2017年1月号

View Point

北村 正博(きたむら まさひろ)

長野商工会議所会頭

昭和22年、長野市生まれ。長野工業高等学校電気科卒業後、市内電子メーカーを経て、昭和45年に長野ソフトウェア・サービス株式会社を設立。昭和47年に社名を株式会社システムリース、平成2年に株式会社システックスとし現在に至る。平成25年11月より長野商工会議所会頭。平成26年には株式会社信州フードラボを設立。

動かずして実りはない。
魅力ある地域づくりに向けて
産業全体も盛り上げていきます

 2期目も引き続き、先輩会頭が培った資産を継承しながら、魅力ある地域づくりに努めてまいります。それには、観光やさまざまな産業分野で、市域を越えた交流と連携を進めることが重要です。観光や産業全体の振興、権堂の再生、スポーツによるまちづくりなど、重要なテーマがたくさんありますが、動かずに実りはありません。今年も積極的に動き回ります。

観光をはじめ産業全体で
連携、交流を深めます

── 長野商工会議所会頭として2期目を迎えられた抱負をお聞かせください。

北村
1期目を振り返りながらお話しさせていただきます。会頭という大役を私が仰せつかった翌々年に新幹線が金沢まで延伸し、その直後善光寺御開帳がありました。昨年は真田丸ブームがあり、市内では長野駅舎や長野駅前広場の整備をはじめ各種の大型プロジェクトが竣工しました。
 インバウンドを含めた観光については、「再び訪れたくなるまち長野」と銘打ち、観光資源の掘り起こし、おもてなし活動、PRなどを積極的にやってきました。そうして一度長野にいらしていただいたお客様に、二度三度とお越しいただき、また口伝えに長野の良さを広めてくださるような長野市をつくらなくてはなりません。自分たちの力のみでは難しいことですから、昨今顕著な広域を回遊する観光ニーズに合わせ、県内はじめ新幹線沿線地域など他地域と連携しながら進めていきます。今年は7月からディスティネーションキャンペーンがありますので、地域の観光資源をフルに活かしつつ、引き続き観光都市長野をアピールします。
 一方、観光に限らず地域の産業全体が盛り上がらないと、長野の経済は発展していきません。そこで、個の企業ではできないことも、複数の企業が連携することで乗り越えていこうと、まずは会員同士の交流を、さらに近隣地域も含めた企業間交流を深める事業に力を入れています。たとえば、昨年11回目を数えた産業フェアin善光寺平は、法人会とともに当会議所が事務局として開催しました。おかげさまで一昨年を上回る企業の出展をいただき、ご来場者も増加しました。
 こうした活動を地に足のついた形で進め、観光同様広い地域の企業にご参加いただくことで、企業間の相互理解を深め、マッチングのチャンスをつくっていけたらと思います。私も一昨年より新幹線沿線地域の商工会議所に積極的に足を運び、出展の依頼をしてきました。昨年の成果もその現れかと思います。今後も、行政とベクトルを合わせながら、産業振興を進めてまいります。
 また当会議所は、平成32年5月に創立120周年を迎えます。110周年には記念講演会や記念誌を作成するなど記念事業を実施しましたが、来たるべき120周年に向けて記念に残る事業を検討していきたいと思います。

 

