2018年7月号

View Point

田中 宏昌(たなか ひろまさ)

長野商工会議所生活関連サービス部会長
長野都市ガス株式会社代表取締役社長

昭和32年生まれ、東京都出身。一橋大学経済学部卒業後、昭和54年 東京ガス株式会社入社。平成24年 東京ガスエネルギー株式会社代表取締役社長。平成28年 長野都市ガス株式会社代表取締役社長。

独自の強みを持って存在感を示す
 身近な仲間と交流し、学ぶ場を
  これから増やしていきます

 生活関連サービス部会は、多様な業種の方が所属する裾野の広い部会です。まずは、相互理解を深めるために交流の場を増やし、今後は独自の強みを持って頑張っている方のお話を伺う機会もつくりたいと思っています。ほかにも、対人関係力を高めるセミナーの開催、後継者や採用難の問題への対応などを進め、会員が長野商工会議所に加入したことに価値を見いだせるよう努めていきます。

会員同士が互いを理解し合う
交流の場を増やす

── 長野商工会議所生活関連サービス部会長に就任されての抱負をお聞かせください。

田中
 たいへん恐れ多いお話を頂戴しました。私が長野都市ガスに着任して丸2年、長野商工会議所でも2年の経験しかありません。私には不相応と思いつつ、北村会頭から「いつまで部会長ポストが不在なんだ。田中やれ」と仰せつかりました。若輩者ゆえどれだけお役に立てるか分かりませんが、精一杯務めたいと思っております。
 生活関連サービス部会の会員には、会館、スポーツ、映画館、劇場もあれば、私どものようなガス事業や中部電力さんのような電力事業など生活を支える企業も入っています。業種が多種にわたり、非常に裾野の広い部会の1つです。部会方針にも謳うように、会員同士が互いの事業を理解し、いろいろな意味で交流したり、部会の場を活用し合ったりすることが肝要です。当会議所に入ったおかげで人脈や交流が広がったと多くの皆さんに言っていただけるよう、これに資する諸活動を行っていきます。例えば、当部会においては接客業務がたいへん大きな意味を持ちますので、対人関係力を高めるセミナーなどについては、これまで同様精力的に取り組んでいきます。

 

後継者不足や人材採用難は
大きな課題の1つ

── 現在の長野市の経済状況、中小企業が抱える課題についてどうお考えですか。

田中
  今申し上げたように、長野に来て未だ2年の新参者ですから、深く分かっているわけではありません。ただ、北村会頭もよくお話しされるように、国全体は景気が良いといわれるものの、地方ではそれを実感できるほど恵みが行き渡っていないようです。長野は本当に元気なのかと聞かれれば、景気が良いと言い切ることはできません。
 とはいえ、おしなべて悪いかというと、業種や企業の規模に関わらず元気な企業は元気ですから、一概に地方は駄目だというつもりはありません。頑張っておられる企業はちゃんとあり、自分たちの強みをきちっと活かし、国内あるいは海外のお客様へ良い製品やサービスを提供されています。そうした強みを皆が持てば、景気の波に関わらず長野はもっと元気になるでしょう。
 生活関連サービス部会の中でも、よくよくお話を伺ってみると、面白い取り組みをされている会員さんがいらっしゃって、新鮮な驚きを覚えることがあります。先ほど申し上げたように、当部会の裾野は非常に広いですから、私が詳しく存じ上げない企業、業種もあります。だからこそお互いにもっと知り合う交流の機会が必要だと感じています。個々の会社によって成功の秘訣は異なると思いますが、一方でそこから学べることもあると思うのです。独自の強みで頑張っていらっしゃる方にぜひ部会活動へ出てきていただき、その成功体験を大いに語っていただきたいものです。外部の講師をお招きして行う研修も有意義ですが、会員の中にも面白い話をしてくださる方がいるはずです。当会議所の女性会ではそうした活動もされているようですね。当部会でも同様な場を設けられたら、と考えています。
 長野市の中小企業の抱える課題としては、やはり人の問題が大きいかと思います。1つは後継者問題、もう1つは人材採用難です。長野に限ったことではありませんが、新しいことをやろうと思っても、後継者がいなかったり、人が採用できなかったりしたら行き詰まってしまいます。
 後継者については今後、会社の外から引っ張ってくることも考えなくてはいけないでしょう。せっかく優れたノウハウや技術を持った会社なのに、後継者問題で会社が続かなくなることは社会にとっても損失です。当会議所としても、今までに増してバックアップしていくべきかもしれません。
 人材採用難について、当部会では首都圏へ流れる人材に長野へ戻ってきてもらうためにどうするべきか学ぶセミナーを開催しました。こうした取り組みはもっとしていかなければいけませんし、個々の企業も採用にもっと積極的な姿勢で臨み、さまざまな媒体を通じて発信すべきでしょう。

 地域経済に関してもう1つ気になることは、インバウンド需要の取り込みです。外国人旅行者にとって長野県は自然が豊かで魅力的な場所です。冬、長野駅から白馬や野沢温泉、地獄谷温泉などへ向かう外国人がたくさんいますが、果たして長野市へどれほどお金を落としてくれているのか。せっかくここに立ち寄った彼らが、もっと街歩きを愉しみ、心地よく食事ができる環境を整えられたら、長野市へのリピーターも増えるのではないでしょうか

 

本業と地域貢献活動で
長野に豊かさと感動を

── 話題を変えまして、地域における貴社の役割について、想いをお聞かせください。

田中
 4月に新しいブランドスローガン「もっと、ながのを、ホッとに。」をつくりました。我々は長野市を中心に8市3町にガスを供給しています。その地域の皆様に向けて安らぎのある暮らし、豊かな時間、温かさをお届けし、この長野というまちを元気にしたいという意味をこの「ホッとに」という言葉に込めました。
 また弊社は、経営理念の1つに「地域とともに生きる企業を目指します」と謳っています。本業であるガス事業はもとより、地域貢献活動を通しても長野を元気にする力になりたいとの強い想いがあります。ささやかですが、AC長野パルセイロの応援・支援や音楽芸術活動への協賛もさせていただいております。できる範囲でスポーツや文化の面でもお役立ちしたいと考えております。
 本業では、電気の販売も始めました。今後長野においても、ガスや電気、通信など業界の垣根を越えて、エネルギー間競合が激しくなると予想されます。今後もお客様に選び続けていただくためには、ガスや電気の供給を通じて、どれだけ豊かな暮らしをお届けできるか、エネルギーをいかに便利に快適に省エネに、そして料金もお安く使っていただけるか、そうした提案力が重要になります。
 我々としては、例えば大口のお客様に向けては、コスト面の優位性だけでなく、コージェネレーションやエネルギーサービスなどお客様の現場での効率的な運用も含めたソリューション提案に力を入れていきます。一方で、家庭用のお客様に対しては、個々のニーズへきちんとお応えできるよう、修理や点検、新しい機器のご提案など日頃の活動を地道に続けていきます。
 天然ガスは、化石燃料の中では環境負荷が小さく、供給も安定しており、再生可能エネルギーとの相性も良いため、エネルギーのベストミックスを指向するうえで今後も重要な存在であり続けます。その供給を通じて、弊社はCSの向上はもとより、長野のまちと皆様に感動をご提供します。

 

田中 宏昌さんの横顔
男声合唱団ZENに入団したことが、長野に来て得た大きな楽しみの1つと話す。ホクト文化ホールでは、第九を披露する感動の舞台に立った。


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