2018年4月号

View Point

中沢 匠(なかざわ たくみ)

公益社団法人長野青年会議所理事長
有限会社インテリアニッセン代表取締役社長

昭和54年長野市生まれ。平成15年有限会社インテリアニッセン入社、平成20年代表取締役に就任し、今に至る。平成22年長野青年会議所入会。広報委員会委員長、副理事長を歴任して、平成30年理事長に就任。

先達が築き上げた歴史に感謝しながら
  メンバー一人ひとりが自己成長を遂げ
    未来への懸け橋となります

 今年度の長野青年会議所のスローガンは、「結 未来への懸け橋となれ」です。先達の理念を受け継いで、メンバーが自己成長を遂げ、過去と未来を結ぶ懸け橋となります。そのためには、これまでの活動の検証を行うこと、時代の変化や我々に対するニーズの変化に応じ変えるべきこと、さまざまな皆様との連携を通じた学びを生かすことをしっかりとやっていきます。

過去5年を検証し、
未来ビジョンを具体化する

── 長野青年会議所2018年度理事長に就任されての抱負をお聞かせください。

中沢
 長野青年会議所(以下長野JC)は、今年創立65周年を迎えます。60周年のとき、当時の土屋理事長が、70周年に向けた未来ビジョン「光溢れる我がまち長野〜みんなで創る確かな未来」を掲げました。これに照らして、まずはこの5年間の検証を行います。
 次いで、今我々に求められているニーズを考えた上で、継続すべきことは継続し、変革すべきことに関しては軌道修正を行います。中間期を迎えた本年だからこそ、残り5年をより具体的なものとし、更なる未来を見据えて新たな一歩を踏み出す1年にするつもりです。
 理事長就任にあたって、今年度のスローガンを「結 未来への懸け橋となれ」としました。「結」には、地域の未来のため、我々長野JCメンバーが自ら過去と未来を結ぶ伝承者になろうという決意を込めました。現在、長野JCでは入会年数の浅いメンバーの人数が多くなっています。地域の発展を遂げることが我々の活動目的ですが、長野のまちづくりに参画するには、青年経済人として自分たちの資質を向上させることが大切です。長野JCの輝かしい歴史に敬意を表し、先達の理念を受け継いで、まずはメンバーの自己成長を求めます。
 一方、時代の変化とともに長野JCも変化を求められ、変化とともに新しい可能性を探求しなければなりません。先ほど軌道修正と申し上げましたが、市民や時代のニーズに応じて変革すべきものについては変え、閉じるべきものについては終結させるという意味も「結」には持たせています。
 今年の干支は戊戌で、良いこと悪いことがはっきり分かれる年であるとされることから、何を取って何を捨てるのかを明確に定めることが大切といわれます。長野JCも今年を節目の年、新しく何かを始める年と位置づけ、「結」を実践します。

連携を通じた学びを
まちづくりに生かして

── スローガン「結」について、中沢理事長は歴史という縦のつながりだけでなく、ほかの団体や広域における横のつながりも意識されていますね。

中沢
 はい。昨年秋、ビッグハットでNAGANO EXPO2017を開催しました。この事業は、長野JCが事務局運営として携わっている長野びんずるや長野灯明まつりとは異なり、長野JCが主催で実行委員会を立ち上げて創りあげたものです。
 その際に生きたのが、これまでの交流事業を通じた経験でした。長野JCは、長きにわたり姉妹JCであるソウル江北青年会議所との友情を深めてきました。また、台中國際青年商會とも友好JC提携をしています。国内においても、RINX─4(上越、妙高、みゆき野、長野の4JCにより結成)などいくつもの連携を有し、また各地のJCへの出向を通じて、全国のメンバーと交わっています。こうした友情や連携の絆を強くしながら、広い視野や感覚を醸成し、外で経験したことをどんどん長野のまちづくりに生かしていけたらと思います。
 長野市にいれば当たり前のことが、長野市の外に出てみると不思議に思われることはよくあるものです。例えば、中核都市のお祭りに参加させていただくと、そのまちの市民の皆様が主体的にお祭りを創りあげる空気が強いことに驚かされました。協賛金を集める方法などもとても参考になりました。
 こうしたまちでは、JCやその活動に対する認知度も高いと思うのです。我々は、2013年に市民の皆様を対象に長野JCの認知度のアンケートを実施しましたが、我々のやっていることが地域の中であまり知られていないことがわかりました。特に、我々の活動について1番知ってもらいたい同世代の青年世代で認知度が低かったことが残念でした。知っていただくこと自体が目的ではありませんが、運動を広げる上で同世代の方の賛同や協力は欠かせません。
 また、同世代の目線は、教育関係の事業においても重要です。近年、人口減少に伴い少子高齢化問題はさらに深刻さを増しています。何より我々が当事者として考えなければならないのは、育児世代として子どもたちとどう向き合い、彼らの幸せな将来のために何を行うべきかということです。ですから、今後同世代を中心に広く市民の皆様への情報発信に努めていきます。そして、NAGANO EXPOといった事業に限らず、さまざまなまちづくり運動を地域とともに進めていこうと考えています。
 もちろん、まちづくり運動を地域とともに進めていくためには、長野JCの先輩方も数多くいらっしゃる長野商工会議所との連携も重要です。大きなものでは、長野びんずる、長野灯明まつりがあります。それ以外にも、例えば行政に対して我々青年の声を伝える際には、ぜひ相談させていただきたいです。また、長野えびす講煙火大会をはじめ長野商工会議所が主催されている事業の場をお借りし、我々に不足しているノウハウを学ばせていただいたり、JC活動に広がりを持たせられる場をつくりたいと思っています。

人と関わる心こそ、
長野JC伝統の宝

── 理事長は、長野JCに受け継がれるどんな伝統を未来につなぎたいとお考えですか。

中沢
 人づくりです。私が長野JCに入って感じた最大のメリットは、先輩方から人との接し方、人に対する思いやり、自ら行動する気持ちなど心の部分を教えていただいたことです。長野JCの先輩方は、JCの全国大会やJCI ASPACを開催し、長野オリンピックの誘致にも尽力されました。そのような経験をされた先輩方から教わる心の部分が、自分自身の成長の一助となったことは間違いありません。そのため、長野JCの1番の宝は、人と関わる心だと思うのです。
 そして、心が変われば行動も変わります。長野JCのメンバーは、それぞれに仕事もあり家庭もありながら、お金と時間を費やして活動しています。地域を活性化することを目標として掲げることは至極当然ですが、その活動から代価を得ることがなければ取り組む意義も見出せないのではないかと思っています。たとえば会議1つをとってみても、面倒に思うときもあるでしょう。しかし、何のためにやっているのか意識できれば、会議を終えて帰るときの印象も変わってきます。
 それゆえ今年は、一人ひとりが目的意識と当事者意識をしっかり持った上で、青年会議所運動に取り組んでいきます。そうした過程の中で、市民の皆様へ私たちの活動を伝播し、共感の輪を広げることができれば、無意識の内に組織力も上がるでしょう。自ら行動できる人づくりに努めることが、私たちが掲げる未来ビジョンの実現、「明るく豊かな長野」の実現への一助になると信じています。

 

中沢  匠さんの横顔
会社やJCの用件で県外に出かけた際、時間の許す限り当地の日本建築を見て歩く。特に城が好きで、今までで1番良かったのは愛知の犬山城だとか。


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