2021年8月号

人きらっとひかる

まずは、自分が仕事を楽しむこと
そして、お客様と感動を共有したい

 

株式会社八幡屋礒五郎 小売部 本店

角田 翔さん

 

 「今年、表彰されるのは誰かな?」と、毎年楽しみにされている方も多い「おもてなし販売員コンクール」。気配りや心配りが素晴らしい販売員や、輝いて仕事をしている販売員を表彰、紹介することで、おもてなし意識や地域のおもてなし風土を高める目的で実施されています。今年の最優秀賞は、優しい笑顔に癒される八幡屋礒五郎の角田翔さんです。

先輩に教えられた
感動を共有する大切さ

5月14日㈮、長野商工会議所会員大会の壇上で表彰が行われた

 今年17回目を迎えた「〝こころに残る〟おもてなし販売員コンクール」。長野販売士協会(事務局=当会議所内)は、表彰を通じて販売に携わる人々のおもてなし意識・資質の向上を支援しようと毎年開催しています。今回、最優秀賞に輝いたのは、株式会社八幡屋礒五郎に勤める角田翔さんです。善光寺門前にある本店で、若手スタッフをまとめながら、主に接客業に従事しています。
 本店は、善光寺という長野市を代表する観光地を目の前に、連日多くの人で賑わう繁盛店です。来店される方の半分以上が県外客というのも大きな特色でしょう。長野市民にとって馴染みのある七味唐辛子も、初めて訪れた観光客の方にとっては一期一会の出逢い。だからこそ、その感動をお客様と共有したいと角田さんは言います。その信念の基にあるのは、角田さんがスノーボードのインストラクターを始めた時に、先輩に言われたあるひと言でした。
 「『角田にとっては当たり前かもしれないけれど、初心者にとっては、ちょっとターンできただけでも感動的なことなんだよ。赤ちゃんが立って、初めて歩けたのと同じくらいの出来事なんだから、その一瞬の感動をともに分かち合いなさい』と教えられました。それが、現在の僕を支える信条となっています」。

お客様の好みの味を
調合するカスタムブレンド

店頭で人気のあるカスタムブレンド。自社農場で栽培する山椒などの素材にもこだわっている
 八幡屋礒五郎の歴史ある調合販売に「カスタムブレンド」があります。これは、お客様の好みの七味唐辛子をその場で調合することで、ただ商品を販売するだけでなく、お客様と会話を楽しみながら、その魅力をアピールできる人気商品の一つです。
 「ブレンドしたものは、お客様に香りを嗅いで確かめていただくんですけれど、嗅いだ瞬間に、うわーって叫ばれる方もいて。でも、皆さん笑顔なんですよ。どんなブレンドになるのかわからない中で、お客様と盛り上がり、その場を創りあげていくという感覚でしょうか。お客様が喜んでいる姿を直接見られるのが、対面サービスの醍醐味です」。
 まず、自分が楽しむことを信条にしている角田さん。後輩の教育指導の際にも、マニュアルではなく、スタッフの個性を大切にしながら、何よりも仕事を楽しんでほしいと考えています。「また作りに来たよ」と、何度も来られるリピーターの方や、日本在住でカレー専用の七味唐辛子を毎回注文される外国のお客様など、その人気はワールドワイドに広がっています。

ブランドに頼らない接客を

 八幡屋礒五郎に入社する前は仕入れ業務も担当していた角田さんは、エクセルを使った販売数予測と在庫管理のシステムを構築し、賞味期限の管理表などを作成して販売業務の効率アップに役立てています。また、「コンセプトブック」のプロジェクトリーダーも任され、今秋には社内で配布する冊子を制作しているところです。コンセプトブックとは、会社の方向性や価値観を社員に広く浸透させるために作られますが、ここにも角田さんの〝みんなと楽しく仕事をしたい〟という想いが表われています。
 「八幡屋礒五郎というブランドは、今や全国的に確立されていますが、その名前に頼らずに、お客様に魅力を伝えられるような接客を心がけていきたいですね。販売の現場で働いているからこそ、お客様の声を受け止めて、より良い商品づくり、店舗づくりも提案していければと考えています」
 

企 業 名 株式会社八幡屋礒五郎
創  業 1736(元文元)年
業務内容 七味唐辛子の製造・販売
所 在 地 本社・工場/長野市柳町102-1
     本店/長野市大門町83 TEL 026-232-8277
営業時間 (本店)9:00~18:30
福島県会津若松市出身。信州大学人文学部卒業後、大学事務職やスキー用品メーカーなどを経て2018年4月に㈱八幡屋礒五郎に入社。冬期は、スノーボードのプロツアーにも参戦。また手話を習得し、デフリンピックを目指す聴覚障がい者の選手育成も行っている。

 
 

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