CCI

   2008年9月号 No.722




加藤 久雄(長野商工会議所会頭、長野県商工会議所連合会会長)
昭和17年長野市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部卒業、昭和42年株式会社本久に入社。60年5月同社代表取締役社長に就任し、現在に至る。本久は善光寺本堂再建10年後の享保2年(1717年)長野市東町に「本屋」(モトヤ)の屋号にて創業。会頭は9代目、会社設立昭和23年、本年10月1日に60周年を迎える。グループ会社は「二幸機材株式会社」「ホテル国際21」「信越ガスサービス株式会社」「信濃ゴルフ倶楽部」「本久石油株式会社」
  

  


行動し、発信し、
結果を出す会議所へ


来年は善光寺御開帳があり、2014年には新幹線が金沢まで開通します。これを機に長野市の活性化を図るため、長野商工会議所が率先して、行政や広域との連携、仏都にふさわしいまちづくり、会員ニーズに合致した新事業に取り組むべきだと、加藤会頭は語ります。

行政や広域との連携を強化

─ 原油高や原材料高など、経済情勢には不安の種が尽きません。こうした状況において、今、長野商工会議所に求められていることは何であると加藤会頭はお考えですか。

加藤 時代の「変化に対応」することです。もはや経済が右肩上がりの時代は終わりました。長野市をはじめとする北信地方の経済は特に落ち込んでいて、企業倒産も高水準で発生しています。こうした中、会議所も180度考え方を変え、私は会頭として、長野市の活性化のために商工会議所の先頭に立ってリーダーシップを発揮していきます。
  実際の活動においては、行政や他の経済団体とも連携を図り、早急に長野市の将来像を示していく必要があります。私は昨年11月会頭に就任以来、そのための「場」づくりを積極的に進めてきました。瓢箪から駒のたとえどおり、「場」が用意されることで、そこから思いもよらない成果が生まれる可能性があるからです。
  例えば、今年1月、6月に開催された長野市との懇談会がいい例です。行政側は、市長、副市長をはじめとする幹部、会議所側は正副会頭、支部長ら役員が一堂に顔を合わせ話し合いました。元気な長野市を築くためは、行政と民間の役割分担を明確にし、相互に補完しあいながら、地域が直面する数々の課題を克服していく事が大切だと考えています。今後さらに懇談会の回数を重ねながら、会員の声を行政に具申していく機会にしたいと考えます。
  また、松本商工会議所との交流も始まりました。長野県の経済や工業を再浮上させ、発展させるためには、「長野だ、松本だ」と言い争っている時代ではありません。長野・松本両市の行政をも巻き込み、政経が協力していかねばならないと考えています。
  さらに工業面でも、善光寺平圏域(千曲・長野・須坂・高山)での広域的な経済活性化を目指して産学官連携が始められています。

仏都にふさわしい長野に

─ さまざまな課題があるなかで、長野市の観光振興も大きなテーマですね。来年には善光寺御開帳を控え、2014年には長野新幹線が金沢まで通じる予定です。

加藤 長野市は「善光寺の門前町」です。その門前町にふさわしい町並みを整えることが、重要であると私は考えます。長野駅に降り立ったとき、仏都の清らかさに癒される、そんな ”まち“にしたいですね。そして、訪れた人に、もっとここにいたいと思っていただける様なホスピタリティを高めていきたいと思います。
  まず来年の御開帳までに、善光寺表参道に48基の灯籠を建立します。48という数は、善光寺如来様の「48の誓い」に因んだものです。戦前の「春日灯籠」を、ただ復元するだけではなく、若者の新しい感覚を取り入れ、すでに ”長野の冬の風物詩“として定着してきた「灯明まつり」の ”灯り絵“を飾って、毎年違うデザインを楽しんでいただくつもりです。
  「灯籠」と合わせて2014年新幹線の金沢までの開通に向けて、「表参道の全面石畳化」、そして、長野駅に以前の様な「仏閣駅舎」が再建できるよう市民運動を盛り上げていきたいと考えています。
  次に、一昨年合併した篠ノ井、松代の支部との共同企画の一環として、松代支部には、伝統の ”回向柱“のご寄進をいただくとともに、篠ノ井支部には夏の ”祇園祭“に登場するあの2頭の ”大獅子舞い“を奉納していただこうと考えています。
  そして、美しい ”まち“長野としてご開帳の参拝客をお迎えしたいと思います。市内のゴミの9割がタバコの吸殻です。商店会連合会と連携して、”歩行中の喫煙“や ”タバコのポイ捨て“の禁止を市民の皆さまに呼びかけをするとともに、商店会でも、店前の掃除、町を歩く市民への声掛け運動など、会議所と両輪で取り組んでいきます。
  こうした取り組みの一つひとつが実現されていけば、参拝客も観光客も長野の美しい「町並み」にきっと感動してくれるはずですし、「善光寺の世界遺産登録」にもつながっていくと信じています。
  「中心市街地の活性化」で、もう一つのポイントとなるのが、”権堂の復興“でしょう。表参道をタテ軸の通りとするなら、権堂はヨコ軸の通りです。両者が元気になってこそ、長野は面として活性化します。権堂を健全に楽しめるまちにし、長野の夜がもっと魅力的になるよう、会議所も協力していきます。

会員ニーズに沿った新事業を展開

─ 行政や広域での連携、長野市中心市街地の活性化に取り組まれる一方で、会頭はマリッジマッチング事業のような新たな活動も企画されていますね。

加藤
 はい。日本の人口減少は、まさに国力の低下となります。マリッジマッチング事業は、その少子化の進展に、歯止めをかけるため、市内外の会員事業所等に勤務する「未婚男女の結婚の促進」を支援することを目的としています。現在、事業の具体化に向け検討作業をしています。
  今日お話ししたこと以外にも、長野商工会議所は、多様化する会員ニーズに活動面、人材面、財政面で応え、率先して長野の活性化に取り組んでいく所存です。変化に対応し、「行動し、発信し、結果を出す」をスローガンとする、これからの長野商工会議所にどうぞご期待ください。



加藤会頭の横顔
趣味は、「ゴルフ」で、第1回県アマチュア大会で優勝した腕前。もう一つは「他人の健康にお節介を焼くこと」で、愛煙家には、嫌われていますと、笑って話されました。

  




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