CCI

   2011年 1月号 No.750

仕上げの美しさで勝負!
手早く確かな“職人仕事”をめざして


柏原 貴徳さん
炭平コーポレーション株式会社 タイル張り職人






 2010年秋、神奈川県横浜市で開催された「第48回技能五輪・第32回アビリンピック全国大会」では、2012年大会の地元開催を控える長野県勢が大健闘を果たしました。柏原貴徳さんは「タイル張り」部門で銀メダルを獲得。快挙に舞い上がることなく、淡々と日々の仕事を進める姿に、若き職人の意気がさわやかに漂います。

長野県初
「銀メダル」の快挙


▲技能五輪全国大会では、いろいろな人と交流できて「楽しかった」と語る柏原さん。メダル獲得は、後に続く若手や他の部門の人々にも、よい刺激となったようです。

 建物の外観に美しさや格調を添え、内装には繊細な美しさを付加するタイル。防水性や堅牢さといった機能に加え、建築空間に独特の質感をプラスするハイグレードな建築材料だけに、仕上がりに対する施主のこだわりも高く、完成度の高い施工ができる腕のいい職人は、業界でも貴重な存在です。
 そんななか、2010年の秋に開催された「技能五輪」全国大会に、タイル職人として長野県から初めて送り出されたのが柏原貴徳さんです。
 2日にわたる大会では、「墨出し」、「タイル加工」、「タイル張り」、「化粧目地仕上げ」など日常の仕事でも欠かせないタイル張りの基本的な技術を、全国からエントリーした7人の職人が競い合いました。
 「初日に加工でしくじり、やり直しをしたときは焦ったけれど、なんとかマイペースで仕上げることができました」という柏原さんが獲得したのは、銀メダル。会社も関係者も大喝采の快挙でした。
 「でも、もっと腕のいい人がいた。自分の普段の仕事に、慣れが出てきちゃったってことかな」と、淡々と結果を振り返ります。



技術が評価される世界は
おもしろい



▲技能五輪での競技風景。建物の壁や床に見立てたブースを設計通りに仕上げていきます。

 柏原さんがタイル職人となって、4年。この道30年を超える先輩職人である父の、熟練の技を間近に見ながら、日々の仕事を通して自分の腕を磨いています。
 「社会人になって1年仕事をしたところで、愛知県のINAX建築技術専門学校に入学しました。半年間だけですが、タイルの専門家をめざしてみっちり修業する学校です」。
 学校で毎月実施されるのが、実技のテスト。そこで上位に入ったことが、柏原さんのやる気に火をつけました。身につけた技術を発揮して、誰よりも美しく仕上げることがどんどんおもしろくなり、技にますます磨きをかけるようになったのです。
 卒業し、父と現場に出るようになった柏原さんの目には、父の仕事の質の高さ、経験による熟練の確かさが、改めてはっきりと見えるようになったようです。



職人として
目標を持って次に挑む

 職人の腕は、仕上げに現れます。完成した床や壁面を少し離れて見たとき、目地の線がまっすぐ通っているのが、いい仕上げ。緻密で、ていねいな施工はもちろんですが、それを手早く、正確にするのが、本物の職人技です。「これからはスピードにも、もっとこだわりたい」と、さらなる鍛錬に意欲を見せます。
 2012年、技能五輪の全国大会は長野県内を会場に行われます。その年に、年齢制限ギリギリの23歳となる柏原さん。金メダル獲得を自らの胸に誓い、一つひとつの現場を確実に仕上げることに力を注いでいます。




企業名:炭平コーポレーション株式会社
セメント、コンクリートをはじめとする建設資材全般を取り扱う商社であると同時に、専門の職人による建築工事を幅広く請負っている。
設立:昭和23(1948)年
所在地:
本社:長野市北長池1667 TEL 026-243-6111(代)
長野・小諸・松本・飯田・東京(文京区)・柏崎に支店

千曲市出身。熟練タイル職人である父とともに炭平コーポレーションの施工スタッフとして建物の内外装のタイル工事を手がける。各地の現場に出向き、磁器、陶器のタイルをはじめ、石、レンガブロックなど、幅広いタイル工事を担当。2010年10月に開催された「技能オリンピック全国大会」タイル張りの部門に初出場し、みごと銀賞に輝いた。




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