2019年5月号

View Point

熊木 宏行(くまき ひろゆき)

長野商工会議所青年部2019年度会長
株式会社熊木住建代表取締役社長

 

昭和49年11月23日生まれ、現在44歳。平成9年4月、㈱熊木住建入社(21歳)。平成14年9月、創業者熊木三郎逝去により代表取締役社長に就任(26歳)。平成10年4月、松代商工会議所入会(22歳)。平成24年度長野商工会議所青年部会長(36歳)。平成30年度長野商工会議所青年部副会長(43歳)、日本商工会議所青年部専門委員。平成31年度長野商工会議所青年部会長に就任。

夢や未来を自分の言葉で大いに語り
 当事者として青年部に楽しく関わることで
  新たな絆やビジネスが生まれると信じます

 今年11月、日本商工会議所青年部の3大イベントの1つ、全国会長研修会がここ長野市で開催されます。青年部の会員の心をひとつにし、次代を担う青年経済人を育成するまたとない機会ですので、今年度は特に力を入れていきます。ほかの事業も含め、会員個々が当事者として楽しく活動に関わり、自分を磨き、交流を広め、そして深め、大いに自分の未来や夢を内外に語る青年部であることを目指します。

全国会長研修会開催を機に
青年部をひとつに

── 長野商工会議所青年部2019年度会長に就任されての抱負をお聞かせください。

熊木
 青年部に私が入ったのは今から20年前の24歳の時です。当時は長野と篠ノ井と松代で商工会議所が分かれていましたから、当初私は松代商工会議所青年部に所属していました。2006年に長野商工会議所は統合されますが、青年部については統合組織ができませんでした。ですから、全国大会などへは長野商工会議所青年部を代表して出席するものの、単会では松代支部という位置づけで活動していました。
 2013年に当時の加藤会頭の要請で、長野商工会議所青年部(以下長野YEG)が発足しますが、まだ支部制は残っていました。これを廃止したのは、2年前の倉石会長の時代です。日本商工会議所青年部(以下日本YEG)の3大事業のひとつ、全国会長研修会の長野での開催が決まり、これを機に地域間にあった見えない壁を取り払おうとしたのです。
 ただ新体制になって3年目の年に入りますが、篠ノ井や松代の人たちは、長野への心理的距離があるのか、委員会・部会への出席率が芳しくありません。そこで今回の全国会長研修会の開催を、青年部がひとつにまとまり、5年先10年先に向けたあるべき姿に変わる契機にしたいのです。今年度は、全国会長研修会のPRキャラバンのため全国各地で行われる春の会長会議、ブロック大会へ出かけていますが、ほかには代えられない青年部の結束力が生まれる予感がしています。全国会長研修会を終えたとき、もっと大きな達成感を皆で共有すれば、この組織に残る財産もきっと大きくなると信じています。
 そこで、青年部の今年度のスローガンを「YEG just going for it 〜心をひとつに新しき時代へ誰がやる、己がやる!〜」としました。誰かが青年部をやるのではなく、自分がやるんだという気概を会員が持ってくれれば、新しい絆も生まれ、長野YEGが本当の意味でひとつになると思います。

