2017年11月号

人きらっとひかる

あこがれの次のステージへ。
棟梁を目指して自分を磨き続ける!

脇本 奈苗さん
中澤勝一建築株式会社 大工

 今年4月、「大工」として歩き始めた19歳の脇本奈苗さん。幼い頃からあこがれてきた職業に就き、毎日が発見、驚き、そして納得の連続だといいます。将来の夢は「信頼される棟梁になること」と、潔いほど明確。修業は始まったばかりですが、自ら定めた大きな目標に向かって、まっすぐに突き進んでいます。

小学校時代からあこがれた大工の仕事

 脇本奈苗さん、19歳。今春、高校卒業と同時に中澤勝一建築株式会社に就職し、大工になりました。大工は、脇本さんが幼い頃からあこがれ続けてきた職業。自分の名刺に記された「大工」の文字を見て、「思わずにやけちゃった」というほど、うれしい就職でした。
 あこがれのきっかけは、小学校低学年の頃、近所の住宅建て替え工事の現場に興味を持ち、足繁く通ったこと。ふだんは目に見えない梁や柱の様子に興奮し、それを組み上げ、家を造り上げていく職人の仕事ぶりに強く惹かれたといいます。中学生の頃には、自分の職業として大工を意識するようになっていました。
 その方面に少しでも早く近づきたいと、工業高校への進学を志望しますが、紫外線アレルギーを発症し、大工になること自体を断念せざるを得ませんでした。しかし、普通高校で学びながらも夢はあきらめず、建築関係の企業や仕事が気になって仕方がありません。アレルギーをある程度克服できたこともあり、3年の夏休みには思い切って建築会社へ職場体験に。現在の就職先で実際の現場に触れ、本気で大工になる決意を固めます。

1つ身につくとすぐ次の難関が!
でも、楽しくて仕方がない

教えられた通りに鉋を引き、材木の表面をていねいに削っていく
 「入社当初は知らないことだらけ。木材のことも、道具の名前や役割も全然わからず、何を言われても『?』という感じ(笑)。建物の仕組みもわからないから、最終的にどうなるのか想像することができなくて、すべてにわたって『?』の連続でした」。
 あらゆることを1つ1つ覚え、身につけていくのは大変なことですが、脇本さんにとっては刺激的で楽しい経験のようです。「材料の名前や性質、寸法、道具の使い方……どんなことでも、聞けばしっかり教えてもらえます。同じことを3回聞くと、さすがに怒られますが(笑)」。
 1つ身につけると、すぐ次の難関が待っていて、覚えることが際限なく多い毎日ですが、脇本さんは「とにかく楽しい」と、夢中になって取り組んでいます。
 入社から半年が経ち、「理解していること」「できること」が少しずつ、でも確実に増えていると実感できるのも、前向きさを後押しするのでしょう。目下、ノミを使った刻みの工程と、鉋を引く工程を、日々OJTで修業中です。
 「この仕事が大好きで、素直に何でも吸収しようとする姿勢が頼もしい」と目を細めるのは、社長の中澤毅さん。「若いうちに基本をしっかりと身につけ、自分自身のライフステージとうまく折り合いをつけながら一生の仕事として長く続けていってほしいですね」と、期待を寄せます。

将来、信頼される棟梁になることを目標に

 将来の目標を聞くと、脇本さんは迷わず「棟梁になること」と答えてくれました。
 「お客様のご要望にお応えできる技術を持つのは当たり前。現場の全体を見通すことができ、適切な指示ができるのはもちろん、そこに関わる全員が同じ気持ちで仕事に向かえるような、いいコミュニケーションのできる棟梁を目指したいと思います」。
 そんなはっきりとした目標を描けるのは、まさに今、お手本となる棟梁や先輩の背中を見ながら仕事をしているからのようです。
 あこがれだった大工になるという夢をかなえた脇本さんは、次のステージへ、確かで着実な一歩を踏み出しています。
 

組 織 名 中澤勝一建築株式会社
創   業 1936(昭和11)年1月
業務内容 「大工魂」を合い言葉に、腕のよい大工職人集団として在来木造住宅の建築を中心に、住宅リフォーム・修繕、小規模店舗設計施工、各種住宅関連資材の販売・施工を展開している。
所 在 地 長野市松代町東条1697-1 TEL 026-278-3763

長野市出身。幼い頃から大工の仕事にあこがれ、中学生の頃には自ら大工となることを志望。高校3年の夏休みに「職場体験」で中澤勝一建築株式会社の現場を3日間体験し、就職を決意。現在、見習いの「大工」として、先輩に学びながら技術の習得に努めている。


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