CCI

   2006年 7月号 No.696

思いを維持するための工夫を
続ければ、楽しく生活できる
富井 瑛之さん

パーカッション奏者
ヒーリングデザイナー




 「音楽大学はあきらめた、初めて起業した会社は失敗(笑)。でも本当にやりたいことはゲットできた。大切なことは夢や希望をどこかに持ち続けること。フェードアウトしないよう時々表現し、それが評価されれば目標に向かう原動力になるんです」。

 「同級生の格好良さに憧れて」高校のブラスバンド部に入り、一生の出会いとなるパーカッション漬けの三年間を過ごしました。「目標がないまま」、芸術大学の建築科に進学。紆余曲折を経て、東京でフリーの広告デザイナーとして大手企業等の広告制作に携わります。

 東京でのハードな生活の中、頭をよぎったのが「やっぱり音楽がやりたい。長野に戻って就職すればデザインと音楽が両立できる」。

 運良く入社した印刷会社で先輩社員に誘われるままオーケストラなど三団体を掛け持ちして活躍。数年後独立してデザイン会社を起業しましたが、いつの間にか近所の子どもたちにパーカッションを教えるようにもなっていました。「音楽をしている者同士、お互いに教え合い共有することがとても楽しい。それがぼくの原点。お金なんて全然関係なかった。根底にあるのは何か創りたい、人を巻き込んで一緒にワイワイ楽しくやりたいという ”思い“なんです」。

 その「思い」やアイデアをまとめた企画書を高く評価し、師弟関係となるプロ・パーカッショニストとの出会いが、富井さんを「音楽では食えない」と諦めていたプロの道へと導きます。「今プロになる決心をしなければ縁を切るとまで言われ、身体の底から、やります、という言葉が出た。その瞬間、ぼくが本来進むべき道をとらえられたんです」。

 今、演奏家としての活動と同様に力を入れているのが、医療・福祉施設や教育現場に出向き、一緒にパーカッションを演奏することでお年寄りや子どもたちを元気にする活動。医療と音楽を結ぶ「音楽療法」といわれる分野です。

 「車イスの人も痴呆の人もみんな自然に身体が動いてくる。子どもたちも本当にイキイキしてくるし、先生も癒されている(笑)。これが音楽の力。この道をめざす人のためにも、もっと活動の場を開拓していこうと起業に再びチャレンジしているところです」。

 「思いを維持するための工夫をし続ければ楽しく生活できるし、目標探しに努力するのもワクワクすること。ぼくはたまたま恵まれてるんだと思うけど、多くの人が元気をなくしている今、メラメラしてる人がいないとね(笑)。だからこそちゃんとやってかなきゃいけないなと」。

 富井さんにとって人生のよりどころは、やりたいことへの「思い」であり、心の健康を保つこと。それが自信と活力の源になっています。



〒386-2211
須坂市峰の原高原3153-277
e-mail office@musictherapy.jp


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