2015年9月号

人きらっとひかる

(左)小山 修也さん (右)斉藤 洋一さん

親たちが楽しむ姿、松代の魅力を
子どもたちに伝えるきっかけに

(左)小山 修也さん
松代若者会議 発起人・代表

(右)斉藤 洋一さん
松代エヴァンゲリオンの町化計画プロジェクト代表

 至るところに歴史の面影が息づく松代。その価値や魅力を理解したうえで、今、そして未来に向け、ここに住む人、働く人、育つ人、訪れる人にとっての松代の新たな魅力を発信しようと取り組んでいるのが「松代若者会議」です。代表の小山修也さんと話題のプロジェクトのリーダーを務める斉藤洋一さんに、活動への思いを語っていただきました。

 

自分たちが暮らし、働く町
積極的に関わらないともったいない

「松代若者会議」の発起人で代表の小山修也さんは、青果販売業の跡継ぎ。家業を継ぐなら地元のことや人を知り、自ら関わって楽しい町にしていきたいと、地域のまちづくりNPO法人が主催する勉強会や、住民自治協議会などに参加してきました。主導する先輩たちの、松代への情熱を真摯に受け止めながらも、小山さんは「もったいない」という思いを深めていました。「これからのことを決めていく機会に、当事者となる若い人たちが参加しないのは、あまりにも、もったいない」と。
 斉藤洋一さんも、家業の建設会社を引き継ぐためにUターン。暮らしと仕事の拠点となる故郷が、「自分の知らないうちに知らない変わり方をしていく」ことに、危機感を抱いていました。「好きな場所がいつの間にか消えていってしまうのは残念すぎる」と感じていたのです。
 商工会議所青年部や、松代に縁を持つ、世代、立場の近い人々に、若い人が積極的に地域づくりに参加する機会を持とうと声をかけたのをきっかけに、仲間が集結。「松代を楽しいまちにする」ことを目的に、月1回、話し合いをする「松代若者会議」がスタートしました。

発信!「エヴァンゲリオンの町化計画プロジェクト」

松代若者会議
月1回の会議は自由に語り合うのが中心。時には酒を交え、本音で語り合いながら、おもしろい企画、元気な松代への思いを形にしていく

 当初は、政治、自治に関する公開討論会や、信州大学のNPO法人を招いての勉強会などを模索。しかし、その過程で、自分たちが身近な松代のことを意外にも知らなすぎるという現実に直面します。
 そこでまず地元の人々と交流を深めながら、きたんのない語らいを通じて、地域の歴史、先輩たちの取り組み、そこでの苦労や乗り越えてきた壁、今後への思いを共有する方向へと転換。大上段に構えず、自由に話し合う中から、地域が今まさに課題としていることや、自分たちがおもしろいと感じられる具体的な取り組みを探り始めたのです。
 昨年4月には、住んでいる人の目線で地域情報を発信するブログを開設。また、先輩NPOとの協働によって、今春の善光寺御開帳を前にオープンした修景文化財「寺町商家」の運営に参画。茶房やイベントスペースとしての活用をサポートしています。御開帳期間中には、シャトルバスプールで全国からの来訪者を地元産品でもてなし、町内への誘客につなげる「松代マルシェ」も実現しました。
 さらに今年は、90年代後半から10年代に至る長期間、社会現象とまでいわれたコミック・アニメ・映画の『エヴァンゲリオン』で、松代が舞台として描かれたことに関連した「松代エヴァンゲリオンの町化計画プロジェクト」を立ち上げました。全国を巡回する「エヴァンゲリオン展」が長野市でも開催されるのと合わせたチケット取り扱いや、地元の古民家を改装した簡易宿泊施設とタイアップした「星空Bar」イベントなどを実施。歴史だけではない松代の魅力に目を向ける人々の新しい流れが生まれています。

子どもたちが帰ってきたくなる故郷に

 「松代若者会議」の活動は、型にはまっていないのが特徴です。メンバーの誰かが、地域をおもしろくするために「やりたい」「挑戦しよう」と提案したら、みんなでその可能性や実現方法を検討し、いろいろな人に声をかけ、可能な限り巻き込んで、実行へと動いていくのです。その自由さは、縦割りになりがちな、地域内のさまざまな組織や多様な世代を、ごく自然につなぐ役割を果たすに至っています。肩肘を張らない「革新」が、松代に新しい元気をもたらしているようです。
 「家業がなかったら、きっと松代に帰ってきていなかった」という斉藤さん。「でも、ここがおもしろい地域なら、いったんは外へ出た子どもたちも、自らの意思で戻ってくる。そんな場所にしていきたいですね」。小山さんも「自分たちが楽しんでいる姿を、子どもたちに見せたい」と、目を輝かせます。住む人に魅力的な松代は、訪れる人をも魅了する松代になっていくに違いありません。

 

松代若者会議 団体名:松代若者会議
設 立:2013(平成25)年9月
業務内容:松代在住または松代に縁のある10代〜40代の若者約30名が集い、月1回「松代を楽しい町に」するための話し合いを実施。先人たちと意見交換、協働しながら、SNSを活用して松代の魅力を情報発信、「寺町商家」の活用サポートなど、若い人の視点で松代を活性化する取り組みを推進。2015年には「松代エヴァンゲリオンの町化計画プロジェクト」を立ち上げ、新たな交流を生んでいる。
所在地:(代表者連絡先)有限会社カネマツ物産 長野市松代町松代583 TEL 026-275-6365
ブログ/http://neighbor01.exblog.jp/
Facebookページ/https://www.facebook.com/shinsyumatsushiro

小山修也さんは地場の農産物を生産販売する有限会社カネマツ物産の専務、斉藤洋一さんは住宅の設計施工を手がけるHUCOS協同建設株式会社の代表。ともに松代で生まれ育ち、松代を仕事・生活の場所として選択した。その松代をもっと活気ある楽しい場所にし、子どもたちに引き継いでいきたいと、松代若者会議をスタート。歴史を大切にしつつ「革新」をテーマに、のびやかな活動を展開している。長野商工会議所松代支部青年部メンバーとしても活躍中。


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