2014年11月号

 人きらっとひかる

長野らしい文化のスタイルを追求
クオリティの高い芸術を未来へつなぐ

大橋 聖一さん
(一財)長野市文化芸術
振興財団 専務理事
長野市芸術館館長

 新・市民会館「長野市芸術館」は音楽・演劇・ダンス・アート等様々な芸術に触れることのできる専門性の高 い大小3つのホールを有する施設として現在建設が進められています。全市的な新たな文化芸術振興の拠点施設として期待される長野市芸術館。豊かな文化に支 えられた『文化力あふれるまち 長野市』の実現を目的として設立された長野市文化芸術振興財団の専務理事・長野市芸術館館長である大橋さんに活動の方針や夢などをお聞きしました。

音楽の力は無限大
文化の香り高い長野市を目指して

▲音楽を主目的とする1,300席を有する大ホール完成予想図。他に小ホールA・Bがあり、音楽の他演劇や展示など幅広く活用できる。1Fには新市役所庁舎と連絡する「市民交流スペース」、ギャラリー、カフェなども設置される。
▲音楽を主目的とする1,300席を有する大ホール完成予想図。他に小ホールA・Bがあり、音楽の他演劇や展示など幅広く活用できる。1Fには新市役所庁舎と連絡する「市民交流スペース」、ギャラリー、カフェなども設置される。

 去る10月12日、長野市芸術館開館記念プレイベントとして開催された「久石譲×新日本フィルハーモニー交響楽団」特別公演は大盛況でした。4年半ぶりに久石さんが指揮をとられた公演に多くのファンが魅了され、あらためてその人気ぶりを示した形となりました。
 長野市は、久石さんを芸術監督に迎え、豊かな文化に支えられた「文化力あふれるまち 長野市」の実現に寄与することを目的として長野市文化芸術振興財団を設立しました。
 文化芸術活動団体の日常的な活動場所や、国内外の良質な舞台芸術の鑑賞機会の提供と支援を行うなど独自の文化事業を進め、市民が文化芸術に触れる機会を作り出していきます。
 また、来年度以降は、クラシック音楽の知識を高め、より深く楽しんでいただくための「音楽講座」、芸術館の機能を知ってもらうための「ホールの使い方講座」、また開館までの準備期間には内覧会などの開催も検討中です。

生の音の素晴らしさ
音楽キャラバンを通じて伝えたい

▲NCAC(Nagano City Arts Center)フリー広報誌。現在はプレ版を不定期で発行。芸術監督のインタビューや、イベント&ワークショップのお知らせなど盛りだくさんの内容がポケットサイズで読み込める。
▲NCAC(Nagano City Arts Center)フリー広報誌。現在はプレ版を不定期で発行。芸術監督のインタビューや、イベント&ワークショップのお知らせなど盛りだくさんの内容がポケットサイズで読み込める。

 「『ながの文化ビッグバンプロジェクト』にも示されているように、市内文化施設および市内文化芸術団体等との連携を積極的に行いながら、関わる人たちと目的をひとつにし様々な事業に取り組みたい」と語る大橋さん。
 「ながの文化ビッグバンプロジェクト」は、人を育み、文化を育み、都市を育むという「育む」を中心のコンセプトに据え、楽しむ・創る・つなぐをテーマに「文化力あふれるまち長野市」の実現を目指した構想です。
 その取り組みの一つが「音楽キャラバン」。
 「もっと気軽にクラシックをはじめとする音楽を楽しんでほしい。臨場感あふれる生演奏の素晴らしさを市内各地に届け、地域の方たちにも参加してもらえる機会を作りたい。未来を担う子どもたちやホールへ足を運ぶのが難しい方々へ音楽を届けたいのです」
 音楽キャラバンは長野市ゆかりの若手プロ演奏家たちが地域の様々な会場へ出向く出張型コンサート。全身で感じる生の音、演奏家たちによる曲や楽器にまつわる話など、音楽を身近に感じてもらえるイベントです。今年度予定していた30公演も全て予約済みとなりました。
 「音楽キャラバンのようなアウトリーチ事業も、市民の皆さん誰もが参加できる活動として地道に続けていきたい」

周囲への感謝と好奇心で
さらなるプロジェクトへ羽ばたく

 前職で芸術関連施設の立ち上げに関わったことが大きく役立ったと言います。
 「これまで多くの皆さまにご支援やご協力をいただき感謝しています。今後も変わらぬご支援をお願いする一方で、今後はそのご恩をどうお返ししていくかも 考えていかなくてはなりません。建物を造って終わりではなく、文化芸術団体や市民ボランティアの皆さんとの連携にも努めながら貸館事業の運営サポートや運 営ボランティア・専門的な人材の育成などにも取り組みたいです」
 学生時代には舞台に立った経験もあり、今でも休日にはコンサートや舞台などを観て体感することで生まれる感性を大事にしているそう。だからこそ、発信する立場だけでなく受け取る立場、つまり市民の目線でも物事を考え進めていくことができるのです。
 「今後は市民の皆さんや長野市にゆかりのある団体・アーティストなどとの交流の機会を作り、若い将来性のある人材の育成、子どもから高齢者までが楽しめ る芸術プログラムの提案などを財団職員一丸となって推進してまいります。全市的に展開する音楽フェスティバルのようなイベント企画もしていきたい」という 大橋さんのさらなる活躍に期待します。

map 団体名:一般財団法人 長野市文化芸術振興財団
設  立:2013(平成25)年10月1日
所在地:長野市箱清水一丁目3-8 長野市城山分室
TEL:026-219-3100
URL:Facebookにて「長野市芸術館」検索 ホームページは11月開設

現・佐久穂町出身。長野市在住。学生時代には、バスケットボールや演劇などで活躍。その後、信濃毎日新聞社に入社。事業局長として県内の文化・芸術・ス ポーツ分野で多岐にわたり、多彩な事業に携わる。在任中、長野県写真連盟会長、(公財)信毎文化事業財団評議員等を務める。2013年10月(一財)長野 市文化芸術振興財団専務理事・長野市芸術館館長に就任。


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