青年部を楽しくするには、
まず自分の会社から

── 熊木会長は、長野YEGとはどんな存在であるとお考えですか。

熊木
 かつては青年たちが寄り集まった人足要員のように考えていました。会議も緩めで、終わったら酒を飲んでわいわいしているイメージです。しかし、昨年度日本YEGのビジョン委員会に出向させていただき、オンオフを切り替えながらも、遊び半分でやるべきことではないと気づかされました。YEGとは、そこで自己研鑽を積み、それぞれの企業や地域経済の発展を果たすため勉強する団体です。次代への先導者としての責任を自覚し、青年経済人として学び、交流を持ち、ネットワークをつくり、企業の発展に尽くしながら、地域経済の支えとなり、また新しい文化の創造をもって、豊かで住みよい郷土づくりに貢献するという使命があるのです。
 ただ、その過程には「楽しく」がないといけません。日本YEGで知り合ったある社長がこんな話をしてくれました。茨城に住む彼は東日本大震災で被災し、断水、停電し真っ暗な中、給水車からもらった水もわずかで、次にいつ水が手に入るか分からない極限の状況に置かれました。そんな時、もし青年部の会員から「その水を分けてくれ」と言われたら、たぶんできないだろうと彼は考えたそうです。まずは家族や自分の命を繋がなくてはならない。しかし、水が溢れるほどあれば、お裾分けという形でいくらでも分けることができる。つまり、楽しく明るい青年部であるためには、まず自分や自分の会社スタッフ、家族が楽しく満ち足りていなければならない。ここに関連するすべての人にゆとりある生活を送らせることができ、皆に満足して仕事をしてもらう会社でなければ、青年部の活動なんてやっている場合ではないということです。青年部の活動を行う自分を社員が快く応援してくれる、そんな会社にすることが先でしょう。
 また、青年部に入会すればすぐに新しい仕事や顧客が舞い込んでくると考える人も中にはいますが、それは見当違いです。選ばれない会社にはそれなりの理由があるものです。青年部の活動の中で新しい仕事が生まれるとしたら、その人が青年部で必要とされる人間になったからです。
 なお長野YEGについて言えば、30代の会員が前面に立つ組織にしたいと思います。40代半ばの僕らはさっさと卒業して、もっと若く勢いのある青年経済人と呼ぶに相応しい世代が、この青年部をリードしてほしいと願っています。したがって、今回の全国会長研修会は、次代の長野YEGの基礎づくりにも絶好の機会だと認識しています。

委員会・部会への出席率向上と
会員手帳の充実を

── 全国会長研修会をはじめ、今年度力を入れる事業について教えてください。

熊木
 全国会長研修会は、全国413単会の当年度の会長、翌年度の会長予定者、事務局の各3名に、熱意ある自主参加会員を加えた総勢1、500〜2、000名を長野にお呼びします。11月7日〜9日の開催に向け、先ほどお話ししたように実行委員会メンバーが全国へPRキャラバンに出かけています。
 今後の青年部単会の事業としては、まず出席率にこだわります。スリープしてしまった会員にもう一度参加してもらったり、篠ノ井や松代の会員が参加しやすい環境づくりに力を入れたりします。
 次に会員手帳の充実です。今の手帳は、名前と顔写真、会社名と業種、電話番号が記されているのみで、これでは会員の交流は深まりません。普段顔を合わせていても、その会員の会社がどんな技術やサービスを持ち、どんな仕事を得意としているか、実は知らなかったりします。それを知ることで、仕事で困ったときに助け合い、新しい取引が生まれ、ビジネスチャンスも芽生えます。
 手前味噌ですが、うちの新本社に建てたファミリーモール「and LIFE」は、暮らしの相談窓口をコンセプトに、子どもが集まる木育広場、地元野菜を使ったカフェ、司法書士による相談業務、英会話教室などを設け、出産・子育てから、家づくり、教育、老後までサポートしようとしています。テナントに入ってくれた皆さんは、青年部などで知り合った方々ですし、このコンセプトを思いついたのも、そこでの交流があったからです。青年部の活動をどうビジネスにつなげるかは、会員個々の取り組み方次第です。手帳の充実はそのきっかけづくりになればと考えています。
 会員の増強にももちろん力を入れますが、それには青年部の魅力を感じてもらわなければなりません。青年部がどんなものであるか、ホームページなどを通じて発信するだけでなく、青年部の人間が仲間同士であるいは地域の外に出て、夢や未来を自分の言葉で語るべきだと思います。言霊というように、前向きに夢を語り続ければ、必ず道が拓けてくると私は信じています。

 

熊木 宏行さんの横顔
母校松代高校の野球部OBとして2000年〜2017年までコーチを引き受け、学校創立100周年の2006年には甲子園出場に導いた。教え子に元東北楽天イーグルス聖澤諒(千曲市出身、松代高校)がいる。


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