2019年3月号

View Point

中村 将臣(なかやま まさおみ)

公益社団法人長野青年会議所2019年度理事長
新日本警備保障株式会社代表取締役社長

昭和60年1月25日生まれ。平成21年新日本警備保障㈱入社、平成30年代表取締役社長就任。平成21年長野青年会議所入会、平成24年広域交流委員会委員長、平成28年専務理事、平成30年副理事長・開来室室長、平成31年理事長就任。

長野市のより良い未来をつくるため
 経済政策と社会政策の両方に関わる存在として
  長野青年会議所は若者らしく「躍動」します

 長野青年会議所は今年度、スポーツのちから共生委員会、青少年共創委員会など新しい委員会を設けました。私たちの事業が1つのモデルとなり、市民の皆さんがそれぞれにできる形で地域社会の課題解決に取り組む運動が広がっていけば幸いです。経済政策と社会政策の両方に関わる責任を認識しながら、私たちはこの長野市で若者らしく生き生きと活動します。

長野青年会議所2019年度の
スローガンは「躍動」

── 長野青年会議所2019年度理事長に就任されての抱負をお聞かせください。

中村
 長野青年会議所(以下長野JC)メンバーは普段、各自会社の経営に携わり、あるいは企業に勤めることで、経済人として社会に貢献しながら、まちづくり活動を推進しています。経済政策と社会政策が両輪で進んでいく必要があり、その両方に関わることができるのがJCです。こうしたチャンスを与えられた我々は、非常に恵まれた存在であると認識しています。
 おかげさまで長野JCは昨年65周年を迎えました。今年は70周年に向けて新たな一歩を踏み出す年です。また、今年は平成が終わり新たな時代を迎えます。未来をつくっていく上で、平成と新たな時代をしっかり結びつけることも、我々の役割であると考えます。
 そうした責任を重く受け止めつつ、若者らしくこの地域で生き生きと活動したいと願い、今年度のスローガンを「躍動」としました。一人ひとりが青年経済人として、社会的地位を有する人間として、与えられた責任を全うし、また長野JC会員であるとの意識を強く持ち、役職の有無に関わらず活動して欲しいとの想いを込めました。このことを152名の会員が自覚し一生懸命活動すれば、きっと未来を切り拓く原動力になると信じます。
 昨今、厳しい時代の思うに任せない状況を時代のせいにしたり、人に対して諦めてしまったりする風潮を感じます。ただ長野JCは、いかなる時代にあっても「明るい豊かな社会の実現」を掲げ、まちや人に対してずっと変わらぬ精神で関わってきました。今この環境を享受しているのも、戦後の日本を復興させた方々はじめ先達あってのことです。今を生きる我々も同じです。未来の利益を損なわぬよう、今後地域を引っ張っていく子どもたちのためにより良い環境を残していくのが、私たちの使命であると強く感じます。単年度制のJCにおいて、この1年もまた1つ新たな挑戦を積み重ねる1年でありたいと願います。

 

課題解決に向けた
運動を起こす事業に注力

── 特にどのような事業に力を入れていかれますか。

中村
  まず対内的には、会員拡大と資質向上を図ります。「数は力、質は強さ」です。魅力的な組織には自然と人が集まり、数が集まれば運動を推進する原動力になります。そして指導力開発を通じて会員の質が高まれば、組織を強固にできます。
 対外的には、従来になかった委員会を新設します。たとえば、「スポーツのちから共生委員会」がそれです。スポーツは人類共通の文化として育まれ、どなたにも馴染みのあるものです。同委員会では、スポーツを切り口に人が理解し合う環境づくりを進め、ハンディキャップの有無や世代を問わず、誰もが活躍できる共生社会の実現を目指します。特にオリンピック、パラリンピックを開催した長野市において、スポーツを通じた社会環境の整備を事業に取り入れて全国に発信することは、今後ラグビーワールドカップや東京オリンピック、長野で開催される国体などを見据えても、意義のあることだと思います。
 また、青少年共創委員会も新設します。青少年をめぐるさまざまな問題の背景には、貧困の問題があります。親から子へ貧困が連鎖し、社会における格差にもつながっています。とはいえ、非常にデリケートなテーマでもあり、学校や行政が直接関わるには難しい部分もありました。そこで我々が、貧困について生の声をヒアリングするなど調査研究を行い、行政や企業などへ提案活動をしていきます。冒頭で申し上げた通り、地域社会がより良くなるためには、経済政策と社会政策が両輪でしっかり回らなくてはなりません。経済人であり、JCとして社会政策に関わる我々だからこそできる事業の1つだと考えます。
 国際交流委員会も名称こそ変わりませんが、例年とは異なります。国際会議の招致や国際機関の誘致を目指して、オリンピックレガシーをもち、災害にも強い長野市を世界に向けてアピールします。また、外国人の滞在プランなどについても提案していきます。ほかの委員会活動にもいえることですが、我々の事業は1つのモデルです。我々の事業がきっかけとなって、この地域に国際交流運動が生まれ、企業やまちづくり団体、NPOや一市民の皆さんが、各々にできる形で国際交流を進めていただくことになれば幸いです。
 また、生産年齢人口の減少に伴い、地域の活力が失われています。この状況を打開するには、首都圏との差別化を図りつつ地域の魅力を最大限に活かし、持続可能なまちづくりを推進すべきです。広域連働委員会では、行政や各種団体の方、市民の皆さまとともに、長野市の魅力を再認識し、長野市らしい価値について考えます。さらに、みゆき野・妙高・上越の各JCと連携して新たな気づきとエネルギーを生み出し、長野市の未来ビジョンを描いていきます。
 なお、今年は統一地方選挙、参議院選挙、市議会選挙が行われます。若者に政治を身近に感じてもらう機会を長野JCとしても提供できないか、現在考えているところです。

 

JCの運動論が
市民に「伝わる」情報発信を

── お話を伺って、広く市民を巻き込んだ運動を志していらっしゃることがよく分かりました。

中村
 はい。長野びんずるや長野灯明まつりも、イベントでありながら1つの運動であると私は思います。長野びんずるでは、中心市街地に市民の皆さまが集まり、時間を共有することでまちへの愛着が生まれ、熱気が活気に変わります。長野灯明まつりは、オリンピックレガシーを次代に継承する役目を果たしながら、貴重な観光資源として観光戦略の中に位置づけられるようになりました。
 市民の皆さまにJCの運動論をご理解いただき、あるべき社会の実現に向け、何であれご自分の手で始めていただくことが、長野JC66年間の軌跡ですし、これからも我々は変わらぬ精神で歩むべきだと強く感じています。そのためにも、まずは我々の取り組みを認めていただけるよう、各種団体や市民の皆さまにもっと我々が学ばねばなりませんし、私たちの運動論を「伝える」ことで満足せず、確かに「伝わる」ことが必要です。独自の広報誌を発行するほか、多様なメディアを通して幅広く計画的な情報発信を行います。
 最後になりましたが、長野商工会議所の会員の皆さまは、私たち青年経済人にとって経営の先輩であり、人生の先輩でもあります。我々の活動にご理解いただき、地域経済が活性化するよう、さまざまな側面からご指導・ご支援を賜ればありがたく存じます。長野JCをどうぞ温かい目で見守ってください。

 

中村 将臣さんの横顔
もともと体を動かすことが好きで、常日頃スポーツジムに通う。「良い仕事・良いJC運動を行うには、体力と気力の充実から」と話す。


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