権堂の再生が
長野のまちづくりの大きな鍵

── 1期目のテーマとして掲げられた「変化への対応」について、ご自身はどう評価されますか。

北村
 当会議所事務局内ではIT化を進め、情報の発信と共有がスムーズになりました。今度はこれを会員企業に広めるよう働きかけをしていきます。  また、小規模事業者にとって相談に乗りやすい商工会議所を実現しようと、事業継承、資金、販路拡大など具体的な課題について、それぞれの企業と相談員による伴走型支援も進めています。  3支所の連携強化もテーマでした。平成18年に合併して10年が経ち、地域ごとの特性がある事業はそれぞれが担うことで充実、発展させつつ、長野市全体として取り組む共通事業では、互いにスクラムを組み、一体感をもってあたっています。部会活動もオール長野商工会議所として進め、地域全体の同業種の交流が、ますます深まればと願っています。さらに、平成34年度末に開通が予定される川中島幹線の工事では、その拡幅部分に篠ノ井支所の一部がかかります。この建物をどうするかについて、当会議所全体の事業として、課題解決にあたります。
 まちづくりも、変化への対応が迫られています。今、長野市の両サイドである須坂市と千曲市で大型郊外店舗の出店が予定されており、これに伴い人の動きも変わることが予想されます。長野市として魅力あるまちづくりを考えたとき、権堂の再生が鍵になります。たとえば、権堂を中心としたコンパクトシティ構想も出ています。権堂地域の皆さん、市民の皆さんや市行政でも、権堂再生の機運が高まるなか、私どもとしても、やるべきことをしっかり捉えて取り組んでいきます。

 

教育問題など長期的視点に
立った活動にも注力

── 長野商工会議所が今年度以降取り組んでいく具体的なテーマをお聞かせください。

北村
 まず過去からの事業は大切に継承します。たとえば、長野灯明まつり、屋台巡行、長野びんずる、えびす講煙火大会、篠ノ井まつり恵比寿講、松代藩真田十万石まつりといったイベントは、大きく育てながら、市民をはじめ県内外、外国からのお客様にも楽しんでいただけるよう努めます。
 他地域との連携については、松本と長野の政経懇談会、上越と長野の地域連携協議会のほかに、長野県商工会議所連合会の会長としてリーダーシップを発揮すべく、商工会議所同士の横の連携も深めており、今年度以降も発展させていきます。
 また、新幹線沿線地域の皆さんのところへもマメに足を運び、北信越会頭会議などでも関係を深めてきました。また善光寺御開帳のPRや新幹線延伸を機に良いご縁ができましたので、より一層信頼関係構築に努めます。善光寺御開帳以降、北陸から長野市にお見えになるお客様もたくさんいらっしゃいますし、以前に比べ、長野市にとって北陸や関西が身近になったように思います。経済交流、企業交流がさらに進めば、長野市の産業にとって新たな可能性も生まれるはずです。
 ところで、長野県に限らず人口減少、人口流出が深刻な問題になっています。課題解決のためには、学校を出た後の受け皿として、魅力ある企業を育て若者たちに発信する一方、さらに長期的視点に立ち、自分のふるさとを見直し、思い入れが持てる子どもを育てることが必要です。親御さんには子どもたちと一緒に地域を歩きながら、ふるさとの魅力を伝えてほしいと願っています。当会議所でも教育問題特別委員会をつくり、NAGANO検定や子ども向けのNAGANO検定ジュニアを実施するなどして、長野を誇りに思う人材の育成に取り組んでいます。
 ふるさとへの思い入れとともに、感謝の気持ちやモラル・マナー、思いやり、フェイスtoフェイスで話ができるコミュニケーション力を備えた子どもたちの育成に、家庭でも地域でも職場でも力を入れるべきだと考えます。そのきっかけづくりについても、教育問題特別委員会を中心に取り組んでいきます。
 「スポーツで輝き続けるまち」も大きなテーマです。AC長野パルセイロ・レディースのなでしこリーグでの躍進、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックでの市内・県内選手の活躍は、人々を元気づかせ、まちそのものを明るくしました。一生懸命にやる選手が成果を出すと感動が自然と広がります。皆でスポーツを観戦したり、楽しんだりできれば、まちに賑わいと人の交流が生まれます。長野市には南長野運動公園など、核となるスポーツの拠点がありますので、スポーツを通じたまちづくりにも力を入れていきます。
 すべてに通じて言えることは、動かずして実りはないということです。行動を起こしてみないと結果は出ません。2期目も積極的に動いてまいります。

北村 正博さんの横顔
「動かなければ何も始まらないし、何も得られないから」と、自分の足でとにかく歩き現場に出向くことを大切にしている。「知恵のない者は汗をかけ」が信条。


ページ: 1 2 3