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2010年 7月号 No.744 |
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今という一瞬一瞬を全力で
味、食材への興味は尽きません
小笠原 理香さん
日本料理 ゆ庵 料理人
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当会議所が中心となって開発した長野の味の名物「ながの御穀膳」。そのアドバイザーでもある料理人・湯本忠仁さんの下で、日本料理に取り組んで十余年。小笠原理香さんの目標は常に、今という瞬間にベストを尽くすこと。師である「おやっさん」の技と心を吸収しながら、味わう人に笑顔になってもらえる料理を追求し続けています。
人としての「当たり前」を
身体で覚える職人の世界

▲平成17年、全国コンクールで農林水産大臣賞(日本型食膳部門)を受賞した「信州野菜食膳」。
父は建築関係の職人、母は料理が大好き。そんなご両親に育てられた小笠原理香さんが、自らの職業として選んだのは、日本料理の職人でした。厳しい修業が待つ料理人の道へ娘が進むことに、ご両親も理解を示してくれたといいます。師匠・湯本忠仁さんに師事することになったのも、父親の長年の知り合いという縁から。仕事への真剣さが生半可ではない一流日本旅館の厨房で、料理はもちろん働く姿勢をしっかりと身につけることから、小笠原さんの職人人生は始まりました。
日本料理の世界で、女性の料理人は全国的にも希少です。いわゆる“男社会”での修業に戸惑いはなかったのでしょうか。
「何しろスタートがまったくゼロの状態からだったので、女だからとか男社会とかを意識する余裕もなく、ただただ仕事に打ち込む毎日でした。それが純粋に仕事の基本が身につく結果につながったのかもしれません。よくいわれる“厳しさ”も、振り返ってみると、人としてごく当たり前の礼儀やマナーを身につけるということなので、決して特別なことではなかったと思います」。
「おやっさん」の教えを
腕と心に刻みながら

▲師匠の湯本さんと、「ゆ庵」の前で。
訪れるお客様一人ひとりのために、心を込めて料理を作る…そんな思いで師匠が開いた店「ゆ庵」の厨房が、現在の小笠原さんの職場。尊敬と親しみを込めて「おやっさん」と呼ぶ師匠から、素材を大切に扱う心、その本来の風味を最大限に生かす発想や技術、またお客様の好みや健康状態へのちょっとした配慮、さらには地域の味文化向上に貢献する姿勢など、すべてを「教え」として吸収し続けています。
「しかも、おやっさんを師と仰いで料理を勉強してきた先輩方が各地で活躍していらっしゃる。そうした方々からの励ましも刺激になり、いつも初心に戻って素直に料理に向かうことができるんです」。
小笠原さんが女性の日本料理人として全国的な脚光を浴びるようになったのは5年前。それまでも地域や県の料理コンクールで受賞を重ねていましたが、全国コンクールで最高賞の農林水産大臣賞に輝き、一躍、注目される存在となりました。受賞の驚き、感激は大きかったそうですが、それよりも何よりも、自分で考え、つくり上げた精進料理が評価されるたことで、これまでずっと指導してくれた師匠に最高の形で恩返しできたことが一番うれしかったと、晴れやかな笑顔で語ってくれました。
今を精一杯、
明日も精一杯
母校の調理師学校では講師も務める小笠原さんですが、一職人としての柔軟さ、謙虚さを忘れることは決してありません。季節により、日により、風味や扱いが変わる素材の妙を敏感に感じ、味わいに生かそうと、小笠原さんは今日も師匠の隣で、その心と技を学んでいます。
「将来どうしたい、ということより、今という一瞬一瞬に全力で取り組みたいですね。そしてこの先もその時その時で考え、常に自分にとってベストだと思う方向へ進んで行きたいと思っています」。
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企業名:日本料理 ゆ庵
創業:平成13(2001)年
所在地:長野市吉田4丁目4-27
TEL:026-263-1416
営業時間:
昼12時〜14時・夜18時〜21時(昼夜とも完全予約制)
定休日:水曜日
学生時代、英語・英文を専攻するも、日本料理の職人を志して調理師学校へ。日本旅館に就職し、料理人・湯本忠仁さんを師として修業。平成13年、湯本さんが開業した「ゆ庵」の厨房に移り、現在に至る。平成17年の料理コンクールでは全国最高峰の農林水産大臣賞に輝いた。 |
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