2015年6月号

人きらっとひかる

小林 香菜さん

美しい日本の文化を
季節のお菓子とともに伝え続けたい

小林 香菜さん
旬彩菓 たむら 店長

 気配り、心配りが素晴らしい販売員、いつも輝いて仕事をしている販売員を表彰し、積極的に紹介することを通じ、販売員のおもてなし意識や地域全体のおもてなし風土を向上させていく取り組み「おもてなし販売員コンクール」。今年、最優秀賞に輝いたのは、和洋菓子を販売する「旬彩菓たむら」の店長・小林香菜さんです。日々の接客に寄せる思いをうかがいました。

一人一人の声に耳を傾け
心を込めて応対する

 11回目を迎えた「”こころに残る”おもてなし販売員コンクール」(主催 長野販売士協会・共催 長野商工会議所)で最優秀賞に輝いた小林香菜さんは、20代前半の若さで「旬彩菓たむら」の店長を務めています。まるでお菓子のように、人の気持ちを優しくとかす笑顔が印象的です。それでいて、来店客の目的や要望をしっかりと理解し、スピーディーに商品を手渡す手際は、まさに接客のプロ。茶席、贈答、来客へのもてなし、手みやげ、家族のおやつなど、さまざまな用途にぴったり合う品選びや包装に心を配ります。
 「ご本人が召し上がる場合でも、贈り物にする場合でも、お客様にとって一番いいかたちでお菓子をお楽しみいただきたいのです。入社当時の店長から“お客様第一で考えなさい”と口癖のように言われ、何をしたらいいのかを常に考える習慣が身についたように思います」。
 ポイントカードに書かれた名前と顔をいち早く覚え、名前を呼んで声をかけるようにしているのも、その一環です。そんな小林さんに会うのを楽しみに通って来る常連さんも多い様子。お客様の思いに応えようと、一人一人の注文にしっかりと耳を傾け、心を込めて接客する姿勢が、今回の受賞につながったのでしょう。

日本の文化が息づく
お菓子の仕事に誇りと喜び

製造部門とコミュニケーションをこまめに取り合いながらお客様の満足度を高めていく
製造部門とコミュニケーションをこまめに取り合いながらお客様の満足度を高めていく

 小林さんの自宅は、勤務先のすぐ近く。生まれたときから、暮らしの節目にいつも「たむら」のお菓子や赤飯がありました。
 「でも、お菓子が日本の伝統的な文化や習慣に根ざした奥深いものだと知ったのは就職してから」。最初の頃は、先輩や上司だけでなく、お客様に教えられることもしばしばだったとか。その一つ一つを、驚きや感動とともに素直に受け止め、知識として積み重ねながら接客に生かしてきました。
 6月ならば、夏を先取りする涼やかなお菓子、月遅れの端午の節句に合わせたかしわ餅など、季節感に富んだ和菓子を中心に、人生の節目の祝いや折々の贈答に合わせた商品を美しく配置します。「のし」や包装などについても、的確にアドバイス。店長となってからは、季節の変化はもちろん、日々の天気予報をチェックし、工場長と相談しながら製造する数や商品のバランスを検討するのも大切な仕事になりました。
 「店名の『旬彩菓』の通り、四季折々の暮らしを豊かに彩る味わいとして、職人が丹精込めた手作りのお菓子をお客様にご提案できることに大きな喜びを感じます」

受賞を励みに
次のステップに果敢にトライ

5月15日(金)長野商工会議所会員大会の席上で審査結果が発表され、表彰が行われた
5月15日(金)長野商工会議所会員大会の席上で審査結果が発表され、表彰が行われた

 入社当初から小林さんが大切にしている言葉があります。「一人の社会人としてどこに出ても恥ずかしくない人間になりなさい」という社長の言葉です。「家族の一員のように、人として育てていただいていることを、いつも感じながら仕事ができる毎日を幸せに思います」と語る表情に、周囲の人々への感謝と信頼がにじみます。
 小林さんは今回の受賞を「今の自分に満足せず、次のステップに踏み出すきっかけ」ととらえ、新しい挑戦を始めようとしています。少しはにかみながら宣言してくれたその挑戦とは、「国際的な対応ができる販売員を目指す」こと。
 昨今、店舗を訪れる外国人観光客が急増しているのだそうです。「求めに応じてただ商品を販売するだけでは、なんだか寂しいな、と。お菓子に込められた日本の文化や季節感をちょっとでもお伝えできたら、そのお菓子がもっと記憶に残るおみやげになると思うんです」。新たな挑戦にも、小林さんのおもてなしの精神がしっかりと息づいています。

 

有限会社 旬彩菓 たむら 事業所名:有限会社 旬彩菓 たむら
創業:1930(昭和5)年/2000(平成12)年会社設立
業務内容:和洋菓子製造・販売
所在地:長野市伊勢宮1-18-14 TEL 026-228-9235
URL:http://www.shunsaikatamura.com/

■本店 〈営業時間〉9:30~19:00 〈定休日〉月曜日 TEL 026-228-9235
■ながの東急店 〈営業時間〉10:00~19:00 〈定休日〉ながの東急に準ずる TEL 026-226-8181(ながの東急代表)

長野市出身。自宅が本店近くにあり、幼い頃から「たむら」のお菓子や赤飯が暮らしの節目を彩ってきた。高校卒業と同時に入社以来、6年間にわたり販売を担当。2014(平成26)年4月より店長に就任。同年出店の初支店・ながの東急店のマネージメントも担当している。「第11回”こころに残る”おもてなし販売員コンクール」最優秀賞を受賞、5月15日(金)に表彰された。


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