2020年3月号

View Point

伊藤 拓宗(いとう ひろむ)

公益社団法人長野青年会議所2020年度理事長
有限会社いろは堂専務取締役

昭和60年2月20日生まれ。平成21年㈲いろは堂入社、平成26年専務取締役就任。平成25年長野青年会議所入会、平成28年渉外支援委員会委員長、平成30年専務理事、令和2年理事長就任。

時代の潮流を自らつくる覚悟をもって
 長野の未来を描き、その実現に向け
  想いをともにする団体と協働します

 2020年度の長野青年会議所は「革新」をスローガンに掲げました。時代の変化に乗るだけではなく、自ら時代の潮流をつくり、長野に変化を生み出します。具体的な事業では、被災地の復興支援、多様性ある共生社会を前提とした青少年育成や国際交流、SDGsなど新しい考え方も取り入れたまちづくりなどに、各種団体と協働しながら取り組んでいきます。

自らの手で
未来を切り拓くことが使命

── 長野青年会議所(以下長野JC)2020年度理事長に就任されての抱負をお聞かせください。

伊藤
 スローガンには「革新〜矜持を胸に志高き改革者となれ〜」と掲げました。
 これまで7年間、長野JCで活動してきましたが、組織としてこのままで良いのかという危機感が正直なところあります。時代が大きく変わろうとする今、我々自身が変わらないと、まちづくり団体としての存在意義を失って取り残されかねません。「革新」という言葉には、組織内部の変化を促すとともに、まちづくりなどの事業でも、時代の変化に乗るだけではなく、自ら時代の潮流をつくるのだという覚悟を込めました。長野JCの伝統に誇りと自信を持ち、過去をきちんと検証したうえで、本当に変えるべきことを見いだし、自らの手で未来を切り拓くことが我々の使命です。そういう志をメンバー全員に持ってもらいたいと願っています。
 なお、今年度は大きなイベントなどをあえて実施せず、委員会数も減らしました。その力を他団体と協働する仕組みづくりに振り向けることで、次のステップアップの基礎固めに努めていきます。

 

まちの未来を
被災地域の子どもたちと描く

── 今年度はどんな事業に力を入れますか。

伊藤
 まず、台風19号による豪雨災害からの復興支援です。被災地では今なお課題が多く、さまざまな産業への経済的影響も懸念されています。個人でボランティア活動に参加することはもちろん、今年度は被害に遭った地域を舞台に長野JCの事業を実施したり、我々の事業に被災者を巻き込んだりすることも考えています。
 まちの未来を描くのはJCの使命です。被災地の5年後、 10年後のあるべき姿を、被災地域の子どもたちも含め市民の皆さんと描いていけたらと思います。さらに、これを契機に災害時における長野JCの対応マニュアルや行政や他団体との連携のあり方も見直し、今後の災害対応、防災対策についても検討していきます。
 次に、今年度新たに始まる事業として、JC全国大会の招致があります。昨年の総会での決議を経て、いよいよ今年は2023年大会の招致に名乗りを上げます。全国大会開催により一定の経済効果が期待でき、まちも盛り上がります。対内的には、大きなことに挑戦する過程とこれをやり遂げることが、きっと各地JCの団結とメンバー個々の成長につながると信じます。
 また、誘致活動は我々のまち長野を見つめ直し、まちが抱える課題について、全国大会をきっかけにどんな変化を長野に起こせるかについて考える格好の機会です。さらに、全国の仲間にこのまちを見てもらうことで、長野をPRできるだけでなく、まちづくりに対する貴重な意見を彼らからもらえます。昔から地域を変えるのは、若者、馬鹿者、よそ者と言われますが、よそ者の感覚を得るうえでも、またとない機会なのです。
 昨年の災害では、全国各地のJCからもご支援をいただきました。その恩返しの意味でも、2023年の全国大会招致に成功したら、被災地域が復興を遂げた姿とそのプロセスを、まちづくりの事例として紹介したいと思っています。

 

多様性を受け容れられる
社会づくり

── その他の事業についてもご紹介ください。

伊藤
 青少年育成も大きな柱のひとつです。今後、国籍や民族、文化、宗教、性別、価値観、障がいといった多様性を受け容れる社会が進展し、こうした共生社会で子どもたちは相互理解を深め、自ら考え行動していく力を養わなければなりません。
 このまちを次に支えていく子どもたちをどう育てるかは大きなテーマです。地域の宝である子どもたちに、学校や家庭だけでは教えられないことを、我々も地域の一代表として伝えます。たとえば障がい者スポーツ体験など、さまざまなプログラムに長期的に参加してもらうことで、子どもたちが多様性について学び、共感し協働する力を身に付ける機会をつくります。
 この事業に限らず、想いをともにする団体との連携が今後ますます大事になってきます。互いの得意分野を持ち寄ることで事業の価値が増すからです。また、単年度制をとる長野JCでは、一度やって良かった事業でも、翌年度になくなってしまうこともあります。地域にとって意義ある事業を継続するうえでも、想いを引き継いでくれる団体との協働が欠かせません。今年度はいろいろな団体と連携のネットワークを地道につくっていく一年にします。
 地域の未来を考えるという意味では、SDGs(持続可能な開発目標)の推進にも力を入れます。長野JCが掲げる未来ビジョン、長野市の行政方針、そこへSDGsの考え方を絡めたとき、長野のどんな未来像が描けるのか、その目指すべき姿を発信し、実現に近づけるため、ここでも他団体と連携、協働する運動を進めます。
 「革新」を掲げても、ゼロから何かを創造することは容易ではありません。すでに我々が手にしているものに、SDGsのように今起こりつつある新しい考え方、新しい技術や仕組みなどを加えて、これまでにない価値を生み出していきます。
 国際交流事業では、引き続きソウル江北JC、台中國際JCとの活動を続けます。一方で、外国人が住みやすく働きやすい長野をつくる提言もします。先ほども触れましたが、多様性を受け容れられる社会であるかが地方においても重要な時代です。外国人が生活しやすいまちづくりも、そうした視点を持って考えていきます。
 そのほか、長野灯明まつりや今年50回目を迎える長野びんずるも、我々にとって大切なイベントです。継続的な地域活性化を実現するまつりとして、さらに磨きをかけるよう運営に取り組みます。 

 

善光寺御開帳では
我々もPRに努めます

── 最後に、読者である当会議所の会員企業に向けてメッセージをいただけますか。

伊藤
 長野商工会議所さんには、今お話しした長野びんずるでもたいへんお世話になっています。今後も、我々が招致を目指す全国大会など各所でご協力を願うことになります。逆に、長野商工会議所さんが中心となって進められている善光寺御開帳では、そのPR活動の一端を我々も担いたいと考えています。
 また、長野JCにとって会員増強は必須の課題です。このまちの未来について考える人を増やし、市民の意識とそして行動を変えるためには、長野JCに常に新鮮な力を加えながら、我々自身が柔軟性をもって変化することが欠かせません。長野商工会議所会員企業の皆さまには、会員拡大についてご理解とご協力をお願い申し上げます。 

 

伊藤 拓宗さんの横顔
休日は子どもと過ごす時間を大切にして、一緒に散歩などに出かける。家族目線で見ると、まちの姿も違って見えると話す。趣味はスポーツ観戦など。


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