
「薬剤師として一番大事なことは今飲んでいる他の薬との相互作用チェック。そのためにはお客様の情報を聞き出すためのコミュニケーションが大切です。処方せん通りに薬を出すならどの調剤薬局でも同じですから」。
マツザワ薬局は江戸時代後期(天保年間)の創業以来、町の薬屋として庶民の健康を支えてきました。そんな老舗の五代目を継ぐべく薬剤師になって五年。物心ついた頃から薬に囲まれた生活だったせいか、老舗の重圧にも、また薬剤師になることそのものにも特に抵抗はありませんでした。現在は四代目である母と二人で薬局を切り盛りしています。
店頭での一般医薬品の販売と調剤が仕事の二本柱。もっとも調剤室にいるよりも店内でお客様と接していることの方が多いようです。「薬局にはいろいろなお客様が来られますが、おすすめした薬で具合が良くなったと言って、また来店してもらえることがうれしいですね」。
薬剤師としての仕事にやりがいを感じる毎日のなかで、お客様とのコミュニケーションづくりに加え、専門知識を生かした健康情報の提供の大切さも実感しています。
「調剤関係の情報は薬剤師会やメーカーなどが主催する勉強会でいくらでも得られますが、一般医薬品や健康食品にはブームもあるし、毎日のように新しい商品が出てくるのでどうしても情報不足になりがち。インターネットなどで新しい情報をつねにチェックするようにしています。薬剤師になってまだ五年。勉強、勉強の毎日です(笑)」。
昨年十一月には、消費者にサプリメントなどの健康食品に関する正しい知識を知ってもらおうと、近所の美容室と組んで講座を開講。いつも行く美容室での、両店のお客様を集めて何か情報提供ができたら面白いんじゃないか、という会話がきっかけでした。
「若い女性を中心に関心が高いサプリメントですが、利用する上では正しい知識が必要です。何を期待するかで飲むものも違ってくるし、本当に飲んで意味があるのかという問題もあります。実際、薬剤師の立場で見ると問題だと思うものもあり、使わなくていいならなるべく使わない方がいい。そんな立場で講義をしましたが、次回も参加したいという希望も多かったので、そこそこためになることはできたのかなと思っています」と話す松澤さん。初めての試みでしたが手応えは十分。次回は二月末か三月初めに開く予定です。