
「一つは洋服の作り手とお客様をつなぐという意味。もう一つは、いろいろな皆さんのおかげで店が出せたことを忘れないようにという戒めの意味。それを店名に込めました」。
豊科町出身。地元の高校を卒業後、公務員試験受験をめざして専門学校に進学しました。在学中の数年間は勉強勉強の毎日。その努力が実って見事、長野県上級職に合格し採用されました。「受験勉強中は本当によく勉強しました。競争率は高いし、一緒に受けたのは東大をはじめ有名大学の学生ばかり。でも、やればできると自信がつきました」。
就職して一番エネルギーを費やしたのが、もともと大好きだった洋服。店に通ううち「好きなことを仕事にしたい」という気持ちを抑えることができなくなっていきました。数年後、ついに周囲の反対や心配を振り切って県庁を退職。中信地方のファッション店に勤めながら、自分の店を出す資金づくりのため、夜はバーでアルバイトをする生活を始めました。
その後、資金づくりに専念しようと出店予定の長野市内に転居。あえて好きな洋服の仕事から離れて働き、資金づくり、物件探し、取り扱いブランドとの交渉と準備を進めてきました。そして昨年十一月、長野商工会議所などの指導を受け、ようやく念願の自店オープンにこぎ着けたのです。
「皆の反対を押し切って公務員を辞めた、もう後戻りできない。そう自分を追い込んで頑張った。目標に向かって努力すれば結果はついてくるという経験があるから、この店も結果を出す自信はあります。でも自分の思いだけではどうにもならないこともある。店を出せたのは親や友人、不動産屋さん、長野市、商工会議所の皆さんなど、いろいろな人たちの協力や理解、支えのおかげ。本当に感謝しなければいけないと思っています」。
作り手が心を込めて作った商品を大切にしてほしいという気持ちから、商品を買った後のフォローも大切にしているとか。「お客様に作り手の思いを伝え、なおかつ喜んでいだたくことが今の目標です」。爽やかな笑顔にシンの強さがのぞきます。