CCI

   2007年 10月号 No.711

しつらい、おもてなし、味わい、
すべてはお客様の
ご満足のために。
中村 義信さん・
   万里さん

日本料理 旬花(にほんりょうり しゅんか)





 美しく修景された蔵が建ち並ぶ「ぱてぃお大門・蔵楽庭」の中で、ひときわ存在感を放つ「養気館」。明治中期に迎賓館として建てられたこの楼閣の二階で、往時の風趣を堪能できる日本料理店「旬花」を営んでいるのが、中村義信さん・万里さんご夫妻です。

 店主の義信さんは十代で和食の道に飛び込み、厳しい板前修業を経て一人前になった根っからの料理人。東京、小布施で日本料理店を任され、料理長として腕をふるってきました。四季の彩りと味わいを一品一品に美しく集約させる日本料理の技を、旬花でもいかんなく発揮しています。

 妻の万里さんは義信さんを修業時代から知る最大の理解者。義信さんがめざすおもてなしの心を、接客を通じてお客様に伝える日々です。

 中山晋平、松井須磨子、高村光雲など近代を彩った数々の著名人がもてなしに興じたと伝えられる養気館の復元にあたっては、当時のままの梁、欄間、ふすまなどが生かされました。粋を凝らした意匠はもちろん、そこに漂う空気にも、百余年の歴史が重厚に感じられるのが旬花の特徴です。その独特の風情に惹かれ、繰り返し訪れるお客様が少なくありません。


 「料理も接客も、この空間を最大限お楽しみいただくための要素のひとつ」と、義信さんは言い切ります。「ここで過ごすひとときをお客様が心からご満喫になり、旬花という名前を記憶にとどめてくださったら、何よりうれしいですね」。そのために、旬花ではお昼の旬花御膳を除き、一部屋一組が大原則。部屋の雰囲気と調和する義信さん渾身の懐石料理を、万里さんのこまやかなおもてなしで、ゆったり楽しめる趣向です。完全予約制というのも、お客様一組一組に十分なおもてなしをしたいというふたりの願いから。「予約する価値があったと心から思っていただけるよう、いつもお客様に心を傾けていたいと思います」。店名の看板をはじめ店内でさりげなく目を引く、書家の弟さんの文字からも、旬花の心が伝わってくるようです。

 かつて初めて修業した日本料理店で、十代の義信さんを感動させたのは、親方の手から次々と生み出される料理の美しさと、常に新しい工夫や研究を怠らない料理人の姿勢でした。技術や味を懇切に教えてもらえるわけでは決してなく、同僚と競いながら親方や先輩の技を盗む厨房の世界の厳しさの中で、義信さんは自分を磨き続けました。また東京では料理人の仕事とのギャップに悩みながらも経営やマーケティングを必死で勉強し、料理長を任された店を繁盛店に導きました。そうした経験を糧に、中村さん夫妻は、訪れる一人ひとりの心を満たす店づくりに情熱を注いでいます。


日本料理 旬花
〒380-0841
長野県長野市大字長野字東町125
ぱてぃお大門 蔵楽庭内 養気館二階
TEL・FAX 026-233-7600
営業時間/昼 11:00〜14:30、夜 16:30〜21:00(昼・夜とも要予約・月曜定休)
http://www.kaiseki-syunka.com/


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