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2006年 12月号 No.701 |
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私は周りの人に生かされている
独立して初めて実感
飯塚 哲栄さん
DUB MAGIC
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「企画・デザイン、製造、マーケティングから販売まですべて自分で完結する仕事がしてみたい。モノを作ることでそこに自分の生きた証を残す、そんな生き方がしたい。そのためには自分に何ができるかと考えました」。
松本の革細工店で基礎を教わり、革製品づくりを独習。そして三年前、十年間のサラリーマン生活に終止符を打ち、アクセサリーや雑貨を中心とするオリジナルデザインの革製品の製造・販売ショップを開きました。
なかでも評判を集めネットを通して全国から注文が舞い込んでいるのが、DJの経験を生かして製作した革製ターンテーブル・スリップマット。「自分の人生で大きなウエイトを占める音楽と、革がうまく結びつかないかなと思ったのがきっかけ。クラブカルチャーで遊ぶ人たちに近い感性を生かして、同世代の大人クラバーに特化した商品を作っていくのも面白いかなと」。最近、東京の大手レコード店での販売も始まりました。
一方で、当初からスキル不足を自覚。「自信を持って作れるようになるまでは」と需要が高くリクエストも多い財布やバッグにはあえて手をつけず、身の丈にあった製品づくりと革という素材を深く知ることに傾注してきました。そして今、野沢温泉のかご細工師とのコラボレーションによるバッグづくりにチャレンジ。いよいよ本格的に手がける準備をしています。
開店以来忘れられないのは、初めて商品が売れた日のこと。「夜帰ってボロボロ泣きました。また開店当日の朝、前の会社の社長と社員一同名で開店祝いの電報が届いた時も……。商品を作り、それを買っていただかないと生きていけないという焦りとプレッシャー。後ろ盾が何もなく、一から信用を作っていかなければならないことへの不安。最初は本当にキツかった。でもその一方で、いろんな人が助けてくれることも知りました。この仕事を始めて良かったのは、自分は周りの人に生かされていると初めて実感できたこと。本当に人とお金のありがたさが分かりました」。
この十一月で独立開業以来丸三年。自分自身の人間的な成長を実感し、「今すごく貴重な経験をしているのかな」と思う毎日です。
「良いものさえ作れば世の中は認めてくれると思っていたけど、実際はそうじゃない。自分の人間的魅力を高めていかないと商品は良くならないし、いくら商品が良くても、携わる人や会社が良くなければ長続きしない。そう思うようになりました。お客様に育てていただいているんですね」。
日々いろいろなものにチャレンジしながら、競争ではなく、独自の世界を築いていくこと。それが当面の目標です。
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