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2009年5月号 No.730 |
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善光寺御開帳記念特別インタビュー
この御開帳の開催が世の中の不安を拭い
善き社会を招くと信じます
一人でも多くの方が、阿弥陀如来様と縁を結ぶことで、来世の不安を拭い、明るく善い社会となることを願っております。
明治以降の御開帳は、地元商工関係の皆様のご要望もあり、地元活性の意味も兼ねて開催され現在に至っています。100年に一度の経済危機と言われる今、御開帳の開催により、地域経済の景気回復に貢献できればと思っています。
御開帳を景気回復のきっかけに
― 今回の善光寺御開帳開催による経済効果に期待する声は、これまで以上に大きいのではありませんか。
若麻績 はい。「この不況を脱するには、善光寺御開帳しかないんだ」という多大なご期待を頂戴しています。地元商工関係の皆様のこうした真剣な想いに対し、お力になることができれば私どもとしてもうれしい限りです。
そもそも御開帳には景気対策の側面もあります。江戸時代に行われた御開帳は出開帳と言われ、前立御本尊様と御印文を寺から持ち出して江戸など大都市に赴いて行いました。そうして、本堂や山門の普請のための浄財を頂戴していたのですね。出開帳の時代がしばらく続いた後、居開帳、すなわち現在のような御開帳の方が多くなり、さらに明治以降は地元商工関係の方々からの要請を受けて、地元活性の意味も込めて開催されるようになりました。ですから当時はまだ定期的な開催ではなく、未年、丑年に開かれるようになったのも昭和30年の御開帳からです。また、開催期間も特に決まっていなかったようです。
すなわち御開帳は、門前町長野や地元商工業者と善光寺とを繋ぐ、たいへん意義深い絆でもあるというわけです。今回の御開帳は、事前の広報キャラバン活動の成功もあり、前回の628万人を上回る人々が参拝にお見えになることを期待しています。事務局といたしましては、期間中まず事故などの無いように万全を尽くします。地元商工業の皆様には、全国や海外からお見えになる大勢のお客様を、どうぞ温かいおもてなしの心をもってお迎えくださいますようお願い申し上げます。そしてこの御開帳が長野経済に明るい兆しをもたらすことになればと願っております。
山門の特別拝観など
見どころ多く
― 今年の御開帳の見どころをご紹介いただけますか。
若麻績 今回の御開帳は、平成の大修理がなった山門の落慶記念ということもあり、山門の特別拝観を再開しました。楼上から望む表参道や長野市街の様子は格別ですから、この機会に登ってみてはいかがでしょうか。
史料館では、ダライ・ラマ14世から贈られた釈迦像や、最近の調査で鎌倉時代の仏師快慶の関与が間違いないとされた阿弥陀如来立像をご覧いただけます。
北京五輪の聖火リレーの折には、同じ仏教徒としてチベット僧侶の弾圧を憂慮する想いと、一般の参拝者の皆様にご迷惑をかけてはならないという想いがあり、スタート地点のお申し入れを返上させていただきました。また、リレー当日には、騒乱で犠牲となったチベット族・漢族双方の方々を弔う法要が本堂で行われました。その後ダライ・ラマ14世とお会いする機会にあずかり、「チベット全国民とともに感謝します」とのお言葉と一緒に贈られたのが、今回公開している釈迦像です。
また、阿弥陀如来立像につきましては、御開帳閉幕後、東京芸術大学大学院の籔内教授の研究室で再び調査されることとなりますので、こちらもこの機会にぜひご覧いただき、快慶様式と言われる彫刻の技のすばらしさを知っていただけたらと思います。
そして何より御開帳は、7年に一度阿弥陀如来様と縁を結んでいただく機会です。参拝にお見えになった皆様全員に、そのご利益を持ち帰っていただきたいと思います。回向柱に触れていただくこと、前立御本尊様をお参りすること、そして御印文頂戴、この3つを同時に体験できるのは御開帳の折だけです。善光寺の御本尊様は、阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩の御三体を一つの光背にまつる一光三尊の阿弥陀如来様であり、その御分身である前立御本尊様と結縁していただくことで、阿弥陀如来様からは後生極楽、両菩薩様からは現世安穏の御利益を授かることができます。経済危機ばかりでなく、さまざまな不安や矛盾を抱える世の中です。より多くの方がこの御開帳を機に如来様と結縁されることを願っています。
善光寺信仰から発する
平和へのメッセージ
― 7年に一度のこの盛儀が、ここへ訪れた一人ひとりの心に平和へのメッセージを伝えることになればすばらしいですね。
若麻績 私もそう願います。『善光寺縁起』によりますと、善光寺の御本尊様は欽明天皇の時代に百済よりもたらされた日本で最も古い仏様です。そしてこの仏様をまつり、長野に善光寺が創建されたのも皇極天皇元年(642)のことで、日本においてさまざまな宗派が誕生するずっと以前のことでした。ですから善光寺は、いずれの宗派にもとらわれない寺として、民衆の信仰とともに今日まであるのです。
仏教が根本思想とするのは平和であり、すべての仏教は平和を求める宗教ですが、善光寺は無宗派であるがゆえに、そのメッセージはより普遍性をもって世界に伝わるものと信じております。今回の御開帳でも、海外からお見えになるお客様にも、善光寺と善光寺の精神についてより詳しく知っていただけるように、6種類の言語に対応した多国語音声ガイド端末のレンタルもされています。
阿弥陀如来様は、国や民族、人種、宗教等あらゆる違いを超えて、分け隔てなく来世を約束くださいます。そうして不安が除かれることが、平和への一歩にも繋がると思います。また、御開帳を迎えるにあたり、大勧進小松玄澄貫主が記者会見でおっしゃったように、諍いの原因となる壁を無くすのが仏教の務めでもあります。
さらに、大本願鷹司誓玉上人は、「あらゆるものが尊重し合うことが、社会を明るくすることに通じる」と同じく記者会見でおっしゃいました。お参りをする皆様のやさしい気持ち、これをお迎えする私どもや地元の皆様のやさしい気持ちが、ここから広がって善き社会をつくっていくきっかけになればと願っています。
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