2016年10月号

人きらっとひかる

スケート競技の魅力を
たくさんの人々と共有できる場へ

江遠 佳奈さん
株式会社エムウェーブ

 1998年長野冬季オリンピックでスピードスケート競技会場となり、日本人選手のメダル獲得に沸いたエムウェーブ。その様子をテレビに食い入るように見ていた北海道の中学生が、現在、エムウェーブに勤務する江遠佳奈さんです。スピードスケートの選手、指導者として重ねてきた経験が、今、大会のサポートやスケートの普及に向けた取り組みに生きています。

IOC承認の「長野オリンピックミュージアム」へ

 この夏、日本中が沸いたリオデジャネイロ、そして4年後の東京と、今年はオリンピック、パラリンピックの話題が絶えません。
 そんななか、1998年長野冬季オリンピック、パラリンピックのスピードスケート会場となったエムウェーブの館内にあるメモリアル展示施設が、IOCオリンピック・ミュージアムズ・ネットワークの承認を受け、「長野オリンピックミュージアム」として新たなスタートを切りました。長野冬季五輪開催から20年を迎える2018年に向けた活性化と、2020年の東京五輪を地方から応援していく拠点となることを主な目的に、展示をさらに充実。今後開催されるオリンピック、パラリンピックを盛り上げ、将来の五輪を担っていく子どもたちのスポーツ教育の場として、活用が期待されます。
 エムウェーブスタッフの江遠佳奈さんが、ミュージアムの観覧に訪れる人々を案内し、展示内容やウィンタースポーツの魅力を伝える機会も増えています。五輪マインドやスポーツに親しむ心が多くの人に根付くことを願う江遠さんの案内は、穏やかななかにもスピードスケートをはじめとするスポーツへの情熱にあふれ、見学者を引きつけます。

オリンピックのリンクは
選手のあこがれ

 長野冬季オリンピックのスピードスケート競技で、日本は3つのメダルを獲得しました。当時、中学3年生だった江遠さんは、その模様を出身地北海道の自宅のテレビで「食い入るように見つめていた」といいます。子どもの頃からスピードスケートに親しみ、選手としてさらなる成長を目指していた江遠さんにとって、エムウェーブのリンクはあこがれの場所となりました。
 その翌年、筑波大学でスポーツ科学を学び、スピードスケートの選手としても活躍した結城匡啓氏が信州大学教育学部に赴任。スピードスケート部とあわせ、長野オリンピックの遺産を未来へつないでいくため、長野スピードスケートクラブの創設、指導にあたっているとの情報を受け、江遠さんは信州大学に進学します。
 「あこがれのエムウェーブで練習できることも、信州を目指した理由の一つです。オリンピック競技が行われたリンクは特別ですから」。
 在学中は選手として国内大会を歴戦。後輩には小平奈緒選手もいました。さらに大学院進学後、指導者としての知識やノウハウも身につけ、修了後に就職したのがエムウェーブです。

スピードスケートが地域に
深く根付いていくことを願って

 江遠さんは今、エムウェーブを会場に行われる冬のスケート競技全般を担当。スケジュール調整をはじめ、広報、関係諸機関との連絡役、大会の運営サポートなど幅広い業務に携わっています。ことにスピードスケート競技会のサポートでは、アスリートとしての経験を生かし、選手が最大限の力を発揮できるよう配慮するとともに、場内FMを通じ、より多くの人がスケートに親しめるよう工夫に余念がありません。
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長野オリンピックミュージアムを観覧する団体や希望者に館内を案内するのも江遠さんの業務。解説にはアスリートならではの視点が生きる

hitokira819_03 「スピードスケートが盛んな国の大会を見学すると、観客の応援がその国の選手の頼もしい力になっていることを実感します。オリンピックを経験したこのエムウェーブが満席になって、選手のパワーになるような大会を目指したいですね」。
 長野にスケート文化をもっと根付かせ、やがて選手が育つような環境づくりに貢献したいと、目を輝かせる江遠さん。2年後に迫った韓国平昌冬季五輪の代表選手が、ここから羽ばたくことを夢見て、まもなく訪れるスケートシーズンへの準備を進めています。

 

事業所名 株式会社 エムウェーブ
創  業 1998(平成10)年
業務内容 長野市からの受託において長野市オリンピック記念アリーナ「エムウェーブ」、長野市若里多目的スポーツアリーナ「ビッグハット」、長野市若里市民文化ホールを管理運営ならびにそれに伴う各種事業を展開。
所 在 地 長野市北長池195番地 TEL 026-222-3300
URL http://www.nagano-mwave.co.jp/

北海道出身。子どもの頃からスピードスケートに親しみ、地域を代表する選手に成長。信州大学教育学部でスポーツ科学教育を指導する結城匡啓氏に師事するために信州大学に入学し、スピードスケート部に所属。選手として国内各大会を歴戦。大学院修了後、株式会社エムウェーブに入社。広報活動をはじめ、各種大会サポート、子どもや学生のスケート指導、長野オリンピックミュージアムの案内などを通じ、スピードスケートの振興に尽力している。


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