| |
2011年5月号 No.754 |
|
誇りをもって暮らせるふるさと
また訪ねてみたいと思うまちづくりへ
2011篠ノ井イヤーは大きなチャンスです。
長野市篠ノ井の観光誘客キャンペーン「2011篠ノ井イヤー」が4月から始まっています。これまで観光PRが弱いと思われていた地域ですが、地域住民が主体となり、足元に眠る観光資源を掘り起こし、磨き上げ、全国に発信して、交流の輪を広げています。私たちはキャンペーンを契機に、地域に暮らす人にとっても、観光で訪れる人にとっても、魅力あるまちづくりを継続的に進めていきたいものです。
隠れた魅力を発信し、
交流人口の増大を
― この4月から2011篠ノ井イヤーが始まりました。本キャンペーンのコンセプトと概要についてお話しいただけますか。
渡邉 篠ノ井は古くから交通の要衝で、宿場町としても栄え、明治21年の篠ノ井駅開業により一層発展した地域です。平成10(1998)年の長野オリンピック冬季競技大会では、開閉会式場となったオリンピックスタジアムに世界各国の人々を迎え、交流が広がりました。こうした経緯を踏まえ、コンセプトは「信州しののい 人・モノ・交流文化のまち」としました。篠ノ井の潜在的な魅力を掘り起こし、磨き上げ、全国に発信することで、交流人口の増大を目指します。
篠ノ井はもともと観光地ではないので、2011篠ノ井イヤーと聞いてもピンとこない方も多いでしょう。住宅地のイメージが強く、商店街も元気があるとは言えません。茶臼山には動物園、植物園、恐竜公園が、また南長野運動公園といった大型施設はあるものの、その間に目ぼしい観光資源が見当たらないように思われます。そこで実行委員会では、住民の皆さんにアンケート調査をし、地域にどんな資源があるのか掘り起こすことから始めました。
そして先のコンセプトのもと、歴史・文化、花とみどり、スポーツ・健康、まつり、食などの分野で、主催事業・協賛事業あわせて60事業を計画しました。たとえば歴史・文化については、篠ノ井に疎開し、戦後も住み続けた稀代の天才書家・川村驥山を核に、個人のお宅に残る作品なども一堂に集めた大驥山展、あるいはハガキ展、書道パフォーマンスなどを通じ、「書のまち篠ノ井」を全国に発信します。また、篠ノ井が全国に誇る高名な工芸家である、組子細工の横田栄一さん、竹細工の小出九六生(つむお)さんの作品の展示会、両氏の実演指導による作品作りで職人技の体験を企画しています。
スポーツについては、AC長野パルセイロのJFL入りで盛り上がるサッカーで交流を深めようと、少年サッカー大会篠ノ井CUPを実施します。
祭りでは、長野市指定無形民俗文化財「篠ノ井大獅子」のほか長野市近郊の獅子による競演や、各地区に代々受け継がれる神楽の競演など、これまで別々に催していたものをまとめて、より多くの方に見ていただくことで、地域の伝統文化の活性化を図ります。
すでに春のイベントは順調にスタートしています。実行委員会では、長野市と(財)ながの観光コンベンションビューロー等にご協力いただきながら、市内外に向け積極的にPRし、一年を通じてたくさんの方に篠ノ井へお越しいただきたいと考えています。
篠ノ井の継続的な活性化の
契機に
― 実行委員会会長として、この2011篠ノ井イヤーにどんな思いをお持ちですか。
渡邉 ようやく実施に漕ぎつけることができたというのが実感です。実行委員会が立ち上がったのが昨年の12月9日でした。それまでの準備は、住民自治協議会、商工会議所、青年会議所、商店会連合会など言わば素人集団によるもので、まったくの手探り状態でした。今、こうして住民の皆さんの2011篠ノ井イヤーに対する機運も高まっていることを大変うれしく思います。そしてこの2011篠ノ井イヤーが、何を置いても篠ノ井地区に暮らす人たちの心の交流を図り、皆さんにやる気を起こしていただく起爆剤になればと願っています。
篠ノ井地区は、中央、塩崎、共和、川柳、東福寺、西寺尾、信里という7つの地域からなり、信里なら里山の景観、共和はりんごの里、東福寺や西寺尾はももの産地などといった具合に、地域ごとに素晴らしい特徴があります。2011篠ノ井イヤーでは、それぞれの地域が力を出しつつ、しかも篠ノ井地区全体としての一体感を醸成することが課題です。
したがって、たとえばウォーキングイベントでは、史跡を見て歴史を学ぶことができる地区と、季節の花を楽しむことができる地区をひとつのコースに取り入れることで、篠ノ井の魅力を広くアピールします。そして、各地域の案内についてはボランティアガイドを養成し、自分が暮らす地域を自分たち自身が知り、観光客の皆さんに胸を張って紹介いただくよう工夫をしています。
また実行委員会では、こうした取り組みを継続性のある事業として育てられたらと考えています。先ほど私は起爆剤と申し上げましたが、篠ノ井イヤーを契機に、地域を持続的に発展させていくことが、実行委員会・長野市に共通する狙いです。今回実施する事業の中には、まったく新しいものもあれば、既存事業を見直し、より魅力的なものとしてつくり上げたものもあります。このキャンペーンを一年を通して実施することで、きっと新たな課題が見えてくるはずです。それをなおざりにせず、自分たちでできる範囲で改善を重ねながら、篠ノ井のまちづくり、地域活性化につなげていきたいものです。
今回、篠ノ井にある75の区で、各々最低ひとつずつ隠れた地域資源を世に出そうと取り組んできました。こうした運動は必ず主体性のある地域づくりに発展すると信じます。
一年を通じて
篠ノ井へお越しください
― 具体的にイベントを挙げていただきながら、読者の皆さんに向けてPRをお願いします。
渡邉 すでに茶臼山動物園では、「2011春の動物園祭り」「動物園写生大会」が実施されました。篠ノ井の史跡と花を一度に満喫する「合戦場めぐりと桃・桜花見コース」にもたくさんの人に参加いただきました。
5月には「茶臼山フェスティバル〜恐竜だよ全員集合。」「『信濃の国』in篠ノ井イヤー・復活!!篠ノ井音頭」「篠ノ井CUPゲートボール大会」「わんぱく相撲長野場所」、6月に入っても「篠ノ井出身音楽家と市民によるクラシックコンサート」などを予定しています。それ以降のイベントについても、2011篠ノ井イヤーの公式ホームページ等で随時お知らせしていきます。皆さん楽しみにしてください。
また、通年イベントといたしましては、篠ノ井駅を花と緑で彩る「ウェルカムガーデン篠ノ井」や、信里地区で農業体験をしていただく「滞在型都市農村交流事業」、驥山館における「川村驥山常設展示」を実施するほか、ご飯と小麦粉を使った素朴な郷土食「こねつけ」もこの機会に販売しています。「滞在型都市農村交流事業」は、県外の方からたいへん人気を集めており、信里地区だけでなく信更地区にも受入れが広がっています。
とにかく、せっかくのイベントですから、お客様に「篠ノ井に来てよかった、楽しかった」と感じていただき、リピーターになっていただく機会にしたいですね。そして、これまで何もないと思っていた地区に、これほどたくさんの地域資源があったのですから、私たち篠ノ井地区に暮らす者は、今後も良いものを育て守りながら、ふるさとに誇りをもって生きていきたいものです。
|
|