2018年8月号

人きらっとひかる

芋井の「芋」でつくった焼酎を
日本中へ、そして世界へ。

合同会社 芋井の里 芋井の焼酎を造る会

飯塚 八十雄さん 代表(左下)
小林 敬蔵さん 副代表(左上)
西澤 一幸さん 副代表(一般社団法人飯綱高原観光協会代表理事)(右下)
及川  渡さん 常務役員(NPO法人飯綱高原自遊学舎理事長)(右上)

 芋井地区のジャガイモを原料とする芋焼酎が注目されています。企画・開発・販売を手がけているのは、地域の住民による会員組織「芋井の焼酎を造る会」。一過的な名物に終わらせず、未来へつなぐ事業ととらえ、さまざまな分野で活躍してきた役員たちの経験をフルに活かした製造・販売の仕組みづくりが好調を支えているのです。

地区の住民みんなで
地域を元気にしよう!

 飯綱高原山麓に広がる芋井地区は、人口約3、300人の、高齢化と過疎化が進む中山間地です。とはいえ、豊かな自然や農業体験ができる環境があり、民泊で年間2、400人もの修学旅行生、観光客を集客し、可能性が期待される地域でもあります。
 2014年秋、住民自治協議会の行事で緑地整備に汗を流した後の慰労会でのこと。地区住民みんなで取り組む地域おこしの話題で大いに盛り上がりました。「芋井だから芋焼酎!」の提案に、みんなが喝采。この案は酒宴の話題で終わることなく、早くも翌日から具体的なプロジェクトとして動き始めたのです。
 牽引役は10数名の役員たち。平均年齢は70歳超ながら、会社経営、自営の商工業、農業など、それぞれの分野で培ってきた経験と人脈の持ち主です。さっそく具体的な事業案が策定されました。
 酒造会社との交渉、原料とするジャガイモ「キタアカリ」の選定、生産者の募集、販路確保も兼ねた出資式の会員組織づくり、広報を兼ねたラベルやパッケージのデザイン公募など、企業も顔負けの戦略的な製品づくりが進められました。
 目的はあくまでも地域の活性化。補助金や民間資本に頼らず、住民みんなが誇れ、全国の人々からも愛されるような特産品を生み出すことに力を注ぎました。

初年度3、600本は完売
新商品プレミアム焼酎も大好評

芋井産のジャガイモを原料に生産した芋焼酎「芋井の里」と、プレミアム焼酎「皇SUMETARI」
 ジャガイモは、芋井地区の多くの家庭で昔から栽培されている作物です。「男爵」種が主流ですが、焼酎の原料としては糖度が足りないため、「キタアカリ」に限定。趣旨に賛同した45人が、2015年春から生産に取り組み、8月に2、000㎏を収穫しました。
 提携する酒造場(佐久市・芙蓉酒造協同組合)へ、「んめ〜焼酎になって帰ってこいよ!」と書いた横断幕を飾ったトラックで送り出し、待つこと約4ケ月。12月に3、600本の芋焼酎「芋井の里」が完成しました。試飲した人々は口々に「んめ〜っ!」と、完成を喜び合ったといいます。
 製品は出資者や口コミの希望者が購入し、あっという間に完売となりました。2年目の3、600本も同様でした。ジャガイモが豊作だった2年目は、「芋井の里」に加え、長野県産の米麹を使い、芋の割合を増して(芋:米麹=78:22、「芋井の里」は5:5)、さらにアルコール度数を高めたプレミアム焼酎を開発。飯縄神社の正式名称「皇足穂命神社」にちなみ「皇」と命名しました。この夏の贈答用商品としても人気を集め、「芋井の里」ともども残りの数量が限られてきたと、役員の皆さんは笑顔を見せます。 

未来へ、世界へ、夢は広がる

 この事業を始めるにあたり、会員みんなで決めたことがありました。「必ず毎年つくり続け、『芋井』という地域のブランド化につなげていこう」ということです。
 一過的な名物で終わらせず、地区全体の事業として少しずつでも拡大し、芋井を発展させていくことが、携わっている全員の共通の願いです。
 その実現に向け、インターネットでの通販を活用した日本全国への販売、1万本の生産体制の確立、ジャガイモのお花見ツアー計画、東京オリンピックで世界の方々に味わっていただくこと、そして地元で完成品を製造するための体制や施設の整備…と、役員の皆さんそれぞれが今後の展望や夢を語ってくれました。「芋井の里」の今後に期待が膨らみます。
 

組 織 名 合同会社 芋井の里・芋井の焼酎を造る会
設  立 2015(平成27)年
業務内容 地元農産物による地域振興
所 在 地 長野市大字上ケ屋2471-2572 TEL 026-266-0525
販売時間 焼酎は平日10:00〜16:00に合同会社 芋井の里で販売
U R L http://i-mo-i.net/ (長野市芋井地区住民自治協議会)

長野市芋井地区住民自治協議会の役員。地元住民による地元産品を生かした地域づくりをしようと、2015年2月「芋井の焼酎を造る会」を発足。5月には酒販免許取得のため「合同会社 芋井の里」を設立。企画に賛同した住民が栽培するジャガイモを原料とした芋焼酎を初年度3,600本生産、完売。1万本生産を目標に、製造・販売の仕組みの進化に取り組んでいる。


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