています。

昇り龍のごとく
上昇する一年であれ


― ハード面の整備のほかに、今の長野市の地域振興にはどんな課題がありますか。

加藤 やはり「おもてなし」でしょう。「善光寺商法」と揶揄されているように、長野観光の弱点は、お客様の「おもてなし」にあります。これはまさに100年の課題でもあります。もちろん、これは観光に携わる方々だけの問題としてではなく、長野市民、皆でこの「おもてなし」を意識すべきです。長野はこのままでは「通過駅になってしまう」と言う危機感をチャンスとするよう、市民一人ひとりが「おもてなし」の気持ちを持ちたいですね。まずはきっかけとして、市民同士のあいさつ運動も重要であります。
 さて、昨年は日本列島がまさに大揺れした一年でした。世界経済も欧州債務危機等を要因に沈滞しています。タイでは洪水もあり、多くの日本企業が影響を受けました。輸出産業にとっては、円高も不安要素です。
 その中で、上越に建設中の中部電力の火力発電所が今年、7月から一部運転が始まることは、良いニュースと思います。今後長野県への電力供給は安定してきますので、企業誘致でも優位に立てると思います。さらに、産学官の連携事業「UFO」でも、地場産業の活性化に向け具体的な取り組みも緒に就いてきました。
 
人口減や内需の減少など、経済のマイナス要因ばかりを見て、うな垂れるのではなくて、アイデア次第で生き残る道はいくらでもあると考えるべきです。それは観光や工業ばかりでなく、農業についても同様です。工業のノウハウを農業に生かしたり、観光や教育と農業をリンクさせたり、中山間地における新たな農業の形を、私たちはきっと探っていけるはずです。
 来年は辰年です。
昇り龍の勢いで“グーン”と上を向いて駆け抜ける一年でありたいものです。一人ひとりがそうした気概を持つことで、きっと日本全体を上向きにする大きな力になると信じております。


加藤会頭の横顔
日本商工会議所の総合政策委員、国民生活委員会などを通じ、地域の声を中央の経済団体に届けることにも熱心に取り組んでいます。

  




[会議所だよりトップに戻る] [長野商工会議所トップに戻る]

ご意見・ご感想を下記へお送り下さい
長野商工会議所  〒380-0904 長野県長野市七瀬中町276
電 話:026-227-2428/FAX:026-227-2758
E-mail:ncci@nagano-cci. or.jp

copyright