2016年3月号

View Point

中島 政宏氏(なかじま まさひろ)

公益社団法人長野青年会議所2016年度理事長
有限会社リング代表取締役

昭和52年生まれ。平成16年長野市に4名で美容院「リング」をオープン。現在長野市、上田市、松本市でグループ4店舗を経営する。
長野青年会議所には平成18年に入会し、平成22年に共育交流委員会委員長、平成24年に副理事長を歴任。

 

まずは自らが変わり率先して動く
その行動力が波紋となって
地域を動かしていくと信じます

 今年度長野青年会議所では、青少年育成と中山間地活性化を目玉事業と位置づけています。これらを含め、いずれの事業でも大切なのは、自らが変わる気概と覚悟を持って、率先して動くことです。能動的に動き、人と関わっていくことで、我々は磨かれ成長することができますし、その行動力と成長が波紋となって広がれば、やがて地域を動かすことになると私は信じます。

メンバーの自己成長の先に、
長野の未来がある

── 長野青年会議所2016年度理事長に就任されての抱負をお聞かせください。

中島
 今年度のスローガンを、「『磨く』自らがまちの希望となれ」としました。
 「磨く」とは自己成長することです。私たち青年は、次代の先駆者となるべき立場にいます。熱く未来を語り、地域の希望となるリーダーへ成長していかなければなりません。
   希望の出発点とは何でしょう。好奇心から生まれる行動力だと私は思います。それこそが社会を変革する源です。だから、今年度私たちは、何ごとにも好奇心と真心を持って、能動的に取り組みます。その過程で一人ひとりの長野JCメンバーが成長すること、それが、住み暮らす長野の希望をやがて創造していくと私は信じます。
 昨年急逝した父から私は、「地に足を着けて生きろ」と耳にたこができるくらい聞かされました。地に足を着けて生きるとは、今の自分がいる座標を明確にし、そこから少しずつ確実に成長することです。自分の今の座標は、周りにいる人によってあきらかになり、その人たちと多くの想いを交わし合うことで人は少しずつ確実に成長します。
 人はひとでしか磨かれないということです。JCに限ったことではなく、人と関わることを求めた人だけが成長できます。求めなければ何も得られず、成長もありません。JCメンバーが互いの覚悟と想いをぶつけ合い、磨き合い、少しかもしれないけれど確実に成長できる一年であって欲しいと願っています。
 自己成長を遂げるうえで、JCは格好の組織だと思うのです。先輩方がこの組織の存在価値を地域のなかで築きあげてくれたおかげで、私たちはJCの名刺を持っていれば、市長をはじめさまざまな立場の方とお目にかかれます。まさに「魔法の名刺」です。JCに所属していることで、すでに私たちは人と関わるチャンスをいただいているのです。これを無にすることなく、出会ったすべての人に感謝と礼節をもって接し、その方々のなかで自分を磨いていけたらと思います。そうした経験は、私たちを周りにも目を向けられる人間に育て、JCを卒業した後もきっと役に立つことでしょう。

 

責任世代として
青少年育成に力を入れます

── 今年度の事業で、特に力を入れていかれることは何でしょうか。

中島
 青少年育成と中山間地活性化を今年度の目玉事業と位置づけています。
 まず、青少年育成についてお話しします。今や物質的には何でも揃う社会になりましたが、一方で少子化や核家族化の進行とともに、子どもたちの心の豊かさが失われつつあるのではないでしょうか。また、社会的規範が崩壊しつつあるとも言われ、その背景には、本来家庭において親子のコミュニケーションを通じて養われるべき道徳心が薄れていることがあると指摘されます。
 では、次代を担う子どもたちが未来に向けて夢や希望を持ち、心身ともに健康な成長をするためにどうすべきか。大人が責任を持ち、いつの時代も変わらない道徳心を醸成する機会、また社会に触れる機会を積極的に創出していくことが必要です。学校での授業のほかに、社会経験の豊富な地域の大人や我々青年が、子どもの成長を積極的かつ継続的にサポートすることが求められます。
 今年JCでは、親と子と地域が三位一体となって子どもの教育にあたる年間プログラムをつくり、実施していきます。併せて、これまで継続してきた「出張先生」にも力を入れます。
 学校がやってくれるだろうと、大人や家庭、さらに青年の我々までが他人任せの傍観者でいては、子どもたちの人間形成を成しえません。子どもたちは、自分たちのために真剣に取り組む大人の背中を見て道徳心を育みます。そんなふうに育った子どもたちは、やがて大人になったとき、次の世代の子どもたちに今度は自分の背中を見せてくれるでしょう。その継続がきっと、幸せなまちの未来づくりになります。まずは責任世代である私たち青年が、自ら変わるという気概と覚悟を持って、青少年育成について率先して行動することだと思っています。

 

地元住民と協働した
中山間地活性化事業

── もう一つの目玉事業は、中山間地活性化事業でしたね。

中島
 はい。私たちの故郷が持つ雄大な自然や風光明媚な景観は貴重な財産であり、これと共にあるのが中山間地と呼ばれる地域です。ところが、豊かな自然に囲まれた中山間地も、人口流出と超少子高齢化による深刻な人口減少問題に直面し、地域の活力は減退しています。自然や景観を保全するだけでなく、これらと一体となった中山間地を活力に満ちた地域にしてこそ、私たちの「たから」は次代にも「たから」であり続けます。
 本年は中山間地の人口減少に歯止めをかけ、活力あふれる地域を創出する事業により力を入れます。具体的には、JCは芋井地区に「ヤングブルー村」という、週末に利用できる田舎暮らし体験施設を設けました。施設では田舎暮らしのプチ体験をされたい皆様に向け、農業体験や里山体験、地元住人との交流など、さまざまなプログラムを企画しています。交流人口の増加、ひいては定住人口の増加へつなげていくことが狙いです。
 この事業に限らず、活力あふれる地域を創出する事業を展開するとき、地域の方々との協業が必要です。2012年に復活したながの祇園祭の屋台巡行も、市民との協働で行われるまちづくりの一つです。また、地域との絆を深め、人との結びつきを強くするという意味で、長野びんずるは今や長野を代表する市民祭となりました。今年も目一杯力を入れて盛り上げていきます。お祭りではもう一つ、灯明まつりについては、五輪開催都市として平和を願う思いと、善光寺や門前町の魅力を世界へ向けて発信し、今後外国人旅行者を長野へ呼び込む機会としても進化させていきたいと考えています。
 単年度制という制約はあっても、地域住民や行政の架け橋として、市民の共感を呼ぶ魅力的な事業に創り上げていくことは可能です。たとえば、今年は5月、10月、11月の例会を、広く市民の方にも開放し、それぞれ長野市の国際交流について、青少年事業について、中山間地事業についてセミナーを開催する予定です。こうした場を活用して、市民の皆さんの声に触れ、今私たちが取り組んでいる事業の次のステップを探っていこうと思います。
 先ほどもお話ししたように、JCの事業はまずは自分が変わることが大事です。自分が変われば、周りも変わります。自分が変わって、好奇心を持って動き出すそのエネルギーが波紋となり、やがて地域を動かしていくはずです。

 

中島 政宏さんの横顔
中学時代は剣道に打ち込み、昔の仲間と交流が今も続く。また、お子様2人も地域の剣道クラブに入り、時間ができると大会の応援に出かける。


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